a0960_008572_m
   

香港は、言論の自由を守る砦である。中国が、これを踏みにじる制度をつくったからだ。中国共産党全国人民代表大会の常務委員会は6月末、香港版国家安全維持法を可決した。香港政府は同月30日、施行および法案の詳細を明らかにした。

 

同法によると、警察は「電子情報」について「国家の安全」を脅かす可能性があるとみなした場合、当局は新聞社、出版社、ソーシャルメディアおよびネットサービス運営企業に、情報提供を求めることが可能だとしている。さらに、アカウントの削除または投稿の削除を要求することもできる。従わない場合、高額な罰金と1年の懲役を科すとある。言論の自由は、基本的人権である。中国は、香港でそれを奪うというのだ。グーグルやツイッター、フェイスブックは、香港政府からのユーザーデータの情報開示要求に応じないと発表した。

 

『大紀元』(7月7日付)は、「香港国安法、フェイスブックやグーグルなど米企業『中国当局にはデータ開示しない』」と題する記事を掲載した。

 

(1)「グーグルの広報担当は国安法が発効されて以後、「香港当局からの新しいデータ開示要求を一時停止し、新法の詳細を検討し続ける」と、ウェブメディアの取材に答えている。さらに、アップルは同法を精査しているとし、香港民主派が情報連絡に多用していたというチャットアプリのテレグラム、シグナルも、香港政府の情報提供の要求を拒否していると声明を出している」

 

グーグルやアップルは、香港当局の情報提供要請に応じていない。香港国安法では、「従わない場合、高額な罰金と1年の懲役を科すとある」。いずれ、中国は実行を迫って手を打ってくるだろう。その時、米中対立は激化する。米国政府は、そのチャンスを待って、次の手を打つであろう。いよいよ米中冷戦である。

 


(2)「ツイッターは、『ニューヨーク・タイムズ』の取材に応じて、香港の国安法について「あいまいで(違法行為の)明確な定義がない」とみなしているとした。また、「多くの公益団体、市民社会のリーダーと団体、そして同業者と同じく、私たちはこの法律の今後への影響と狙いを強く懸念している」と回答した。人気アプリのワッツアップとインスタグラムを所有するフェイスブックは声明で、すべての情報開示要求を一時停止して、香港の国安法の「さらなる評価を待っている」とした。フェイスブックは76日発表の声明で「表現の自由は基本的人権であり、人々の安全やその他の反響を恐れずに表現する権利を支持する」と書いた」

 

米IT企業が、香港当局の要求に屈すれば、全世界の信頼を失う。不退転の決意である。ここで、共産主義に屈したとなれば、商圏を失うと考えるべきだ。

 

米IT大手アップルは6日、国安法成立後、香港政府から直接ユーザーデータの要求やデータ検閲は受けていないとした。また、アップルは、米国と香港との間の相互法的支援条約に基づき、米司法省が「法令遵守」のための取り組みを行っていると述べた。米IT企業は、米司法省の指令に従う義務を負うので、中国政府の要求を拒絶して当然である。

 

(3)「国際的なテクノロジー企業は、香港で自由な経済活動を行ってきた。国際金融センターである香港は、中国共産党政権の情報封鎖の影響を受けない、自由なインターネット空間を活用している。中国本土では、グーグル、ツイッター、フェイスブックなど欧米のSNSやウェブサイトを閲覧できない」

 

下線部は、極めて重要である。国際金融センターは、言論の自由を前提にして成り立つとしている。香港国安法で言論の自由を封殺すれば、国際金融センターは存続できないという切羽詰まった状況にある。中国は、国安法を強引に香港へ押し付けたが、これをそのまま実行すれば、中国に大きな経済的な損失を及ぼす。さあ、どうするかだ。愚かな法律を押し付けて、自分の首を締める形になった。「飛んで火に入る夏の虫」という感じが強い。米国に向かって強がっている中国は、墓穴を掘っているのだ。