テイカカズラ

   
 

中国は長期的衰退過程へ

米国を「発展モデル」に

半導体で技術封鎖局面へ

国際情勢に疎い韓国迷走

 

中国が焦っている。経済は、新型コロナウイルスによるパンデミックと米中貿易戦争の足かせが大きく響いている。中国は、輸出動向を象徴的に表わす「広州交易会」(年2回開催)が低迷している。6月の交易会での成約高は、例年と異なり発表されないほどの落込みだ。輸出業者の9割が、倒産危機に見舞われると危惧される始末である。

 

こうした国内景気の低迷がもたらす不満を、外に向けるべく南シナ海や東シナ海で活発な軍事行動を始めている。中国海軍の「ル-ティン・ワーク」と言えばそれまでだが、関係国は見逃すわけに行かないのだ。

 

米海軍は、南シナ海に「ロナルド・レーガン」と「ニミッツ」の空母2隻を派遣し、近年では最大級となる演習を7月4日から実施している。周辺では、中国海軍も同時に演習を実施。期せずして、米中の両海軍が南シナ海を舞台に軍事演習を展開する騒ぎである。米海軍は、南シナ海の実効支配を強める中国をけん制する狙いだ。これに反発する中国は、米海軍を「紙」とこき下ろしている。

 

中国は、南シナ海の9割は自国領海と偽りの主張をしている。2016年、常設仲裁裁判所からは「違法」の判決が下された。戦前の日本が、満州(中国東北部)を占領した事態と同じである。長い目で見れば、中国も日本と同様に南シナ海から撤退を余儀なくされるはず。それが、歴史というものである。

 

中国は、南シナ海で既成事実づくりに懸命である。無駄な努力に見えるが、日米豪の三ヶ国防衛相が声明を発表した。河野防衛相は8日、米国のエスパー国防長官、オーストラリアのレイノルズ国防相とテレビ電話形式で会談した。3氏は、東シナ海・南シナ海での中国の軍事活動活発化を踏まえ「威圧的で一方的な行動に対する強い反対」を表明。3カ国が部隊の相互運用性を高め、連携を強化していくことで一致した。中国に対抗する日米豪の結束を表明した。

 

中国は長期的衰退過程へ

中国が、軍事活動を活発化させている背景は、すでに説明したように国内経済の落込みをカムフラージュするためだ。また、中長期的な狙いも込められている。米国と並ぶ超大国を目指す動きの一環である。軍事力がなければ、世界覇権へ挑戦する資格がないと思い定めているのであろう。これは、極めて短慮と言うべきだ。中国の人口動態から見て、今後の人口高齢化が不可避で、劇的な人口減が待ち構えている。次に、米中の人口推計を示した。

 

米中の将来人口推計

2020年      2100年    増減率

中国 14億3900万人  10億6500万人 -26%

米国  3億3100万人   4億4500万人 +34%

(資料:国連人口部 2019年6月)

 

上記の人口推計を見れば、米中の「盛衰」は一目瞭然である。2100年に向けて、中国は人口が26%も減少(2020年比)する。米国は逆に34%増加(同)するのだ。この事実は、米中にとって天と地もの差になる。この事実を前に、中国は何をすべきか。回答は自ずから出てくるに違いない。

 


中国は、軍事力を拡張して周辺国と軋轢を増すのがいいのか。周辺国と摩擦を起こさず、国内経済の充実に全力を挙げるべきか。中国共産党が、最終的に欧州型の社会主義を目指すならば、周辺国との摩擦激増は不可解な行動である。そうではなく、共産主義という帝国主義で臨むならば、世界は中国共産党に対し、一層の警戒心を持たざるを得ない。

 

中国の野望は、新型コロナウイルスによって鮮明になった。南シナ海でベトナム、インドネシア、フィリピンと対立を深めている。東シナ海では、尖閣諸島を巡って日本と対決する姿勢を鮮明にしてきた。このような中国の軍事的拡張主義が、国益に適う行動と考えているとすれば、全く逆である。中国への警戒心を強めるだけ。中国は、自ら行動範囲を狭めているのだ。つまり、「中国警戒心」を高めて、中国への技術移転を阻止する働きをしている。この点が、本日の中心テーマであり、後で詳しく取り上げたい。

 

米国を「発展モデル」に

中国は、まさか軍事力で世界覇権を握れると考えているはずがない。それにも関わらず、逆の方向へ走っているのは、中国人民解放軍の暴走と言うほかない。その頂点は、習近平国家主席である。習氏は、ことあるごとに「勝てる軍隊になれ」と発破を掛けている。それが、中国軍を暴走させる理由であろう。(つづく)