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朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長は、10日未明に遺体で発見された。韓国与党「共に民主党」の有力政治家3人が、いずれもセクハラ事件で失脚、死亡という悲劇的結末を迎えている。韓国与党は、ひときわ「高い道徳性」を売にしてきた。この高い道徳性とやらを武器に、日本批判の急先鋒に立ってきた。極めて便宜的な意味の「高い道徳性」であることが分かる。

 

進歩派の有力政治家が、相次いでセクハラ事件を引き起こしているのは、彼らが「感情過多・理性欠如」というパターンであることが分かる。言っていることと、やっていることが正反対でも、矛楯を感じないという精神分裂性である。野党保守派からは、こういう話を表だって聞かないが、進歩派の「二重性格」に注目すべきだろう。文大統領のセクハラ事件を聞かないが、「二重性格」的な側面は顕著である。

 

朴ソウル市長が死を選んだ理由は、女性人権重視の弁護士として、韓国では著名人であることだ。その本人が、セクハラで訴えられる事態となって弁解できないはずだ。ソウル市長という公職の重み、女性人権弁護士という看板を背負って、セクハラ事件を起こすとは、完全は精神分裂症というべきだろう。

 


『ハンギョレ新聞』(7月10日付)は、「パク・ウォンスン市長はなぜ死を選んだのか?」と題する記事を掲載した。

 

ソウル市のパク・ウォンスン市長(64)が10日未明、ソウル北岳山(プガクサン)の粛靖門(スクチョンムン)近くで遺体となって発見された。

 

(1)「ソウル市と警察関係者の話を総合すると、パク市長が失踪する前日の8日、警察にパク市長のセクハラ容疑に関する告訴状が提出された。翌日の未明まで告訴人の調査が行われたという。パク市長の秘書として働いていた職員のAさんは、弁護士同席で行われた警察の取調べで、「秘書として働き始めた2017年以降、パク市長の強制わいせつ行為が続いており、テレグラムメッセンジャーを通じて、パク市長は個人的な写真を何度も送ってきた」と述べた。Aさんは、パク市長と交わしたテレグラムメッセンジャーの会話の内容をはじめ、自分の被害を立証する証拠も相当量を警察に提出し、自分以外にも多くの性暴力被害者がいることも明らかにしたという」

 

韓国首都ソウル市長という公職の重み、次期大統領候補の一人という立場を忘れて、個人の感情に溺れていたことは、不思議と言うほかない。多分、過去に素晴らしい精神性に満ちた「恋愛」経験がないから、こういう事態に陥ったのであろう。ある意味で同情する。

 

(2)「Aさんのこのような供述は、パク市長にかなりの心理的圧力として作用したものとみられる。人権弁護士だったパク市長は1994年、参与連帯の設立を主導して事務処長を務め、権力機関の監視▽財閥改革のための小口株主運動▽不適格政治家の落薦・落選運動などを行い、市民運動の新たなページを開いた。これより前の1993年には、パク市長は「セクハラは違法行為」との認識を世間に広めた「ソウル大学○助手事件」の共同弁護人でもあった。セクハラで最初の法的攻防が繰り広げられた事件で、パク市長はイ・ジョンゴル、チェ・ウンスン両弁護士とともに被害者の弁護を担当し、1998年にソウル高裁で「加害者のS教授は○助手に500万ウォン(現在のレートで約44万9000円)を支払え」との判決を引き出した」

 

朴ソウル市長は、韓国初のセクハラ裁判で勝訴した弁護士である。その弁護士が、セクハラ事件を引き起したのだ。倫理性が、100%欠如した弁護士と難じるほかない。

 

(3)「2000年代に入ってからは、美しい財団、美しい店、希望製作所などの新たな市民運動領域の開拓の先頭に立った。2011年に当時ソウル大学教授だったアン・チョルス氏の支援の下、オ・セフン市長辞任に伴って行われたソウル市長補欠選挙で当選し、政治家に転身した。その後、3選に成功し、ソウル市政で様々な改革・革新政策を試みてきた」

 

朴ソウル市長は、弁舌が爽やかであったのだろう。「美しい財団、美しい店、希望製作所などの新たな市民運動領域の開拓の先頭に立った」ほど。ネーミングもうまい。この調子で、政治活動は順調であった。

 

(4)「特に、2018年にはソウル市に女性政策を総括補佐するジェンダー特補を置き、性暴力を予防し、被害者を保護するための女性権益担当官を新設するなど、女性問題に関して積極的な行動を示してきた。昨年4月には、市庁舎で開かれたセクハラ予防教育に出席し、「多くの女性団体の顧問弁護士をしたことで、性の平等がどれほど重要かを悟った。知らず知らずに出てくる言辞や行動が相手に大きな被害と苦痛を与え得る」とし、ソウル市の公務員に性認知の感受性を高めるよう訴えていた」

 

朴ソウル市長は2017年以降、セクハラを始めていたと告発されている。だが、2018年にはソウル市に女性政策を総括補佐するジェンダー特補を置くなど、「義人」ぶった政策を始めているから矛楯も甚だしい。「ジキルとハイド」韓国版である。文政権の反日政策の矛盾を見るような「ダブルスタンダード」である。

 


(5)「このように献身と道徳性に基づき、市民社会団体出身の代表的な民主陣営の政治家として浮上したが、自らが強調してきた価値や言動とは正反対の性暴力疑惑が膨らんだかたちだ。ソウル市役所のある幹部は「市長は、他のことはともかく道徳性だけは何しろ非常に強調していたので、このような状況になるとは思わなかった」と話した。結局、言行不一致による社会的指弾などが予想される中、パク市長は悩んだ末、遂には自ら命を絶った可能性が高いと見られる」

 

朴ソウル市長は、「道徳性だけは非常に強調していた」という。言行不一致も甚だしい。この超えがたい矛楯は、最後に自らの生命で清算せざるを得なかったのだ。韓国政治家は以て、範とすべきであろう

 

(6)「被害者への謝罪や市長辞任など、正攻法に近い解決策も考えていたと見られる。Aさんが告訴したことが確認された8日夜、パク市長の最側近たちは一堂に会して対策会議を行ったという。ソウル市ジェンダー特補などが出席したこの席では、市長職辞任の必要性などが議論されたという。しかし、3選のソウル市長であり、有力な大統領選候補だったパク市長は、大衆の前で世論と法の審判を受けるのではなく、自ら命を絶つことを選んだ

 

朴市長の最側近たちを交えて、対策会議を行ったという。朴氏は、法廷に立つよりも死を選んだが、その過失は永遠に消えない。一時の感情を抑えられずに陥った行為が、自らの輝かしい実績をすべて帳消しにした。それを諫める人もいなかったのだ。お気の毒な一生であったと思う。