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世界をパンデミックの坩堝に落とし込んだ新型コロナウイルス起源が、中国出身の若き女性研究者の米国亡命で明らかにされようとしている。これまで、中国のウソ説明とWHOの初動の遅れは、意図的にされていたことが明らかにされた。

 

『大紀元』(7月12日付)は、「香港大の女性ウイルス研究者が米に亡命、『中共ウイルスの真実を明らかに』」と題する記事を掲載した。

 

香港大学の女性ウイルス研究者は4月、香港を脱出し、米国に亡命したことが分かった。同研究者は710日、米フォックスニュースの取材を受け、亡命は「中共ウイルス(新型コロナウイルス)の真実を明らかにするためだ」と述べた。

 

(1)「亡命したのは中国青島出身の閻麗夢(えん れいむ)博士で、世界保健機関(WHO)のリファレンス研究施設として指定されている香港大学公共衛生学院の研究室に所属していた。同博士の話によると、昨年12月31日、上司でWHOの顧問であるレオ・プーン教授の指示を受け、中国本土で発生したSARSに類似するウイルスの研究に着手した。同日、中国疾病予防管理センターの科学者でもある友人から「家族全員が感染した事例を確認した。すでにヒトからヒトへの感染が起きている」との情報を入手した」

 

昨年12月31日時点で、新型コロナウイルスの発症が中国で確認されていた。すでに、ヒトからヒトへの感染が起きている事実も分かっていた。

 


(2)「この情報を複数回、プーン教授に伝えたが、「中国共産党のレッドラインを踏むな」「われわれが消される可能性がある」との警告を受けた。同じ情報を同大の著名なウイルス学者、マリク・ピーリス教授にも報告した。同教授も行動を起こさなかった。WHOのウェブサイトでは、ピーリス氏について「新型コロナウイルスによる肺炎の国際保健規則緊急委員会」の「アドバイザー」と記載されている。

 

WHOの顧問であるレオ・プーン教授は、閻麗夢博士からの報告で新型コロナウイルスが危険であることを認識したにもかかわらず、動こうとしなかった。同じ情報を香港大の著名なウイルス学者、マリク・ピーリス教授(注:WHOアドバイザーの資格保有者)にも報告した。同教授も行動を起こさなかったのだ。これは、WHOのアドバイザー役の肩書きが無意味なことを示すほど、責任を回避していた。

 

(3)「WHOは感染発生の早期、すでにヒトからヒトへの感染を把握していた」と亡命した閻博士は主張している。WHOは今年19日と14日、ヒトの間での感染を示す証拠はないと発表した。同博士は「WHOと中国政府が癒着しており、彼らは真実を隠すと予想していた」と述べた。4月28日、米に逃亡後、中国青島にある実家は警察の家宅捜査を受け、家族は脅迫された。香港大学はフォックスニュースに対して、彼女はすでに大学に所属していないとコメントし、ウェブサイトから同博士のページを削除した」

 

WHOは感染発生の早期、すでにヒトからヒトへの感染を把握していた。WHOは、今年19日と14日、ヒトの間での感染を示す証拠はないと虚偽の発表をした。これは、中国の立場を慮った結果である。この段階で、WHOがヒトからヒトへの感染事実を公表していたならば、パンデミックを防止できたはずだ。

 

亡命した閻麗夢博士は、昨年12月時点で「WHOと中国政府が癒着しており、彼らは真実を隠すと予想していた」と述べている。実に、おぞましい話である。

 

習近平国家主席が3月2日、新型コロナウイルス感染症について「ウイルスがどこから来たかはっきり調査すべき」と語った。習主席の発言は、中国で「コロナの発現地が中国でないこともあり得る」という主張が相次ぐ中でなされたもので、ウイルス発現地論争をけしかけたものとみられる。

 

中国は、こういう自信ありげな発言をしながら、WHOによる現地調査を受入れなかったのだ。原因が、中国にあることを自覚しているので、現地調査を拒否したのであろう。

 

中国の専門家や国営メディアは2月から、武漢コロナに関連して「武漢が震源地ではないこともあり得る」と主張し始めた。呼吸器疾患の専門家である鐘南山・中国工程院院士(最高の科学者に与えられる称号で、中国工程院のメンバー)は、2月27日の記者会見で「(ウイルスは)中国で最初に出現したが、すなわち中国から発現したとみることはできない」と主張したほど。

 

中国国営の『環球時報』は、「武漢コロナの発現地はまだ不確実」「(中国に)汚名を着せてはならない」という記事を掲載して発生源をカムフラージュするなど、国を挙げて責任回避の動きに出てきた。こういう「偽証工作」は、今回の亡命で完全に覆された。

 

WHOのテドロス事務局長は7月7日、新型コロナウイルスの起源を究明するためのWHOの調査団が、今週末(注:7月11日)に中国入りすると明らかにした。WHOで緊急事態対応を統括するライアン氏は、「人への感染が最初に拡大した場所から調査を始めるのが最善だ」とし調査団が中国湖北省武漢市に入るとの見通しを示した。新型コロナウイルスが発症して満6ヶ月も経ってようやく現地調査である。WHOと中国の共同責任は重大である。