テイカカズラ
   

中国中部および東部で洪水が相次いで発生し、140人超が死亡または行方不明になっている。主要河川や湖の水位は記録的な高さに達し、当局はさらなる事態の悪化について警鐘を鳴らしている。

 

『大紀元』(7月13日付)は、「中国最大淡水湖が史上最高水位、江西省『臨戦態勢』」と題する記事を掲載した。

 

連日の豪雨と三峡ダムの放水により、長江中下流地域は深刻な水害に見舞われている。現在、江西省の状況が最も深刻だ。省内にある長江水系の淡水湖、鄱陽湖では12日午前、史上最高水位を突破した。省政府は、洪水防止対策の「臨戦態勢」に入ったと宣言した。

 

(1)「中国メディア『澎湃新聞』などによると、78日以降、湖北省監利市以下の長江中下流地域の河川の水位はすべて氾濫危険水位を超えた。特に江西省の鄱陽湖地域が現在最も危険な状況にある。中国最大の淡水湖である鄱陽湖の水位は7月12日午前0時、1998年に起きた大洪水時の水位(22.52メートル)を0.01メートル超え、観測史上の過去最高水位となった。7月12日午前11時までに、鄱陽湖の4カ所の観測所の水位も1998年の史上最高水位を超えた。水位が引き続き上昇しているという」

 

78日以降、湖北省監利市以下の長江中下流地域の河川の水位はすべて氾濫危険水位を超えたという。三峡ダムの放水も重なっている。中国最大の淡水湖である鄱陽湖の水位も過去最高水位に達している。何が起こっても不思議でない状況だ。鄱陽湖の湖水が長江に流れ込めず、いわゆる「バックウォーター現象」が起きたという。

 


(2)「中国水利部(省)長江水利委員会の専門家である陳桂亜氏は、同湖は7月15日に最高水位を迎えるとの見解を示した。また、68日にかけて、長江の増水により鄱陽湖の湖水が長江に流れ込めず、いわゆる「バックウォーター現象」が起きたと伝えられた。水利部長江水利委員会は11日、鄱陽湖地域の洪水特別警報を再び発令した。江西省鄱陽県にある15カ所の堤防が決壊し、全県が深刻な冠水被害に見舞われた。地元紙『江西日報』は、江西省政府は11日に洪水警戒レベルを、4段階中の最も高いレベル1に引き上げた。省トップである劉奇・党委員会書記は同日、省の洪水防止対策の体制について、「臨戦態勢に入った」と話した。一方、長江の湖北省武漢市の一部地域の水位は7月11日、1931年の過去最高水位を超えた

 

新型コロナウイルスの発症地になった武漢市の一部が、1931年の過去最高水位を超えたという。武漢市は、三峡ダムの下流にある。三峡ダムの放水の影響もあろう。

 

『AFP』(7月13日付)は、「中国各地で洪水、長江の記録的な水位上昇で武漢も警戒」と題する記事を掲載した。

 

中国中部および東部で洪水が相次いで発生し、140人超が死亡または行方不明になっている。主要河川や湖の水位は記録的な高さに達し、当局はさらなる事態の悪化について警鐘を鳴らしている。

 


(3)「新型コロナウイルス流行の発火点となった武漢には長江が流れており、警戒を必要とする大都市の一つ。国営メディアによると、人口1100万人の同市では長江の水位が観測史上3位の高さまで上昇。今週にかけてさらに上昇することが予想されている」

 

中国では古来より、夏季の河川の氾濫に毎年見舞われ、一般的には広大で人口の多い中国中部の長江流域に災害が集中する。政府の集計によると、6月下旬から断続的に降り続く豪雨によるこれまでの死者・行方不明者は141人で、3789万人が被災し、住宅2万8000軒が被害を受けた。先週から雨は激しさを増し、河川の水位が急上昇。政府は警戒レベルを引き上げた。

 

水利省の当局者は13日、北京での会見で、33の河川で記録的な水位にまで上昇し、計433の河川で警報が発出されたと述べた。