テイカカズラ
   

WTO(世界貿易機関)の次期事務局長候補は、8人が立候補する混戦模様だ。米中が、それぞれ勢力争いを演じるものと見られる。韓国から立候補している兪明希(ユ・ミョンヒ)韓国産業通商資源部通商交渉本部長が、米中の推す候補者の視野に入っているか不明である。中国は、アフリカ候補を一本化させるとみられるので、兪氏は外れているようだ。

 

兪氏は、日本に向けて「事務局長候補を見る時、誰がWTOを改革する適任者なのか能力と資質を見ると判断する」と超強気の抱負を語った。日本は自分を選ぶべきとも聞える。これまでの日韓で繰り広げられてきた対立を考えると、「日本票」がどこの国へ投じられるのか予想はつく。

 

『中央日報』(7月17日付)は、「韓国WTO事務局長候補者、日本に向けて『能力と資質見ると判断』」と題する記事を掲載した。

 

世界貿易機関(WTO)の次期事務局長に挑んだ兪明希(ユ・ミョンヒ)韓国産業通商資源部通商交渉本部長が、日本に向けて「事務局長候補を見る時、誰がWTOを改革する適任者なのか能力と資質を見ると判断する」と述べた。

(1)「兪本部長は16日(現地時間)午後、スイス・ジュネーブWTO本部で開かれた事務局長候補者の記者会見で、韓日両国の貿易紛争において日本を他の加盟国のように支持する考えかという日本人記者の質問に対し「韓国を代表してではなくWTO事務局長候補としてこの場に来た」と述べた」

 

記者会見で、日本人記者が皮肉な質問をしている。過去の日韓通商紛争で、厳しく日本批判をしてきた兪氏が、WTO事務局長として公平な判断を下せるか、と聞いたのだ。日本としては、この点が最も気懸りである。日本がむざむざと、「敵に塩を送る」行動を取るとは思えない。



(2)「兪本部長は、「韓国と日本は多国間貿易体制の受益者として、これを維持・振興・強化する必要がある」とし「両国はこれまで国際機関で多くの問題について協力してきた」と強調した。続けて「日本に私のこのようなビジョンを紹介する」と付け加えた」

 

韓国は、福島原発事故による問題で、科学的根拠もなく「風評」によって、福島県ほかの海産物輸入規制をしている。韓国は、WTOでの審査で、科学的根拠をすり抜けて、「心情」というあやふやな視点で日本産の輸入規制を継続させた。こういう、「口舌の徒」である韓国からWTO事務局長が出たら、日本はどのような難儀が降りかかるか分からないのだ。

各国は、WTO事務局長選挙にどのような反応をしているのか。

 

『日本経済新聞 電子版』(7月10日付)は、「WTOトップ選び、本命不在で長期戦も 米中が主導権争い」と題する記事を掲載した。

 

(3)「今回の選挙戦では、過去のWTO事務局長にいなかった「アフリカ出身者」と「女性」がキーワードに挙がっている。その条件にあてはまる一人がナイジェリアのヌゴジ・オコンジョイウェアラ元財務相(66)だ。世界銀行で専務理事を務め、国際的な知名度が高い。各国とのパイプもあるといわれ、当初は本命とささやかれていた」

 


(4)「立候補期間の最終盤でケニアの元外相で同じく女性のアミナ・モハメド氏(58)が名乗りを上げ、「混戦模様が一気に強まった」(ジュネーブの外交筋)。モハメド氏はWTOの閣僚会合で議長を務めた経験があり、貿易問題での調整力に定評がある。アフリカからはエジプト出身者も出馬するなど候補の一本化ができず、足並みがそろっていない」

 

今回のWTO事務局長選では、過去に「アフリカ・女性」の事務局長が出ていないので、この二つに当てはまる候補者が有利とされてきた。だが、8人もの立候補者で混戦模様であり、前記のキーワード通りには進まない情勢である。

 

(5)「カギを握るとみられるのが中国だ。中国は広域経済圏構想「一帯一路」のもと、巨額の資金を投じて影響力を強めるアフリカ勢を推すとの観測が広がる。中国とアフリカは農業や漁業など伝統分野で有利な通商ルールをつくりたいとの利害が一致する。中国の支持が固まれば、WTO164の加盟国・地域のうち約3割を占めるアフリカ諸国の意見がまとまる可能性もある」

 

中国が、アフリカ候補者の一本化を進めてくる可能性が囁かれている。WHO(世界保健機関)に次いで、WTOでも中国の息のかかった候補者でWTOを牛耳る意思が窺える。

 

(6)「トランプ米政権は中国がWTOで「途上国扱い」され、貿易の優遇策を享受していることなどを強く批判している。米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は次の事務局長について「自由経済の国々が中国に対処しなければいけないという問題の本質を理解している人が望ましい」と強調する。米国が支持する可能性がある一人として浮上しているのは、メキシコのヘスス・セアデ外務次官(73)だ。1日に発効した北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新協定(USMCA)の発足を支えた。中国の大学での勤務経験もあることから、米中など「加盟国の橋渡しをできる」(米政治専門サイトのポリティコ)と自負する」

 

米国が、支持する可能性のある一人として浮上しているのは、メキシコのヘスス・セアデ外務次官(73)とされる。こうなると、米中それぞれの思惑から韓国候補者が外れていることが分かる。過去3回、韓国はWTO事務局長選挙で立候補してきた。4回目の今回も情勢は厳しいようだ。