テイカカズラ
   

韓国社会の無情さをこれほど表わした事例はないだろう。敗色濃厚の朝鮮戦争が逆転、勝利に向かわせた一つの重要なきっかけは、ペグ将軍が自ら最前線で北朝鮮軍と戦ったことだ。逝去に当り、韓国政府は花輪一つを送っただけで黙殺した。米国ホワイトハウスは、丁重な哀悼の辞を発表するという、米韓が全く逆の対応をしたのである。それだけでない。国家報勲処がペグ将軍に対し埋葬翌日、親日行為者とホームページに掲載する無慈悲な行為まで行なった。

 

韓国政府が、朝鮮戦争の英雄に対して「死者に鞭打つ」形の対応したのは理由がある。ペグ将軍が戦時中、旧日本軍将校であったという理由である。2009年、盧武鉉(ノ・でムヒョン)政権は、日本との外交的対立が原因で「反日狩り」を行い、ペグ将軍に「親日行為者」とレッテルを貼った。ペグ将軍が日本軍将校であったから、日本軍の戦法で北朝鮮軍に勝利できたという側面もある。こういう因果関係を理解できない「感情100%」の韓国社会の姿が、現れている。

 

軍人は、国家を守る使命で戦うものである。「名誉」こそ、最大のインセンティブである。その名誉が、こうして汚された状況を見れば、韓国軍兵士は有事の際、身命を賭して戦うだろうか。兵士を心のないロボット扱いしていることは、韓国軍の精神的脆弱性をもたらす点で、取り返しのつかない愚行をしたと言うほかない。

 


『朝鮮日報』(7月18日付)は、「ペク・ソンヨプ将軍埋葬の翌日に国家報勲処が『親日行為者』のレッテル」と題する記事を掲載した。

 

国家報勲処が、今月15日に国立大田顕忠院に埋葬された625戦争の英雄、故ペク・ソンヨプ予備役陸軍大将を「親日反民族行為者」とホームページに明示した。韓国政府が「陸軍葬」でペク将軍を葬ってからわずか1日で、親日派のレッテルを張ったのだ。与党の一部では第20代国会のころから、自分たちが決めたいわゆる「親日将官」らについて墓を掘り返したり親日の行いを記録したりすべきだとして、法改正を主張してきた。与党側の一部の人物は、ペク将軍の顕忠院埋葬にも反対した。報勲諸団体は「表向きペク将軍を礼遇するふりをしつつ、裏ではペク将軍の墓暴きを模索し、不意打ちをかけた」と反発した。

 

(1)「大田顕忠院(注・国立墓地)は、ペク将軍の安葬式が執り行われた翌日の16日、ペク将軍の顕忠院埋葬者情報の備考欄に「大統領所属親日反民族行為者真相究明委員会で親日反民族行為者と決定(2009年)」という情報を載せた。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代に作られた親日反民族行為真相究明委員会は、ペク将軍を親日行為者に含めた。顕忠院の埋葬者情報は、ホームページで名前を入力しさえすれば誰でも検索できる。事実上、韓国政府が乗り出して、ペク将軍に対して公に親日行為者のレッテル張りをしたわけだ」

 

韓国軍内外からは「韓国政府が、6・25戦争(注・朝鮮戦争)の英雄であるペク将軍が世を去るなり冒涜している」という声が上がったという。報勲処は、「2018年国会などでさまざまな指摘があり、関係機関の協議を経て、ペク将軍を親日反民族行為者と掲載することとした」と説明した。政府は、ソウルの国立墓地(顕忠院)への埋葬を許さず、大田国立墓地(顕忠院)へ埋葬させたのである。

 

(2)「報勲処が公式ホームページでペク・ソンヨプ将軍を親日派と記したのは、昨年3月に国防部(省に相当)・報勲処が、いわゆる「親日将官」らの埋葬現況に関する情報を入れると決定したことに伴うもの。韓国政府の関係者は「2018年末から、親日の行いがある将官らを記録に残すべきだとか、さらには墓を掘り返すべきだという趣旨の主張が与党側で行われてきた。韓国政府でも、これに呼応すべきだと圧迫してきた」とし、「ここで国防部と報勲処が協議プロセスを経て、報勲処では前任の皮宇鎮(ピ・ウジン)処長がこのような決定を下したらしい」と語った」

 

報勲処のこのような措置は、これまで外部に知らされていなかったが、ペク将軍を巡る今回の論争をきっかけとして公になった。韓国政府の関係者は「報勲処内部でも静かに物事を処理し、こうした事実を知っていたのは一部だけらしい」と語っている。つまり、恣意的に行なわれたのである。

 

(3)「こうした国防部・報勲処の措置は、関連法が整備されていない中で恣意的に行われたもので、今後論争になる見込みだ。野党関係者は「国会で関連の議論が依然として進んでおり、意見が割れている事案で法改正もなされていないのに、国防部・報勲処が根拠もなく『ペク将軍は親日反民族行為者』と公式ホームページに明示してレッテルを張った」とし、「関連法もなしに、政府の部処(省庁に相当)が恣意的に措置を取ったもの」と批判した」

 

韓国政府の冷淡な行為は、関連法が整備されていない中で行なわれた。国防部(国防省)は、ペグ将軍を「陸軍葬」として送った翌日、「親日反民族行為者」とレッテルを貼っている。朝鮮宮廷ドラマの裏切り場面を見ている思いだ。朝鮮民族は、こういう仕打ちを平気で行えるとすれば、恐怖を感じるのである。