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米国務省は7月21日、ヒューストンの中国総領事館に72時間以内の閉鎖命令を出した。一方、中国サンフランシスコ総領事館では、中国女性軍医が身分を偽った米国留学が発覚し、前記の総領事館へ逃げ込んだままである。トランプ大統領が、ヒューストンの中国総領事館に閉鎖命令を出した際、「ほかにも問題がある」と総領事館閉鎖を臭わせた先は、サンフランシスコ総領事館である。

 

マイク・ポンペオ米国務長官は現地時間7月23日、カリフォルニア州で行われた演説で、中国国民に対して世界各国とともに中国共産党政権に立ち向かおうと呼びかけた。ポンペオ長官はその際、習近平国家主席を「破綻した全体主義のイデオロギーの真の信奉者だ」と呼んで批判した。また、同長官は中国当局が「米国の大学や研究機関、記者会見などに宣伝要員を送り、米国の自由で開かれた社会を利用した」と述べた。以上は、『大紀元』(7月24日付)が報じた。

 

中国は、米国の大学や研究機関へ身分を偽り技術窃取の目的で研究者を送っている。米国はこれに対して、「中国総領事館閉鎖命令」で対抗している。中国のあくどさが目立つ事件だ。

 

『大紀元』(7月24日付)は、「在サンフランシスコ中国総領事館、FBI指名手配の軍女医をかくまうー米メディア」と題する記事を掲載した。

 

在サンフランシスコ中国総領事館は、連邦捜査局(FBI)がビザ不正取得の容疑で捜査中の中国軍女医をかくまっていると明らかにした。米ニュース・サイト「Axios」が7月22日、伝えた。

 

(1)「7月20日、米検察官がカリフォルニア州北部地区の連邦地方裁判所に出した文書によると、中国人女性、ジュアン・タンは、J-1(交流訪問者)ビザを取得した後、カリフォルニア大学デービス校で研究活動を行っていた。しかし、ビザの申請時、タンは中国軍との関係を伏せた。FBIの調査では、タンは現役軍人で、中国人民解放軍空軍軍医大学(別名は中国人民解放軍第四軍医大学)所属の研究者だとわかった」

 

ビザの申請で肩書きを偽った理由は、米国が中国軍関係者を受入れないというルールをかいくぐる目的であろう。研究現場で、研究成果を奪取する意図であることは言うまでもない。

 


(2)「FBIが今年6月20日、タンの自宅を捜査し、中国軍との関係性を示す物証を得た。同日、FBIはタンに事情聴取も行った。6月26日、タンはビザの不正取得で起訴された。しかし、事情聴取後、タンが在サンフランシスコ中国総領事館に逃げ込み、FBIは、タンが現在も同総領事館内に留まっているとみている。同文書は、ビザの不正取得容疑で起訴された別の女性中国軍関係者、シェン・ソンにも言及した。ソンもJ-1ビザで入国し、スタンフォード大学で研究活動を行っていた。FBIは、ソンが中国人民解放軍空軍総医院(別名は中国人民解放軍空軍医学特色中心)と第四軍医大学の研究員である経歴を隠したと訴えた」

 

前記のタン容疑者の取り調べ過程で、別の事件も発覚した。同じく中国軍医師で身分を隠した研究成果の奪取が目的である。こうなると、中国人を見れば、すべて「泥棒研究者」というレッテルを貼られかねなくなる。

 

(3)「『Axios』が報道した1日前に、米政府は在ヒューストン中国総領事館に対して、72時間内に閉鎖するよう命じた。米国務省のオルタガス報道官は声明で「米国の知的財産と米国民の個人情報を守る」と説明し、「中国による主権の侵害や米国民への脅迫を容認しない」とした。トランプ米大統領は22日、ホワイトハウスでの記者会見において、米国内にあるほかの中国総領事館の閉鎖について「いつでもあり得る」と述べた」

 

米国にある中国在外公館は、在ヒューストンと在サンフランシスコ中国総領事館のほかに、在ワシントンDC中国大使館、在ニューヨーク中国総領事館、ニューヨークにある国連本部に常駐する代表団、在ロサンゼルス中国総領事館、在シカゴ中国総領事館がある。

 

仮に今後、サンフランシスコ総領事館にも閉鎖命令が出れば、中国政府のメンツは丸潰れになる。中国が、「研究泥棒国家」というイメージを世界中に広げる結果となるからだ。