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米国は、超党派で中国の見せる戦闘的な行動に危機感を抱いている。このまま放置すれば、かつてのドイツのような隣接国侵略を始めるに相違ない。ここで米国は、中国に対して断固として「警告」を発すべきであるという姿勢に変わった。

 

『ウォール・ストリート・ジャーナル』(7月29日付)は、「米の対中強硬姿勢、選挙対策にあらず」と題する社説を掲載した。

 

(1)「中国ウオッチャーたちは、新型コロナウイルスの流行後に中国が攻撃的になった理由について、自国がより強力になったと感じているからなのか、あるいは習近平国家主席の立場が脆弱となっているからなのかについて議論している。いずれにしても、習氏のこのところの行動により、さらに多くの国が世界秩序にとって中国が脅威であるとする米国の立場に賛同しつつある。そして米国は中国に対抗する上で同盟国を必要としている」

 

中国が、新型コロナウイルス後に対外的に強硬路線を歩んでいるのは、国内経済が疲弊している結果、高まる不満を外に向ける狙いであろう。コロナワクチン開発で、米国へのスパイ活動を積極化させたのも、米国の研究成果を横取りして中国の業績にして、急場を凌ごうという目的だ。ともかく、中国経済は危機に立たされている。

 

(2)「西側諸国は、中国の行動をコントロールできないが、権力の乱用に対してコストを負わせることは可能だ。それが、在ヒューストン中国総領事館の閉鎖要求や先週の南シナ海での中国の領有権主張への拒否表明など、米政権が行動で示そうとしていることである。また、中国市民と外国との接触を遮断して共産主義の秩序を維持するために設定されているインターネット上のファイアウォールを回避する試みに対し、米国は資金を供給すべきである」

 

中国の対外強硬策には、その代償を払わせることが不可欠である。南シナ海不法占拠でも、これまで何らの代償を払わずに、濡れ手に粟で多くの島嶼を手中にしてきた。こういう不合理な行動は、絶対に阻止しなければならない。米国は今、こういう切羽詰まった決断を迫られている。

 


(3)「衝突によるリスクは多大なものである。外交上および経済上の緊張が軍事的な対決につながることを望んでいる者はだれもいない。中国は権力の乱用によって悪い結果に直面することはないとの自信を深めてきた。だが今、それは変わりつつある。望むべくは、より強硬な対中政策を受け、中国政府の他のメンバーらが、習氏のアプローチを継続するのはあまりにも高くつくと認識することだ

 

中国の民族派は、習近平氏を焚きつけて多くの軍事行動を取らせてきた。ほとんど、「無コスト」で領土を拡張してきたが、それも限界を迎えたということだ。それは、米国が南シナ海で中国に屈しないというメッセージを送ったことに現れている。

 

『大紀元』(7月28日付)は、「南シナ海、米中が軍事演習 米偵察機が福建省領海に接近」と題する記事を掲載した。

 

米中関係が一段と悪化する中、南シナ海をめぐって米中の軍事的緊張も高まっている。中国軍は、7月25日から中国南部広東省の南西部にある雷州半島で実弾演習を実施している。一方、米軍は7月26日に4回も軍機を派遣し、中国の浙江省や福建省などの沿岸部に偵察した。米P-8A哨戒機は一時、中国領海基線まで41海里(約75.9キロ)のところに迫った。

 

(4)「中国国営中央テレビ(CCTV)は26日、中国軍南部戦区に所属する海軍航空隊が南シナ海で実弾演習を行った映像を公開した。報道は、「演習では、軍機数十機を出動させ、ロケット弾や航空機関砲弾など数千枚を発射した」とした。また、CCTVは、7月25日から82日まで、中国軍は雷州半島の西部海域で実弾演習を行うと発表した」

 

中国軍が、軍事演習を積極的に報道させている。国内向けに「強い中国」を演出する目的だ。

 


(5)「一方、南シナ海における中国当局の軍事的脅威に対抗して、米軍は軍艦と軍機を同地域に派遣した。北京大学海洋研究院の研究調査機関、「南海戦略態勢感知計画(SCSPI)は26日、中国SNSの「微博」に投稿し、米偵察機などの動きを明らかにした。投稿は、「26日米軍の偵察機は東シナ海と南シナ海で飛行した。米軍のEP-3E電子偵察機が、広東省と福建省方面に向けて飛行し、一時台湾海峡の南部空域に入ったという。また、同時に米軍P-8A哨戒機が浙江省、福建省に向け飛行し、福建省の領海基線までわずか41.3海里のところまで接近した。最近の記録では最も近い距離だった」とした」

 

米軍が、従来にない積極的な軍事展開を見せている。米軍のEP-3E電子偵察機が、広東省と福建省方面に向けて飛行させて情報収集に当っているからだ。中国としては気懸りであろう。米軍は、中国に対しても北朝鮮並みの警戒体制を取っていることに注意すべきだ。