テイカカズラ
   

英米がしのぎを削っているコロナワクチンの効果について、英国専門家から「冷めた」指摘がされた。1回の接種で、生涯にわたりコロナに感染しないという保証はないというのだ。庶民にとっては、「それでも結構です」という心境であろう。新型コロナウイルスが、いかに悪質であるという意味だろう。

 

『フィナンシャル・タイムズ』(7月30日付)は、「英専門家、『コロナワクチン』免疫持続は期待薄」と題する記事を掲載した。

 

この1週間、新型コロナウイルス感染症の予防接種に向けた有望な試験結果が相次いで発表された。だが、英政府の専門家組織であるワクチン研究・開発タスクフォースのケイト・ビンガム座長は、生涯免疫が持続する「特効薬」はないとして、高まる期待に水を差した。

 

(1)「ビンガム氏はフィナンシャル・タイムズ(FT)との取材で、科学者が開発するワクチンは、1年間の免疫を獲得するものか、感染症の症状を緩和するだけのものにとどまる可能性が高いとする見方を示した。英国でのワクチン開発や生産、普及に向けた取り組みを統括する立場の同氏は、「現時点の想定は、1年の免疫を獲得するところまで(開発を)急ぐということだ」と話す。「気がかりなのは、人々は特効薬が手に入ると考えていることだ。だが恐らく、そうはならない」と指摘する」

 

ワクチン専門家から見ても、開発するワクチンが1年間の免疫を獲得するものか、感染症の症状を緩和するだけのものにとどまる可能性が高いという。1回の接種で生涯安全という保証はないというのだ。

 

(2)「ヘルスケアに特化した資産運用会社SVヘルス・インベスターズのマネジングパートナーも務めるビンガム氏は、2回に分けて接種するワクチンであっても、免疫効果が長続きしないかもしれないとくぎを刺す。「毎年、追加で接種する必要があるかもしれない。我々としては最低限、症状を抑え、感染者の死亡を食い止めたい。おそらくそれが(現在開発中のワクチンでは)限界であろうことを受け入れなければならない」と指摘する。

 

下線のような限界はあるとしても、現在のような無防備な状況から一歩も二歩も進められれば、「急場しのぎ」になる。その後は、研究でワクチン改良版の出現を期待したい。

 


(3)「専門家は依然として、1回もしくは2回の接種で永続的な免疫が獲得でき、ウイルスを死滅・不活性化するワクチンを開発する希望を捨ててはいない。だがビンガム氏は、現時点ではどのコロナウイルス株に対してもワクチンが存在しないことを指摘。その上で「ゼロからそのレベルまで持って行くというのは、相当な飛躍がある」と話す。後期のワクチン治験の目的は、参加者が新型コロナウイルス感染症にかかるのを防ぐことだ。だが、研究者らは、患者が重症化するのを食い止められるかどうかにも注目している。つまり、初期のワクチンは感染予防というより、感染者の入院を減らすことにとどまる可能性を認めた格好だ」

 

現在、ワクチン治験はいずれも3万人規模というもの。英米が、それぞれ第3相治験に入っている。米国では、大統領選にも影響するとあって、トランプ政権は多額の資金を提供して、ワクチン完成を後押ししている。

 

(4)「ビンガム氏の見立ては、複数のワクチンに新型コロナ感染症の重症化を軽減する効果が認められた場合、免疫反応を高めるために、患者によって異なる選択肢の組み合わせが与えられるというものだ。1回接種タイプか、2回に分けて接種するタイプのワクチンになるのかをまだ明らかにしていないアストラゼネカとオックスフォード大学を除けば、これまでの治験はすべて、最初の接種後に追加で免疫を高める「ブースター」を接種する、2回接種タイプのワクチンだ」

 

英国のアストラゼネカとオックスフォード大学の研究中ワクチンは、1回接種で効果を維持できるのか不明である。他の医薬品メーカーは、2回接種タイプのワクチンである。米国の医薬品メーカーのモデルナは、2回接種タイプだ。

 


以上のように、コロナワクチンは完成目前で微妙な段階にある。中国ハッカーは、ここを狙って猛烈なハッキングを米国モデルナ社に仕掛けている。

 

『ロイター』(7月30日付)は、「中国政府系ハッカー、米モデルナ標的 コロナワクチン情報巡り」と題する記事を掲載した。

 

中国政府と関係するハッカーらが今年に入り、新型コロナウイルスワクチンに関するデータを盗むため、米バイオ医薬大手のモデルナを標的にしたことが、米治安当局者の話で分かった。司法省は先週、新型コロナウイルスに関する研究データや軍事機密などをサイバー攻撃により盗んだとして、中国人2人を起訴したことを明らかにした。起訴状によると、2人は今年1月、コロナワクチン開発で知られるマサチューセッツ州のバイオ企業のコンピューターネットワークに対し「偵察」を行ったとされる。

 

(5)「モデルナはロイターに対し、連邦捜査局(FBI)から接触があり、ハッカーらが行ったとみられる「情報偵察活動」を認識していると表明。「当社は、潜在的なサイバーセキュリティーの脅威に引き続き厳重に警戒しており、当社の貴重な情報の保護や継続的な脅威の評価に向け、社内外の支援を確保し、外部当局との良好な協力関係を維持している」と述べた」

 

モデルナの極秘情報は、当局によって守られている。ハッカーが、今さら手を出してもFBIに尻尾を掴まれるだけだ。中国も往生際が悪い。