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中国南部は、大洪水に悩まされている。世界最大のダム・三峡ダムの最高水位まで、「あと何センチ」という危険状態にある。一方、東北部の遼寧省などでは、ほとんど雨が降らない状態である。昔から、「南船北馬」と言われる通り、南の豊富な水に対して、北は僅かと言う事情から、交通機関は南が船。北は馬である。この南北の差が、今年は極端な形で表面化している。

 

背景について、南はインド洋や南シナ海の海水温が高く、湿気が多く多量の雨を降らしていると説明される。北の干ばつの理由はなにか。環境破壊によるものと考えられる。中国政府がこれまで、高度成長一点張りで環境を破壊し尽くした「報い」というもの。地下水を過度にくみ上げており、これが降雨を妨げているのだ。この環境破壊説は、説得力を持っており、中国は「半永久的」にこの状態から抜け出すのは困難となろう。

 

中国企業による地下水くみ上げが、豪州で水飢饉をもたらした例がある。『大紀元』(1月17日付)が報じた。

 

「中国企業ジョイフル・ビューは、2019年12月末から地下水の汲み上げを開始した。同社は2008年、サザンダウンズで開発計画に基づき地下水汲み上げと配分の許可を得ている。2018年、同社はミネラルウォーターの販売業と、ゴールドコーストなど都市部へ輸送される計画を提案した。住民はサザンダウンズのスタンソープ地域評議会を通じてこの提案に反対し、その年は水の抽出計画は否決された」

 


「しかし、住民にほとんど知らされないまま2019年12月下旬、ジョイフル・ビューは再び申請を行い、評議会で許可された。水の汲み上げが始まると、数週間でほとんど水が枯渇し、痛々しいほど干からびた大地が露わになった」

 

地下水の異常なくみ上げをやると、降雨に影響が出る。豪州で、その「最新実験」が行なわれたのだ。中国北部では、過去何百年も地下水のくみ上げで灌漑を行なってきた。それが限界を超えたのだ。地下水の枯渇は、1000年単位の修復期間が必要である。

 

『大紀元』(7月31日付)は、「遼寧省で深刻な干ばつ、トウモロコシなど収穫できず」と題する記事を掲載した。

 

中国中南部の地域で洪水被害が広がっている一方で、東北部の遼寧省で干ばつに見舞われている。同省阜新市や錦州市などでは、トウモロコシなどの収穫は皆無に近い状況だ。

 

(1)「中国水利部(省)729日の発表によると、61日~727日まで、遼寧省の平均降水量は108.8ミリで、平年同期と比べて53.1%減少し、昨年同期比では20.6%減少した。1951年以降、降水量が最も少ない年となった。また、728日までの統計では、省内の干ばつによる農作物の被害面積は1792万畝(約119.5万ヘクタール)。省西部の被害が最も深刻だ」

 

遼寧省の平均降水量は108.8ミリで、平年同期と比べて53.1%減少し、昨年同期比では20.6%減少した。1951年以降、降水量が最も少ない年となった。この状況は今後、ますます酷くなるだろう。

 

(2)「中国紙『新京報』730日付によると、遼寧省西部はトウモロコシの主要産地で、7月末に収穫期を迎える。しかし、この2カ月間、降水量の不足で、トウモロコシは成長できず、収穫ができなかった。一部の村ではトウモロコシ畑の大半が水不足で枯れた。動画配信サイト「梨視頻」の報道では、同省錦州市の干ばつ被災者数は約70万人。地元の農民は「家の飲料水はなんとか確保できるが、トウモロコシの栽培には全く足りていない」と話した」

 

干ばつ被害は、中国政府も手の施しようがない。ただただ、過去の過剰地下水のくみ上げを反省するしかない。

 

(3)「地元の河川にも水がない状況が続き、ポプラなどの樹の葉が黄色くなって枯れたという。地元のネットユーザーは、「南部の雨を北部にいる私たちに分けてください!」「もうだめだ!村に飲料水が全く入ってこない。井戸から水を取れないこともあるし、トウモロコシの収穫は全滅。生活が本当に大変だ」と相次いでSNS上に投稿した」

 

事態がここまで悪化するまで、地下水のくみ上げを規制しなかった報いである。過去の「帝国」では、外延的発展(領土拡張)に専念し、内政問題に無頓着という共通現象が起こっている。中国は、その典型例である。干ばつ発生=地下水過剰くみ上げという内政問題解決に力を入れなかった結果が、現在の悲劇をもたらした。