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韓国でデモ行進するのは、労組と市民団体というのが一般的である。現在は、経済問題で30~40代の人々によって行なわれている。明らかに「反政府運動」である。問題は、不動産価格高騰による家賃の値上りだ。家賃が値上げされれば、「3040」は生活を圧迫されるという不満である。

 

もう一つは、仁川空港で非正規雇用を一挙に正規雇用へ切換えたことへの不満だ。正規職員になるには大変な勉強をして厳しい試験を経てきた。一方では、空港でのサービス業に従事する非正規雇用者が、勉強という努力もしないで、文大統領の「一声」で正規職員になるのは不公平という怒りである。韓国という「試験社会」では、勉強もしない連中を正規職員にするのは不公平というのである。

 

『韓国経済新聞』(7月31日付)は、「反政府集会の世代交代『住宅価格の怒りの3040』が主導」と題する記事を掲載した。

 

反政府デモを率いる主導勢力が変化している。政府の不動産政策と非正規職の正規職化などに反発する3040世代(30代~40代)が前面に登場している。政治的な問題ではなく、経済的な問題が社会問題に浮上したことによるものだ。現政権初期に政権反対を叫んでデモを率いた5060世代の「太極旗集会」は、新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)事態などの影響で急速に弱まった。



(1)「ネイバーカフェ(オンライン・コミュニティ)「6・17規制遡及適用被害者救済のための市民の会」などで活動しているメンバーは、8月1日にソウル汝矣島(ヨイド)広場で集会を開く。彼らは汝矣島LGツインタワー前の広場に集まり、共に民主党党舎まで行進し、民主党の金太年(キム・テニョン)院内代表と金賢美(キム・ヒョンミ)国土交通部長官に対する面談要請を提出する計画だ。彼らは7月18日と25日にもソウル中区預金保険公社前で不動産対策糾弾のろうそく集会を開いた。18日には、主催者の推算では500人が参加したが、1週間後には参加者が10倍の5000人に増えた。カフェの関係者は「今回は参加人数を3000人と事前申告したが、もっと多く集まると予想している」とし「不動産政策に変化がない場合は、毎週末に集会を開く計画」と語った。続けて「政府の対策で被害者が続出しているが、現実を知っているのか卓上行政なのか、政府に聞いてみたい」と付け加えた」

 

政府の不動産対策失敗を批判するデモである。文政権は、不動産対策でことごとく失敗してきた。対策を出すたびに価格が高騰するというヘマを演じてきた。規制一点張りが、価格先高予想を招いたもの。住宅価格が上がれば、家賃が高騰する。被害者は借家住まいの30~40代に集中した

(2)「同日午後7時には仁川(インチョン)国際空港公社労働組合(正規職労組)が政府の一方的な正規職転換政策に抗議するために預金保険公社前で「透明で公正な正社員への転換を促す文化祭」を開催する。労組関係者は「仁川国際空港公社創立以来、公社の職員が自発的に乗り出してソウル都心での集会を開催するのは今回が初めて」とし「正規職転換対象第1号の事業場であるだけに、国民の目の高さに合致する正規職転換モデルを確立できるように訴えたい」と述べた」

 

就職先としての仁川国際空港は、就職人気度1位という花形企業である。ここへ就職するには、高い英語力が求められ「艱難辛苦」して、ようやく就職できる狭い門である。一方の非正規雇用者は、難しい試験もなくアルバイトの腰掛け就職だった。それが2017年5月、文氏が大統領に就任するや3日目に、「非正規雇用者を正規雇用にする」と発言したのがことの発端である。棚からぼた餅の話に喜んだ非正規雇用者に対して、正規雇用者は冷たい反応だ。こういう一律の昇格でなく、それなりの試験を行なえという主張である。



(3)「中年層と高齢者が主に参加していた太極旗集会は、政治的性格が濃かった。弾劾された朴槿恵(パク・クネ)前大統領を支持する勢力が主導した。しかし、最近開かれた反政府集会は若年層が率いており、デモで主に扱うのは経済問題だ。仁川国際空港正規職労組の場合、30代の若い職員が声を上げている。不動産集会に参加する人たちも彼らと同世代だ」

最近の反政府集会は、本来の文政権支持者が、「反対」に回った点に注目すべきであろう。文政権の人気取りの「非正規雇用の無条件正規雇用化」に反対が出ている点である。この問題は、正規雇用側がどこで折り合いをつけるかという「感情論」であろう。正規雇用者にとって、「非正規雇用者」は仲間として認めがたいというのだ。いかにも韓国的な「敵・味方論」の話に帰着する。