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4日午前0時を以て、韓国は旧徴用工賠償で差し押さえている担保の現金化が可能になった。これは、日韓関係が破滅的な道に立ち至ることを意味する。韓国文政権は、それを覚悟して国内政治に利用する意図である。日本が報復すれば、韓国が報復するという「報復の連鎖」によって、徹底的に国内の「親日=保守派」を叩く戦術を用意しているだろう。

 

それは、国際情勢に照らし合せれば愚策である。文政権は、日韓の対立を中国の庇護下で日本と戦う計画を練っている。米国は、日本の味方をするので、思い切って中国の傘に入るというのだ。

 

この中国依存は、米中の厳しい対立で反古になった。米国が、韓国に対して「米国に着け」と要請を強めているのだ。韓国が、この要請を断って中国側へ付くことは安全保障面で不可能である。よって、韓国は「米国陣営」で落ち着かざるをえない。

 

米国陣営は、日米が主軸である。韓国はこの下位に付かざるをえない。となれば、日本と意味のない争いを続ける根拠が薄れるであろう。国際情勢急変の中で、韓国が「反日」を続けられるメリットがなくなるのだ。

 


『東亜日報』(8月3日付)は、「
現実となる日本徴用企業資産の現金化、「報復悪循環」の破局を防ぐべきだ」と題する記事を掲載した。

 

韓国最高裁の判決による日本企業の差し押さえ資産の現金化が、明日(4日0時)から可能となる。2018年10月30日、日本製鉄(新日鉄株金)が強制徴用被害者に1億ウォンずつを賠償するよう判決を下してから2年ぶりのことだ。損害賠償のための日本製鉄財産の差押命令の公示送達期限が切れて、いつでも売却手続きが開始できるようになったのだ。

(1)「資産の現金化措置は、これまで韓日関係の時限爆弾と呼ばれてきた。日本政府は、すでに2次報復措置を警告している。韓国人へのビザ発給条件の強化、駐韓日本大使の召還などが議論されており、韓国産輸入品への追加関税と送金規制のカードも検討しているという」

 

一説では、日本が100もある報復案を持っているという。そのいくつかが、現実化するのだろう。

(2)「強制徴用判決は、この2年間、韓日葛藤の震源となっている。日本政府が昨年7月、3品目の輸出規制と「ホワイトリスト(輸出優遇国)」除外という1次報復に出ると、韓国も国際貿易機関(WTO)に提訴、韓日軍事情報保護協定(GSOMIA)の延長中止などの対抗措置に乗り出し、「報復の悪循環」に陥っている。これから資産売却が実行されれば、対立と葛藤はさらに悪化する可能性が高い」

 

日本の報復と韓国の再報復が繰返されるだろう。日本は、日韓基本条約で解決ずみの姿勢である。韓国大法院による、日韓基本条約に踏込んだ判決自体が国際法違反である。文政権は、こういう事実を噛みしめることだ。



(3)「もちろん公示送達期限が切れたからといって、すぐに資産現金化措置は実行されないだろうという見通しが出ている。しかし、問題は、資産現金化はいつかはなされるしかないのに、韓日両国政府は、事実上、問題解決を無視したまま時間だけを費やしているということだ。韓国の2022年の春の大統領選挙、日本の安倍晋三首相政権の支持率下落などの政治日程と状況を考慮すれば、両国政権の韓日関係の放置行動は続く可能性が高いとみられる」

 

日韓両政府は、現状から一歩も引かない姿勢だ。このままでは、「報復の連鎖」となろう。その被害は、多く韓国側受けるであろう。文政権は、コロナ禍で沈む韓国経済が、日本の報復でさらに傷を深くする。折からの、「文政権離れ」の中で大きな負担になろう。

 

(4)「強制徴用判決をめぐる韓日の認識は、そのギャップが非常に大きく、合意点を見つけるのが難しいのが現状だ。両国政治指導者が韓日葛藤を国内政治に利用するという指摘も少なくない。東京新聞は、最近の社説で、「今、政府レベルの打開策は遙遠に見える」とし、日本製鉄などの日本企業と韓国人被害者が和解を模索してほしいと提案した」

 

安易な妥協は、禍根を残すだけである。ここまで溝を深めた以上、「報復の連鎖」によって、韓国国民は文政権の日本叩きの意図を知る良い機会である。「日韓冷戦」によって、韓国は日本の存在について正確な認識を持つことになろう。