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文政権は、真面目に雇用問題を考えているのか疑問である。コロナ対策として「Kニューディール政策」とものものしいタイトルを掲げているが、中身はいたって陳腐なものばかりだ。予算のむだ遣いであり、韓国経済の発展に資するようなものはゼロ。文氏の常識が疑われるのだ。

 

『朝鮮日報』(8月9日付)は、「鳥の糞掃除・閲覧室の番『これが新型コロナKニューディール』の素顔だ」と題する記事を掲載した。

 

(1)「政府は今年4月、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の主宰で「新型コロナウイルス非常経済会議」を開き、「予算3兆ウォン(約2660億円)をかけて公共・若者の雇用先50万件を自ら創出する」と発表した。文大統領はこうした「新型コロナウイルス雇用」について「新たな雇用創出のため大規模事業を大胆に推進する必要がある。雇用を創出するのにとどまらず、『ポスト新型コロナウイルス』時代の革新成長を準備していく」とも言った。しかし、先月の第3次補正予算案通過後、各部処(省庁)や地方自治体が続々と募集告知を出している「新型コロナウイルス雇用」は大統領の約束とはかなりかけ離れているものが多かった」

 

文政権の政策発想法は、驚くべきほど貧困である。その場限りの雇用統計改善があれば、それで良しとする「刹那主義」に陥っている。文大統領による「新たな雇用創出のため大規模事業を大胆に推進する必要がある。雇用を創出するのにとどまらず、『ポスト新型コロナウイルス』時代の革新成長を準備していく」という言葉が、全く裏切られた雇用内容だ。

 


2)「京畿道軍浦市では先月から「ハト餌やり禁止監視員」を募集している。街でハトに餌をやる人を制止するという仕事だ。9月から3カ月間、一日5時間ずつ働いて、毎月1198000ウォン(約11万円)もらえる。同市関係者は「『ハトに餌をやる人がいる』という苦情があるので監視員を募集している。新型コロナウイルス関連の雇用を作るよう指示があったので、我々も知恵を絞って考え出したアイデアだ」と明らかにした」

 

京畿道軍浦市では先月から「ハト餌やり禁止監視員」を募集している。街でハトに餌をやる人を制止するという仕事だという。本来これは、ボランティアの仕事であろう。自治体が、アルバイトを雇ってやる仕事だろうか。逆に言えば、ここまでやらなければ、雇用できないという状況を示している。これが、韓国経済の実態とすれば、韓国は死んだも同然である。

 

(3)「京畿道軍浦市の新型コロナウイルス雇用の中には「鳥の糞のないきれいな五禁洞作り」という仕事がある。ベンチに付いている鳥の糞を落とす作業だ。このほかにもオートバイの騒音が聞こえたらすぐにナンバープレートを撮影して情報提供するパパラッチのような「オートバイ騒音監視員」、散歩をする犬・猫の糞処理を監視する「ペットエチケット順守ヘルパー」、図書館で騒ぐ人々を制止する「閲覧室の番」もある。3カ月間のこうした雇用人員1045人を選ぶのに予算444000万ウォン(約4億円)を使う」

 

ベンチに付いている鳥の糞を落とす作業

オートバイ騒音監視作業

散歩をする犬・猫の糞処理を監視する

図書館で騒ぐ人々を制止する「閲覧室の番」

 

京畿道軍浦市の新型コロナウイルス雇用では、上記のようなアルバイトに約4億円使うという。韓国は、高い道徳社会だと自慢しているが、こういうアルバイトが必要ならば、とんでもないインチキ社会というレッテルが張られるだけだ。

 

(4)「釜山市蓮堤区庁は浄化槽を掃除するよう電話をかける若い人材を採用することにした。同区関係者は「1年に1回、浄化槽を掃除しなければならないが、しない家に11軒電話して掃除するように促す業務だ」と説明した。蓮堤区庁はこのほかにも紙の横断幕の出力、自転車施設物破損点検、わき水周辺のゴミ拾いなど計878人を採用する」

 

韓国社会のモラルがこれほど酷いとは驚かざるを得ない。「1年に1回、浄化槽を掃除しなければならないが、しない家に11軒電話して掃除するように促す業務」にアルバイトを使う。自主的に浄化槽掃除をさせるシステム上の工夫をすれば済むこと。そういう工夫がない社会なのだ。

 

(5)「仁川市は一日3時間ずつ地下鉄駅やマンションなどで「住民税・固定資産税などをきちんと払ってください」と広報する「地方税納税広報要員」を募集する。京畿道安城市では17億ウォン(約15000万円)をかけて市内の敬老堂(老人いこいの家)479カ所にソーシャル・ディスタンス(社会的距離・感染防止のため人と人の間に距離を取ること)確保やマスクの着用を監督・指導する安全管理者を配置する。京畿道楊州市は野良猫捕獲担当者を募集する」

 

もはや、一々コメントをつけるのもアホらしくなるほど、くだらない内容のアルバイトだ。これで日本に打ち勝つなどと豪語するから、日本が馬鹿にするのだろう。

 

(6)「専門家らは、「企業活動に役立つような根本的な問題を解決しようとせずに、短期で質の低い雇用を創出するのは予算の無駄にしかならない」と話す。若者たちが集まるインターネット上の大学コミュニティー掲示板でも「これが話に聞いていた新型コロナウイルスKニューディールか」「おいしいバイトに税金祭り」「本当の雇用を創出しろ」という反応が相次いでいる」

 

公共支出は、生産性向上に関わるような業務で行なうべきである。政府が、税金の無駄遣いを勧めているに等しいアルバイト募集だ。呆れて開いた口が塞がらないのである。日本よりも100年遅れた社会である。