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韓国の康外交部長官は、「3泊1日」という強行日程で突然のドイツ訪問になったが、成果を得られなかった。「G7拡大案」は、参加7ヵ国にそれぞれの思惑もあり、メンバーを増やすことは困難であることを確認する形となった。韓国と並んで拡大メンバーに名前の上がった豪州は、G7に参加したいとも意思表示していない。韓国だけが、ドタバタ騒ぎを演じたことになる。日本と肩を並べることが夢であるためだ。

 

『中央日報』(8月11日付)は、「G7拡大に反対した独外相、『韓国、今年G7会議の参加は歓迎』」と題する記事を掲載した。

 

ドイツのハイコ・マース外相が主要7カ国(G7)拡大問題をめぐり「今回のG7首脳会談に韓国が参加することをとても歓迎する」として「韓国は国際的に重要な国」と10日(現地時間)、明らかにした。

(1)「この日、康京和(カン・ギョンファ)外交部長官がドイツ・ベルリンを訪問してマース外相と「第2回韓独外相戦略対話」を行ってから記者会見を行った。マース外相の発言は一見韓国のG7首脳会議への出席を歓迎するような言及だったが、G7の正式メンバーへの合流を意味するのかは定かでなかった。ただし、康長官は同じ質問に「韓国が米国側から(G7に)招待されたことを歓迎し、積極的に賛成する」としつつも「これを越えてG7拡大問題はマース外相がおっしゃった通り、国際社会の枠組みの中で議論を経て進展を遂げるべき状況だと考えている」と答えた」

 

下線部分の発言は、韓国がG7拡大メンバーになることを諦めた印象を与えている。G7の参加国が、メンバー国の増減を決める権利を持つからだ。韓国が、強引に割り込める話でないことに気付いたのであろう。

 


(2)「韓国外交部がその後配布した報道資料にも、マース外相は「今秋、G7首脳会議が開催される場合、韓国が参加することを歓迎する」と発言したと記されていた。外交部や康長官の説明によると、ドイツが韓国を含むG7の永久的な拡大を賛成したとみることは難しかった。マース外相がロシアのG7会議への参加に対しては「クリーム半島の併合とウクライナ東部紛争を先に解決しなければならない」として明らかに反対の意向を明らかにしたのも「G7体制拡大を望まない」というドイツのかつての立場と軌を一にした」

 

ドイツは、わざわざアジアからパンデミック下にもかかわらずやってきた遠来の客人に、素っ気ない対応も出来ないが、やんわりと韓国へ「断わり」を入れたに違いない。さすがの韓国もそれ以上、強引な振る舞いを控えたに違いない。韓国は、これで「G7拡大」の夢を諦めるだろう。


(3)「両国の外相記者会見では駐独米軍縮小に関連した質問もあった。康長官は「韓国とドイツにおいて米国は安保政策にとても重要な軸であり、駐独米軍の縮小問題を(韓国も)注意深くみている」として「在韓米軍の縮小問題は全く議論されたことがない」と答えた。マース外相は「駐独米軍はドイツを含む欧州の安保のためのもので、多くの米軍は欧州にそのまま駐留することになるだろう」と話した」

 

韓国にとって、もう一つの関心事は在韓米軍縮小問題である。在独米軍が駐留部隊を削減したので、「次は韓国か」と警戒しているもの。NATO(北大西洋条約機構)と韓国では状況は異なるが、米独関係が上手くいかなかったことが在独米軍削減に繋がった。この点では、米韓関係も同じである。いつでも、在韓米軍を削減して在日米軍を増強するという戦略転換があっても不思議のない状況だ。韓国は、米国との関係調整に慎重であるべきだ。



(4)「韓国とドイツは2017年7月、文在寅大統領のドイツ訪問の際、両国外相戦略対話を発足させた。2018年7月マース外相がソウルを訪ね、康長官が2年ぶりにベルリンを訪問した」

 

韓国は、ドイツと「外相戦略対話」を行なっている。隣国の日本とは角突き合いの関係で、欧州での「仲間作り」である。日韓には、外交・防衛「2+2」会談もないという素っ気ない関係だ。日韓は、互いに敬遠し合っている関係であるが、韓国自身でもこれが不自然という考えが出てきた。

 

文政権支持メディアの『ハンギョレ新聞』は、日本が敵地先制攻撃も可能という議論が多数を占めてきた現状から、日韓の外交・防衛「2+2」会談を持つべきだと主張し始めている。日本の敵地先制攻撃論を批判するのでなく、半ば認めたような前提で、日韓の「2+2」会談推進役となっている。日本が、北朝鮮ミサイル基地を先制攻撃する場合、韓国に「先ず一報」をという趣旨だ。だが、この機密情報が北朝鮮に漏れたら一大事である。日韓には、そこまでの信頼感がないのだ。