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毛沢東は、新中国建国と同時に少数民族の内モンゴル・新疆ウイグル・チベットへ人民解放軍を送って、有無を言わせず「中国領」に編入してしまった。以来、これら3民族は中国と内紛を起こす関係になっている。ただ、内モンゴル指導部は中国との一体化を望んでいたという面で、新疆ウイグル・チベットとは「抵抗姿勢」が異なっている。

 

習近平氏は、学校教育で内モンゴル語の使用を禁止する強硬手段に出ている。内モンゴル語や文化を抹消という「犯罪」に手を染めているのだ。なぜ、ここまで立ち入ったことを始めているのか。将来、前記の少数民族が「独立運動」を始める危険性を言語・文化面から断ち切っておきたいという狙いがあろう。中国の国力が落ちれば、「独立運動」が起こるはずだ。これは、歴史における被征服民族の共通したパターンである。中国も、そういうリスクから無縁でないという悩みを抱えている。この点は、重要である。

 

『大紀元』(9月14日付)は、「モンゴル当局、言語政策に従わない公務員を処罰」と題する記事を掲載した。

 

中国内モンゴル共産党政府は、小中学校でのモンゴル語の授業を段階的に廃止し、北京語に置き換える計画を実行している。内モンゴル地区では抗議運動が起きており、学校に通わせることをやめた親もいる。大紀元が入手した文書によると、当局はモンゴル語廃止措置に従わない教師や政府職員を罰している。

 


(1)「8月下旬から、内モンゴル自治区の教育局は小中学校の授業を標準中国語で行い、中国語の教科書を使用するとの新しい規則を発表した。同自治区には多くのモンゴル人が居住しており、漢族の大多数とは異なる言語と文化を持つ。地元メディアの報道によると、共産党の言語政策に反対したために複数の公務員が停職処分となった。内モンゴル自治区の別の文書には、共産党党員および政府幹部が、言語政策に従わない場合「批判と指導、警告、除名」と記されている」

 

モンゴル語の禁止は、中国共産党の暴力的な本質を物語っている。北京オリンピックでは、中国が多民族国家であることを自慢したが、現在はこれを抹殺する逆のことを始めている。社会的な混乱の増加とともに少数民族の蜂起を恐れる心境になっているのだろう。

 

(2)「91日から、バヤル・トウフシュオ町の共産党委員会は上層部の指示に従い、公務員と党幹部の子どもたちの就学状況と出席状況に関する情報を収集している。別の文書によると、町は8月25日以降、地元の抗議行動に党員が参加したかどうかを調査している。内モンゴル自治区の住民はソーシャルメディアへの投稿で、共産党の圧力にもかかわらず、内モンゴル自治区の多くの地域では、まだ学校をボイコットしたままの生徒がいる。投稿によると、毎週月曜日に中国全土の小中高校で行われる党旗掲揚式に出席する生徒が減ったという」

 

モンゴル人の共産党員は、複雑であろう。民族の象徴であるモンゴル語が教育現場から消えることに耐えられるはずがない。抵抗して当然だ。だが、日韓併合時代も当初は朝鮮語教育を認めていた。それが、終戦の2~3年前に朝鮮語教育を止めたもの。今からざっと80年前に戻ったように、モンゴル語教育禁止は時代の潮流に反したことである。

 


(3)「米メディア『ラジオ・フリー・アジア』(RFA)は、数百人のモンゴル人が、政府の語学教育の方針に従うことを拒否したために逮捕されたり、公職を辞任するよう圧力をかけられたりしたと報じた。地元メディアによると、94日、内モンゴル自治区アルシャ・リーグ事務局に勤めるモンゴル人の女性職員は自宅の建物から転落し、死亡した。家族とみられるネットユーザーの書き込みによると、「妻が新政策について当局と意見が合わず、上層部からの圧力に耐えられず自殺した」と」

 

中国共産党の行っていることは、「帝国主義」である。民族の誇りを抹殺しているからだ。こういう強引な「同化政策」を強行しているのは、世界覇権を狙うという野望の一環であろうか。空恐ろしいことを始めたものである。

 

『大紀元』(9月15日付)は、「米メディア、習近平は父の政策に反し内モンゴルでの中国語教育強化」と題する記事を掲載した。

 

中国当局が内モンゴル自治区で中国語教育を強化していることについて、米メディアは習近平氏が推し進めている同政策は、習氏の父親である習仲勛氏が主導した民族政策に完全に反していると指摘した。

 

米『ラジオ・フリー・アジア』(RFA)は9月11日、内モンゴルで9月1日から導入された中国語強化教育政策は、習近平氏自身の指示に基づいていると指摘した。さらに「皮肉なことに、この政策は、同氏の父親である習仲勛が主導する民族政策に反するものである」と述べた。「主に少数民族の学生が通う学校は、少数民族が使用する言語を教育に使用できる」という1980年代半ばの中国の『教育法』の起草および制定を主導した人は、習近平氏の父親である習仲勛氏だった。

 

(4)「この政策は中国憲法にも違反している。「中国のすべての民族は平等であり、自民族の言語 ・文化を維持する権利がある」と憲法によって保障されている。現地では今も住民による抗議活動が続いている。抗議が激化するにつれ、中国政府は厳しい取り締まりを展開した。報告によると、何百人ものモンゴル人が当局に協力しないがために逮捕、または公職追放の処分を受けているという。米国を拠点とする人権団体「南モンゴル人権情報センター」によってアップロードされた動画によると、中国語教育に反対する「1万6000件以上の請願書」と「2600通の学生たちの手書き反対書簡」が提出されたという」

 

モンゴル語の教育現場での禁止措置は、中国憲法にも違反している。こういう違反行為まで冒し同化政策を行う背景は、中国の国内不満が高まっている証拠であろう。習近平氏は、追い詰められているのだ。