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文大統領が、日韓関係を最悪状態へ追い込んでおきながら、菅首相就任の祝賀書簡を送ってきた。ただの儀礼上の書簡であり、特別の意味はない。韓国のことである。融和を申し入れたにも関わらず、日本は無反応であったという「逃げ口上」に悪用される新たな心配が出てきた。韓国は、後になって必ずこういう言い方をする国である。警戒が必要である。

 

『聯合ニュース』(9月16日付)は、「文大統領が菅新首相に書簡、関係改善へ対話呼びかけ」と題する記事を掲載した。

 

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は16日、菅義偉新首相に首相就任を祝う書簡を送り、韓日関係の発展に向け努力しようと呼びかけた。青瓦台(大統領府)の姜珉碩(カン・ミンソク)報道官が伝えた。

 

(1)「文大統領は書簡で、「菅首相の在任期間中に韓日関係がさらに発展するよう努力しよう」と呼びかけた。歴史問題や日本の対韓輸出規制などで両国関係が悪化する中、文大統領が菅内閣の発足を機に関係改善に向けた意思を示した形だ。書簡の具体的な内容は公開されなかったが、姜報道官によると、文大統領は基本的価値と戦略的利益を共有するだけでなく、地理的・文化的に最も近い友人である日本政府といつでも向かい合って対話し、意思疎通する準備ができており、日本側の積極的な呼応を期待していると伝えたという」

 

韓国は、こういう呼びかけをすれば、書簡を受け取った日本が行動を起こす番、という理解の仕方である。日本が沈黙していれば、「日本が無視した」という具合に悪用するだけに、油断できない相手である。韓国が、口先だけでなく真に解決の意思があれば、昨年12月、韓国国会の文議長が議会へ提案した解決案を、提案し直すことである。この案は、日本側も乗り気になったものの、文大統領が消極的であったことから廃案になっている。韓国は、ポーズでなく解決に向けた誠意ある取り組みをすることだ。

 


(2)「未来指向の韓日関係のため対話努力を続けるというこれまでの立場を改めて示したといえる。文大統領は8月15日にソウル市内で開かれた光復節(日本の植民地支配からの解放記念日)記念式の演説でも、「今も(日本との)協議の扉を大きく開いている」などと強調した。姜報道官は「政府は菅首相および新内閣とも積極的に協力して歴史問題を賢明に克服し、経済・文化・人的交流などの分野で未来指向的かつ互恵的に実質的協力を強化していく」との方針を明らかにした」

 

文大統領は、慰安婦合意も勝手に破棄している。その裏には今回、在宅起訴になった韓国与党「共に民主党」の尹美香(ユン・ミヒャン)議員が、破棄に向けて強力なアプローチをしたとされている。その尹氏は、慰安婦支援を理由に集めた募金を流用するなどの悪事が起訴理由である。尹氏が、慰安婦合意の破棄に向けて文大統領に働きかけたのは、慰安婦問題が完全解決すれば、募金を集める理由がなくなるという、極めて身勝手はものであった。

 

こうして、一部市民団体による不当な理由で慰安婦合意は破棄されたといえる。文大統領の責任は極めて重いのである。今さら、隣国とか共通の価値観を持っているとか、お世辞たらたらの総理就任書簡を送ってくるよりも、自らの責任でやるべき仕事をすることだ。

 


文政権支持メディアの『ハンギョレ新聞』(9月15日付)は、「
菅次期首相に韓日関係の前向きな姿勢を望む」と題する社説を掲載した。問題点を羅列する。極めて高圧的である。

 

1)菅氏の実用的リーダーシップが韓日関係でも発揮されることを期待する。そのうえ、すでに一度延期された東京五輪を来年開催するには、韓国との協力が必要な状況だ。

 

「コメント」来年の東京五輪で、なぜ韓国の協力が必要なのか。これまで、妨害工作を受けたが、一度も協力を申入れたことはない。

 

2)日本国内でも実益はなく、かえって日本企業に被害を与えた輸出規制を緩和すべきだという声が高まっている。

 

「コメント」目下、WTOへ提訴されている案件である。日本国内では、輸出手続き規制を解除すべしという意見は聞かない。

 

3)菅氏が首相就任後に早期総選挙を実施して安定した指導力を確保するなら、安倍首相と区別される独自カラーの政治を推進し、韓国をはじめとする周辺国との関係改善に乗り出す空間が広がるだろう。

 

「コメント」韓国とは冷却関係だが、他国とはなんら外交問題は起こっていない。「反日運動」を行っているのは、韓国だけである。韓国が「異常」と言うべきだ。

 

4)日本が韓日関係をこのまま放置し続ける意図がないなら、新しく登場する菅内閣が現実的で前向きな態度で韓国に手を差し伸べることを望む。

 

「コメント」解決済みの問題を「事件化」したのは韓国である。韓国が責任をもって解決すべきで、日本に問題の尻を持込んではならない。

 

以上のような「社説」を読まされると、解決は遠のくという印象である。日韓紛争で困るのは、韓国である。困らないならば、予定通り進めれば良いのだ。