a0960_008564_m
   

中国の国産大型旅客機の引き渡しが遅れている。欧米サプライヤーが、部品供給を渋っているからだ。民間航空機でも、いつ軍用機に部品が転用されるか分らない状況だけに、欧米の政府が警戒感を強めている。

 

中国の「国産」旅客機と言っても、事実上は欧米部品を組立て、機尾に中国「国旗」が入るだけという、厳しい批判の声が飛んでいる。基礎精密工業の歴史のない中国に、大型旅客機を製造できる能力はないのだ。宇宙ロケットが、米国半導体供給のストップで、発射事故が頻発している事情とよく似ている。

 

『大紀元』(9月17日付)は、「中国初の国産旅客機C919、来年の就航が困難 専門家『米サプライヤーに強く依存』」と題する記事を掲載した。

 

米国専門家はこのほど、中国初となる国産旅客機「C919」の2021年の就航が難しくなっていると指摘した。C919の飛行制御システム技術や部品などは、欧米各社、特に米企業に強く依存している。米政府などは、中国当局が欧米の航空技術を軍事転用する可能性が大きいとして、技術提供などについてさらに慎重な姿勢を示している。

 

(1)「中国当局は当初の計画で、C919が2014年に初飛行をし、16年に納入を開始すると予定していた。実際のところ、初飛行は17年5月に実施された。また、当局は、納入を21年に延期した。C919は中国初の国産大型ジェット旅客機だ。米『ボイス・オフ・アメリカ』(VOA)9月14日付によると、航空リサーチ会社エンダウ・アナリティクス(の創業者、シュコア・ユソフ氏は、21年にC919の就航は難しいと指摘した。理由は、C919の生産は、欧州および米国企業による第三者サプライヤーに強く頼っているためである)

 

初の国産大型旅客機C919は事実上、欧米サプライヤーの部品供給がなければ製造不可能な状態である。

 

(2)「習近平指導部は2015年、製造強国を目指す国家戦略「中国製造2025(メイド・イン・チャイナ2025)」を発表した。中では、航空機産業を10の重点分野の1つに位置付けた。当局は、C919を含む航空機国産化を通して、国内外に国力を誇示する狙いがある。中国紙『中国青年報』は今年6月、C919の国産化率が60%近くに達し、現在100%を目指していると報道した

 

下線部は、全くのつくり話である。国産100%など、夢のまた夢である。

 


(3)「米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)の中国問題専門家、スコット・ケネディ氏はVOAに対して、中国航空機の完全な国産化について、不可能であるとの認識を示した。ケネディ氏は、「C919は名義上、中国の国産旅客機となっている。しかし、この旅客機が飛行するために使われている技術と設備はすべて欧米各社のものだ」と述べ、特にC919の製造を支えているサプライチェーンは米国のサプライチェーンであるとした」

 

中国航空機の完全国産化は不可能と指摘されている。自動車のエンジンもまともに作れない精密工業の国が夢だけは大きいのだ。

 

(4)「中国国有の中国商用飛機(COMAC)は、C919の前に、小型ジェット旅客機「ARJ21」を開発・製造した。ケネディ氏によると、C919ARJ21と同様に、エンジン、降着装置、タイヤなどの機器や部品は欧米各社から輸入し、中国国内で組み立てている。ARJ21の設計は、米航空機製造会社、マクドネル・ダグラス(現在ボーイング)が開発・製造した双発ジェット旅客機MD-80シリーズに基づいている」

 

小型ジェット旅客機「ARJ21」の場合、設計から部品まですべて欧米企業が請け負っている。ただ、中国で組立てただけだ。この程度の実績である。

 


(5)「ケネディ氏によれば、中国当局は2008~09年にC919の他の潜在的なサプライヤーを探し始めた。しかし、中国側が近年、民間企業の技術を活用して軍事力を強化する「軍民融合戦略」を推進しているため、欧米諸国の政府は、C919への技術提供が軍事転用される可能性があるとして、サプライヤーの各社に対して禁輸措置を検討している

 

欧米諸国は、C919の技術が軍事転用される恐れがあることから、サプライヤーに対して禁輸措置を検討している。これが、現実化すれば永遠に「未完」となりかねない。

 

(6)「米市場調査会社のティール・グループのリチャード・アブラフィア副社長は、「欧米企業が開発したエンジンと航空電子機器システムがなければ、中国は航空機を製造できない。中国の最大課題は飛行機を作ることではなく、エンジンと航空電子設備を開発・製造することだ。機尾に(中国の)国旗マークを貼り付けるだけでは無意味だ」と厳しく指摘した」

 

中国は、飛行機をつくる前に部品を製造できる技術を磨くことだ。基礎技術のない中国が、欧米に背伸びして挑戦することの無益さを悟るべきなのだ。