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国際水路機関が無粋なことを決めそうだ。日本海の呼称を巡って韓国が「東海」を主張し、折衷案で「日本海・東海」の併記案が出されていた。当事国の日本、韓国、北朝鮮の3ヶ国でも調整できず結局、世界中の海がデジタル化時代を反映して、「番号化」されるというもの。これでは、「海のロマン」も雲散霧消で味気ないものになりそうだ。

 

『聯合ニュース』(9月21日付)は、「東海・日本海論争が『数字表記』で決着か、11月のIHO総会で」と題する記事を掲載した。

 

「東海」と「日本海」の併記を巡る論争が、11月に開かれる国際水路機関(IHO)総会で「数字表記」という形で決着する見通しだ。IHOは海を特定の地名の代わりに数字で表記することを提案しており、これが通れば日本は今後、IHOの表記を根拠に東海を「日本海」だと主張するのは難しくなる。

(1)「韓国外交部とIHOによると、IHO事務局長は11月16日にテレビ会議形式で行われる総会で、国際標準海図集「大洋と海の境界」の改訂に向けた非公式協議の結果を加盟国に説明する。IHOが刊行する「大洋と海の境界」は、世界の国々が海図を作成する際の指針となる。1929年の初版から53年に刊行された現行の第3版まで東海を「日本海」と単独表記しており、韓国は97年からIHOで東海と日本海の併記を主張してきた」

 

韓国の横車で、「日本海」の国際的な呼称が消えかかっている。すべて「番号化」される予定だ。

 

(2)「この問題に対し、IHOは2017年4月に開いた総会で、関係国間の非公式協議を行って結果を20年の総会で報告させることにしたが、韓国と北朝鮮、日本はIHO事務局長の主宰で昨年4月と10月に開かれた協議で合意に至れなかった。IHO事務局長はこれを受け、「海を固有の数字で識別するシステム」を導入する案を韓日に提案した。デジタル化時代には名前よりも数字の方が地理情報システムに活用する上で有用なため、全ての海に固有の数字を与えようというもので、この場合、東海も日本海も使用しないことになる」

 

世界の海の呼称を数字化すると言うが、人々の記憶ではそれを受入れないだろう。従来通りの名称で呼ばれ続けるだろう。こんな無駄なことに決着させた韓国は、意気揚々としている。これは、韓国を世界に印象づけるために取った横車である。「日本海」を世界地図から消すためにあえて「数字化」させたもの。

 

(3)「この提案は、11月の総会で案件として扱われる予定で、加盟国にもすでに回覧された。IHOがホームページに公開した「大洋と海の境界」改訂案に対する加盟国の意見はおおむね肯定的で、通過する可能性が高そうだ。韓国政府はIHOに提出した意見書で、「新たなIHO標準は21世紀のデジタル化が進む地理情報環境において、使用者の必要を満たす上ではるかに効果的」だとし、「事務局長の提案を原則的に支持する」と表明した。日本側も意見書で、水路情報をデジタル環境によりふさわしいものにしていくという趣旨を理解するとしながら、「IHO事務局長、加盟国と建設的に協力する準備ができている」との立場を示した

 

日本側は、日本海の呼称について「番号化」案を受入れる模様だが、日本の立場を明確にすべきで、国民にも納得のいく説明が必要だ。

 

(4)「IHOの提案が通れば、これまで日本が「日本海」だと主張する根拠としてきた「大洋と海の境界」に代わる新たな標準が導入されることになるため、日本の主張が弱まる効果が期待される」

 

日本は、従来通り「日本海」と記載すればよい。カッコに国際水路機関の提示する数字を書き込むのだ。さて、「太平洋」や「インド洋」「南シナ海」「東シナ海」など、呼び慣れてきた呼称はどういう「数字」になるのか。くだらないことを始めるものだと思う。すべて、韓国から始まった話である。