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韓国は、複雑な心境にある。民族感情では日本へ一矢報いたいが、日本は経済的にGDP3位の規模を背景に、世界市場で技術的影響力を確立しているからだ。日本は、半導体材料や半導体製造設備について、かつて日米半導体戦争を繰り広げ、技術的に優位にあった。その潜在的能力の高さは、今も変わりないのだ。こういう日本を向こうに回して、韓国が半導体材料や半導体製造設備の国産化を目指すのは無駄であるという指摘が消えない。

 

昨年7月、日本が韓国向け半導体3素材の輸出手続き規制強化をしたものの、輸出は滞りなく行われた。半導体の主要3材料輸出で、日本がWTO(世界貿易機関)違反に問われる事態は起こらなかったのだ。韓国は、それでも半導体3材料の内製化努力を進めているが、韓国国内でも「無駄な投資」と批判を浴びている。

 

『ロイター』(9月16日付)は、「韓国、官民タッグで半導体材料の『内製化』を推進」と題する記事を掲載した。

 

韓国政府が先月、拡充した半導体材料の試験施設をお披露目した際に目玉となったのは、サムスン電子が格安で売ってくれた最新鋭の露光装置だった。9月14日、韓国政府が先月、拡充した半導体材料の試験施設をお披露目した際に目玉となったのは、サムスン電子が格安で譲渡した最新鋭の露光装置だった。この施設は、国内のサプライヤーが、フォトレジストなどの半導体向け先端素材の製造や検査ができる態勢づくりを進めるのが目的。日本が昨年、幾つかの半導体材料輸出を制限したことをきっかけに、韓国は内製化を推進している最中だ。

 


(1)「業界関係者からは、内製化実現への道のりは遠いとの声が聞かれる。ただ今年になって、新型コロナウイルスのパンデミックと米中対立激化によりサプライチェーンの世界的な変化が加速しているため、内製化の必要度は一層高まっている。
サムスンから露光装置の提供を受けた国立ナノ総合ファブセンター(NNFC)のリー・ジョウォン所長は、以前ならサムスンなどの大手半導体メーカーは、材料の調達に関して価格が最優先で、調達先がどこかは問わなかったと話す。「だが日本の輸出制限とコロナが原因で、彼らは国内のサプライヤーを育成し、混乱なく材料を仕入れられる仕組みを構築し始めた」という」

 

韓国では、製造業の内製化が叫ばれている。パンデミックと米中対立激化によりサプライチェーンの世界的な変化が加速しているためだ。もう一つ、日本の半導体輸出手続き規制を逃れる目的もある。

 

(2)「日韓関係に改善の兆しが見えないことから、韓国政府は依然として主に日本から仕入れているハイテク100品目の調達先を広げる取り組みを進めており、このために2022年までに5兆ウォンを投資すると表明した。日本の輸出(手続き)制限を受けた3品目については、既に国内やベルギー、台湾、中国から仕入れている」

 

周知のように、半導体主要3材料輸出は、手続きに時間はかかったが全量、輸出されている。この点が誤報され、日本が「輸出制限した」ことになっている。困ったことだ。

 

(3)「とはいえ、規模の小さい韓国国内の半導体材料市場において、日本が優位に立つ最先端技術開発に多額の資金を投じることに経済的な合理性があるのか、との疑問も存在する。また韓国政府は大手メーカーが国内のサプライヤーを使うことを望んでいるが、韓国産業連盟(FKI)幹部は、「品質面の保証がない限り、それは簡単なオプションとは言えない」とけん制した。何しろサムスン、SKハイニックス、LGディスプレーは、アップルやクアルコム、華為技術(ファーウェイ)といった世界的なIT企業に製品を供給しており、韓国にとって半導体セクターは輸出の2割を占める重要な産業なのだ

 

日本の半導体主要3材料は、品質・納期・価格で世界一の安定度を誇っている。それだけに、韓国企業は日本からの素材輸入に依存するという必然の理由がある。仮に、韓国国内で生産できても、品質・納期・価格が安定しているか、それが最大の問題になる。

 

(4)「元SKハイニックスのエンジニアで現在、韓国産業技術大学教授のキム・サンヨン氏は、EUV(極端紫外線)フォトレジストのような高度な材料を内製化するにはそれなりの時間がかかると指摘する。今、世界のフォトレジスト製品のシェアは日本が9割を握っている。キム氏は、日本が輸出制限対象を半導体製造装置にまで拡大すれば、韓国は痛手を受けかねないと警告する。韓国がなおも日本に大きく依存するハイテク100品目のうち、14品目は半導体製造装置関連で今は輸出が制限されていない。ただキム氏は、日本がこの14品目を規制すれば、韓国の「半導体生産はストップする」と強調し、半導体の材料よりも製造装置とその部品の方がより足場が弱いと付け加えた」

 

韓国が、日本に大きく依存するハイテク100品目のうち、14品目は半導体製造装置関連で目下、輸出制限されていない。日本がこの14品目を規制すれば、韓国の「半導体生産はストップする」という。韓国経済は、日本の技術と資本で成長発展してきた。本質的に、日本依存である。この現実を理解すれば、日本と喧嘩することがどれほど危険かを知るであろう。