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習政権は、不動産バブルを利用しながら高目の経済成長を続けてきた。その手品も、ついに終末期を迎える。本欄は、一貫して不動産バブルの危険性を指摘し続けてきた。中国恒大集団は、中国を代表する不動産企業集団である。この著名企業にデフォルトの危機が迫っている。

 

『ブルームバーグ』(9月25日付)は、「中国恒大、デフォルトの可能性を当局に警告-金融システム脅かす恐れ」と題する記事を掲載した。

 

中国恒大集団がデフォルト(債務不履行)の可能性について中国当局に警告した。同社が求める深圳上場を当局が認めなければ、中国の50兆ドル(約5274兆円)規模の金融システムが動揺する恐れがあるとしている。

 

(1)「中国恒大は広東省政府に宛てた8月24日付書簡で、資金不足を回避し、上場を確実にするために必要な再編案への支持を求めた。ブルームバーグがこの書簡を確認した。広東省に本社を置く中国恒大が深圳証券取引所に上場する認可を来年1月31日までに得られない場合、同社の大株主となっている戦略的投資家の一部は投資資金の返還を求める権利がある。投資家側が期限延長を拒めば、中国恒大は同社が持つ現金および現金等価物の92%に相当する最大1300億元(約2兆円)を支払う必要が生じる」

 


中国恒大が、深圳証券取引所に上場する認可を来年1月31日までに得られない場合、同社の大株主となっている戦略的投資家の一部は投資資金の返還を求める権利があるという。具体的な内容が分らないが、投資家側は中国恒大の株式上場で資金を回収するのであろう。

 

なぜ、来年1月31日までを上場期限としているのか。これは、戦略投資家との契約でそうなっているのだ。

 

投資家側が、2月1日以降の上場を待てないとしている。遅延の場合は、最大1300億元(約2兆円)の現金支払いを求められるという。鍵は、来年1月31日が攻防日となっていることだ。株式上場か現金で約2兆円超を用意しろというもの。投資家側も資金返還を焦っているのだ。

 


(2)「書簡では、こうした事態になれば、銀行や信託、ファンド、債券市場からの借り入れで「クロスデフォルト」を招く可能性があり、最終的には金融システムのシステミックリスクにつながり得ると中国恒大は警告している。中国恒大は資料で、同社の資産再編計画を巡るソーシャルメディア上の投稿は「でっち上げ」だと主張したが、詳細には言及しなかった。当局に支援を求めたかどうかについては触れずに、1~8月に事業売り上げが4000億元のキャッシュフローを生み出し、健全な運営を維持していると説明した」

 

現金で約2兆円を払うとなると、銀行や信託、ファンド、債券市場からの借り入れで「クロスデフォルト」を招く可能性がある、としている。突然、市場から約2兆円が吸い上げられれば、その煽りを食ってデフォルトが発生しかねない。こうして、最終的には金融システムのシステミックリスクにつながり得るという。中国がデフォルトの波に飲み込まれるという意味である。なにやらきな臭いことになってきた。

 


『大紀元』(9月27日付)は、
「『中国恒大集団』負債が約12.9兆円とデフォルト示唆、地方政府に支援要請」と題する記事を掲載した。前記記事の不明部分は、次の記事を手がかりにして理解したい。

 

(3)「書簡は8月24日に送られた。恒大集団はこの書簡の中で、同社の有利子負債残高は2020年6月30日時点で8355億元(約12兆9183億円)で、銀行系金融機関128社がかかわっており、借入残高は2323億元(約3兆5918億円)とした。同社は2021年1月31日までに、1300億元(約2兆100億円)の元金を(事業提携を前提とする)戦略投資家に償還し、137億元(約2118億円)の配当金を支払う必要がある。この1300億元が負債となれば、資産負債比率は90%以上に急上昇し、恒大集団は深刻な資金難に陥る可能性がある」

前記のブルームバーグ記事で要領を得なかった部分が、この記事でかなり明らかにある。下線部が重要で、来年1月31日までに戦略投資家に1300億元の資金返済と、ほかに137億元の配当金を支払う。そこで、株式を1月31日までに深圳市場へ上場できれば上場値上り分で支払い可能であるという。上場できなければ、金融機関借入で調達するので、金融市場が混乱するほか、恒大集団にとっては資産負債比率が90%以上になって、資金難に陥るということだ。これを避けるには現在、香港市場に上場しているが、新たに深圳市場で恒大集団の株式上場を認めてくれという切羽詰まった話しだ。中国経済の縮図である。