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韓国が、大きな期待を持って日韓関係打開に動き出した。日本は、いたって平常心で臨んでおり好対照をなしている。これは、日韓関係悪化で困るのが韓国であることを証明する話だ。

 

米国の有力シンクタンク幹部が、菅首相の政治手法を分析して、日韓関係打開に関する見通しを示している。それによると、日韓慰安婦合意を推進したのが菅官房長官(当時)であり、韓国はそれを破棄する形で裏切った。菅氏の韓国への不信の念は強いはずで、韓国は小さな「誠意」を積み重ねなければなるまい、と貴重なアドバイスをしている。

 

『中央日報』(9月25日付)は、「菅義偉時代でも韓日葛藤解決は難しいもよう」と題するコラムを掲載した。筆者は、マイケル・グリーン米戦略国際問題研究所(CSIS)上級副所長である。米国国家安全保障会議(NSC)日本・朝鮮担当部長(2001~04年)を経験している。

 

菅義偉首相は韓日関係に変化をもたらすだろうか。彼のニックネームは「解決者」だ。しかし韓日葛藤の打開は期待しにくい。両国問題はどちらか一方が政治的損失を甘受する譲歩を受け入れないことには解決できない。韓国政府は2015年安倍晋三前首相と朴槿恵(パク・クネ)前統領の間で成立した韓日慰安婦交渉合意が不当だと主張している。日本は当時両首脳の合意が最終的・不可逆的な解決だったという立場を守っている。弱り目にたたり目で、韓国大法院は1965年韓日請求権協定で強制徴用被害者の損害賠償請求権が消滅していないという判決を下した。日本政府は一方的な協定廃棄は国際法違反だとしている。



(1)「地政学的・理念的観点からみると問題はさらに複雑だ。アジアで韓国と日本は米国との同盟関係を最も固く維持している。日本は中国の覇権主義的野望に対抗して米国・オーストラリア・インドを含む4カ国協力体構成を推進し、インド太平洋地域の領域内協力を強化している。反面、韓国は経済的・地理的に中国の圧迫を受けやすいため、米国との安保協力を強く維持しながらもアジア内の米中経済葛藤で戦略的曖昧さを維持している。日本指導者は韓国が中国側に加わり日本の戦略的利益を阻害していると考えている。韓国指導者は日本がインド太平洋戦略で北東アジア内の競争を深化させて韓国の立場を難しいものにしていると考えている

 

韓国は、自国本位で国際情勢を見ている。米中対立の世界史的な認識がないため、日本の「インド太平洋戦略」が理解できずにいる。韓国は、南北統一だけが外交と認識するほど、外交視野が狭い。中国に対する認識も、日本とは異なるのだ。

 

(2)「結局、菅氏は日本の立場を簡単に変更することはできず、しないだろう。ひとまず菅氏は1965年請求権協定や2015年慰安婦合意に対して日本国内からも国際社会からも、事実上、いかなる圧力も受けていない。菅氏は安倍氏の外交政策から大きく外れることはないとすでに宣言した。菅氏は保守的だが実用的だ。安倍氏は彼の母方の祖父・岸信介前首相に従って米国との同盟強化および左派最小化を成し遂げるという決意を持って国会に入ったが、菅氏は1996年に政界に入り、彼の地方区である横浜の実用的・経済的な懸案に集中した。農家の息子である菅氏には政治的・理念的遺産がない」

 

管氏の生い立ちが、安倍・前首相と違っていることからも、政治手法は異なって当然である。「菅氏は保守的だが実用的だ」と指摘するように、韓国は、先ず小さな誠意を見せることである。管氏は、それが日本の国益になるという自信を持たない限り、日韓関係打開に向けて腰を上げないだろう。

 


(3)「菅氏は政治家としては珍しく、権力を利用して実質的な成果を出す人物だ。このために日本の官僚や経営者は彼を尊敬しながらも多少恐れる。行政府人事権を首相に集中させた人物が他ならぬ菅氏だ。安倍氏が中央集権的で支配的なリーダーシップを成功裏に確立する過程で、静かにこれを実現させた人物がこの菅氏だった。菅氏は難題を解決するにあたり、自身を助けてくれる人物を招いて共に食事をする。その問題に対してある成果を出すことができるという確信を持つことができれば、官僚を圧迫してこれを直ちに実行するよう強力に推し進める。一例として、菅氏は観光活性化のためにたった数日で出入国管理問題を処理し、数年で日本の観光収入は3倍に増大させた。ただし、菅氏は自分が解決できると思えることだけに動く」

 

下線部分は、実によく管氏の政治パターンを分析しており興味深い。総理就任後の有識者との面談・会食がそれを跡付けている。今のところ、管氏の面談相手は内政問題の関係者である。日韓問題の関係者はいないようだ。

 

(4)「菅氏は人の話に熱心に耳を傾けて研究する人物なので、韓国政府は信頼できる交渉家を起用して交渉に対する圧迫なく対話する道を選ぶのが望ましい。菅氏は2015年慰安婦交渉を邪魔しようとした自民党内の右派政治家たちを水面下で阻止した。日本が妥協する名分を韓国が与えれば菅氏は呼応するだろう。菅氏は適切な雰囲気が醸成されればある分野での両国協力に心を開いて動くこともできる」

管氏は、文政権による日韓慰安婦合意破棄によって裏切られている。この不信感をぬぐい去るためには、韓国がそれなりの努力をすべきである。韓国は、国家間の協定破棄がこういう重い「罰」を受けることを改めて知ることだ。

 


過去、革命政権でも国家間の条約・協定を遵守するというのがパターンである。合法的に結ばれた日韓慰安婦合意を、韓国国内の事情で破棄とはとんでもない思い上がりである。文政権は、その罰を受けるだろう。

 

(5)「多くの韓国人は、このような小さな動きに満足しないだろうが、大きな合意が成立するような政治的環境ではない。韓国と日本は共に葛藤の対価を支払っている。今は2カ国首脳が小さな事案から少しずつ協議を詰めていくときだ」

 

韓国は、日本への甘えを捨てることだ。困った時は、大仰な態度で日本へ接近するが、ひとたび状況が変われば罵詈雑言である。日本は、韓国政治を信用できないのである。