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韓国外交部(外務省)は、大統領府の下請け機関に過ぎない。大統領府秘書官が、1980年代の外交感覚で「親中朝・反日米」基調の外交政策を行うという時代錯誤ぶりである。外交官は出る幕もなく暇を弄んでいる。

 

韓国は、米中対立のあおりを食っている。韓国メディアは米中対立の渦中にいる韓国をよくエビに例える。もともとは、中国で使われた言葉という。2匹のクジラに挟まれた小さなエビとは「クジラのケンカのせいでエビの背中が破れる(とばっちりを受ける、の意)」という意味のエビである。

 

米国と中国による説得と圧力の強度が強まるにつれ、韓国の未来は情報と戦略にかかってきた。文在寅(ムン・ジェイン)政権が、米中対立に備えて新設した外交部の戦略調整支援班がここ1年間で作成した機密文書は、新型コロナウイルス関連の外交策わずか1件だけだという。これでは、まさに「韓国エビ」の喩え通りである。

 

私は本欄で、韓国は米中対立の長期化に備えたデータ分析はゼロであろうと一貫して指摘している。前述のように「ここ1年間で作成した機密文書は、新型コロナウイルス関連の外交策わずか1件だけ」とすれば、韓国大統領府は、新たな情報もデータもなく、1980年代の「親中朝・反日米」という学生運動の掲げた妄念にしたがって突き進む以外ないであろう。韓国にとっては、これ以上の不幸な話はないのだ。朝鮮李朝末期の外交混迷期と同じ轍を踏んでいる。

 


昨年7月、日本が韓国に対する半導体3材料の輸出手続き規制を強化したとき、韓国大統領府では、日本関連データを所有せず右往左往したという。大急ぎで韓国財閥に問い合わせたが、企業側も所有せずてんてこ舞いであったと韓国メディアが伝えている。韓国の外交情報は、この程度なのだ。

 

『朝鮮日報』(10月14日付)は、「少しは声を出してください、外交部長官殿」と題する記事を掲載した。

 

(1)「外交関係者の間では、「韓国の外交は総体的難局に陥った」という言葉が出ている。韓米防衛費交渉の行き詰まり、日本の徴用賠償問題、中国のTHAAD報復といった「未解決事件」により、ほかの主要外交懸案から別の問題が派生し、新たに突出する外交の悪材料への対応力を低下させる悪循環が続いているからだ。ベルリン少女像撤去問題も韓日間の確執が第3国に広がった事例だ。政府は、日本とのもめ事がドイツとの関係悪化につながる状況を懸念し、積極的に対応するのに苦慮しているという」

 

韓国外交部が力を失ったのは、文政権が意図的に行った結果である。反日運動を大々的にやるため、朴政権下で対日外交を担った外交官をすべて追放してしまった結果である。韓国外交部では、対米と対日の二つの外交部署が花形であったが、対日部署は事実上「休止」に追い込まれている。すべて「素人外交官」が対日外交を担当しているに過ぎない。

 

(2)「韓国政府が議長国になって年内にソウルで開催しようとしている韓中日3カ国首脳会談も日本の問題提起で準備が難航している。「日本政府は今回の韓中日首脳会談と関連して、元徴用工問題で受け入れ可能な措置を講じない限り、菅義偉首相は出席しないという見解を韓国側に伝えた」と共同通信が12日、報道した。韓日の確執が3カ国首脳会談にまで悪影響を与えているのだ」

 

韓国外交陣には、日本と意思疎通できる「大物外交官」がいないのだ。日韓をつなぐパイプ役の外交官が追放されて不在である。

 

(3)「日増しに激化する米中対立と関連しても、政府が明確な原則や戦略を明らかにせず、あいまいな態度で一貫して米中双方に誤ったシグナルを与えているとの指摘もある。元外交官は「米国は米国なりに、中国は中国なりに韓国に対する不満が膨らむ最悪の事態を念頭に置いている。特に米国には『韓国が中国に寄りになった』というシグナルを与えることになり、今後も外交面で負担となるだろう」と語った」

 

米韓同盟がありながら、中国へ秋波を送ること自体、問題である。そういう区別もできないのが韓国外交の不純さであろう。米国が、韓国を白い目で見ているのは、裏で韓国が何をしているか分らないという疑惑である。

 


(4)「政府は、スティーブン・ビーガン米国務副長官が12日(現地時間)、「クアッド(Quad=米日印豪4カ国外相会合)はほかの国にも開かれている」と述べて、韓国の4カ国外相会合参加を遠回しに要請したことについても、「米国は4カ国外相会合参加を正式に要請してはいない」との距離を置く姿勢を見せている。ビーガン副長官は「4カ国外相会合は拘束された義務ではなく、共同の関心によって推進されているパートナーシップ」「4カ国外相会合は排他的なグループ化を意図するものではない」と述べた。康京和(カン・ギョンファ)外交部長官が先日、4カ国外相会合に関連して「特定の国の利益を排除するようなことは良いアイデアではない」と述べたのに対して、ビーガン副長官が「4カ国外相会合は排他的ではない」と反論したものだ」

 

韓国は、米国の味方か中国の味方か分らない振る舞いである。こんな同盟国であるなら、米国は冷遇して当然であろう。韓国がいつ目を覚ますのか。それを待つしかないのだろう。地政学的視点から見れば、米国は韓国を切れないのだ。