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韓国ではインフルエンザ・ワクチン接種後に亡くなる人が10月21日12人から、22日一日で新たに28人(午後11時基準)に増えた。同一ロット番号(製造番号)で生産されたワクチンを接種して死亡した事例も発生している。韓国医師協会と一部の専門家はワクチン接種の暫定中断要求に乗り出す騒ぎである。この事故は、日本での同一ケースがあるのかどうか。慎重に検討しなければならない。

オンラインコミュニティを中心にワクチンを巡って確認されていない情報が増えている。ワクチンの安全性に対する不安感が「デマ」につながる状況である。韓国の無料予防接種事業対象者の中から死亡事例が続き、あるオンラインコミュニティには「中国産インフルエンザ・ワクチンを打たれて9人が死亡した」という書き込みが掲載されて、騒ぎが広がっている。

 

韓国政府が無料で提供するワクチンは中国産だというのだ。ワクチン死亡関連記事にも、「中国産ワクチンを取り寄せて、大韓民国の国民を相手に実験するのではないか」というコメントが相次いだ。これは、いずれも事実でなく否定されている。6社は、すべて国内でワクチンを製造する。唯一の外国会社であるサノフィパスツールはフランスの会社であり、インフルエンザ・ワクチンを全量フランスで製造する。

 


卵アレルギーの患者は、インフルエンザ・ワクチンを打ってもらってはいけないという情報も、ソーシャルネットワークサービス(SNS)などを通じて広がっている。しかし、日常生活の中で卵を食べてショック、呼吸困難、アナフィラキシーなどの深刻な反応が生じたのではなく、じんましんが出るほどの軽いアレルギーなら、インフルエンザ・ワクチンを打ってもらっても大丈夫だというのが専門家らの意見だ。疾病管理庁、WHO、米疾病管理予防センター(CDC)もこのように勧告している。ただ、ワクチン接種前に医師に十分相談をすることが欠かせない、という。

『中央日報』(10月24日付)は、「インフルエンザ・ワクチンショック、接種中断を検討し死因の究明をと題する社説を掲載した。

 

インフルエンザ・ワクチン接種直後に死亡する事例が韓国各地で同時多発的に続出して国民の不安が高まっている。それでも疾病管理庁は接種を継続すると明らかにして混乱と不安がなかなか落ち着かない。

(1)「昨日、国会国政監査で国会議員はワクチンの安全性が明らかになるまで接種を一時中断するべきだと求めた。だが、鄭銀敬(チョン・ウンギョン)庁長は「現在まで死亡者の報告が増えたことは増えたが、予防接種による死亡という直接的関連性は低い」とし、接種強行の立場を守った。高齢層や妊婦など高危険群の場合、インフルエンザ・ワクチンの接種が必要だというのが一般的な見解だ。しかし新型コロナウイルス(新型肺炎)が地域社会に深々と浸透した状況で、インフルエンザ・ワクチンの接種直後の短期間で死亡者が続出したため接種を暫定中断する必要がある」

 

インフルエンザ・ワクチンの接種直後に多数の死者が出ている。当局は当然、接種を中止して専門家会議を開くべきだ。コロナ・ワクチンの最終臨床試験では、死者などの事故が出れば、臨床試験を中止している。人命に関わる問題である以上、そのくらいの慎重さが要求される。


(2)「ワクチン自体の欠陥の可能性も迅速に検証しなければならない。鄭庁長は「ワクチン製造過程や食品医薬品安全処の検定を通じて毒性物質をすべて除いているので製造過程で問題が生ずることはあり得ない」と説明した。だが、今年はコロナ事態で国のインフルエンザ・ワクチン予防接種事業を大きく拡大して政府調達物量(1900万名分)を急きょ製造する過程で問題が生じた可能性を排除しがたい。一部ではインフルエンザウイルスを有精卵に注入して培養するときに毒性物質や菌が基準値以上あったとすれば死亡に達するショックを引き起こす可能性があると主張するそれでも食品医薬品安全処は流通する前と接種以前のワクチンに対して菌と毒性物質状態をそれぞれ厳しく点検していないという。ワクチン安全点検行政に死角地帯がありえるということだ」

 

下線部のような疑義が出されているという。専門家であれば、そうした疑問点に対して丁寧に答えるべきである。紋ギリ型の対応では、悲劇を生むばかりである。

 


(3)「今回の事態に対する政界の反応は無責任だ。与党は鄭庁長庇護に汲々としている。鄭庁長がインフルエンザ・ワクチン事態で揺れる場合、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の支持率に悪影響を与えるか心配しているとは情けない。野党はインフルエンザ・ワクチンを「死を呼ぶ毒薬」として過度に不安をあおっていることもまた不適切だ」

今回のインフルエンザ・ワクチン事故が、文大統領の支持率に悪影響を与えるのでないかと懸念する声があるという。何と情けない発想法か。この事故で落命した人の無念さを考えるべきだろう。