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中国の海洋進出が活発化するとともに、アジアでの安全保障問題が議論を呼んでいる。中国は、どこの国を侵略するかという仮定に立って、米国が最も防衛価値のある国を調査した。それによると、日本が1位であり以下、豪州、韓国、台湾という順位になった。

 

米国の有力シンクタンク・戦略国際問題研究所(CSIS)は対中国政策について、米国や日本、欧州のオピニオンリーダー840人あまりからの意見を集約化した。回答したオピニオンリーダーたちは、経済、安全保障、人権、民主主義、教育などさまざまな分野の専門家である。リーダーたちは、国際情勢およびアジア情勢の議論に影響力のある有識者でCSISが選んだ。米国内で440人、欧州とアジアで409人から回答を得た。8月3~31日まで実施され、日本からは59人が参加した。

 

『大紀元』(10月25日付)は、「防衛価値が最も高いのは日本、中国の軍事脅威巡りー米CSISが各国有識者に調査」と題する記事を掲載した。

 

(1)「調査によると、400人あまりの米国のオピニオンリーダーたちは、中国の軍事的脅威から同盟国や友好国を守るためにかなりのリスクを冒す用意があると考えている。中国からの軍事脅威にさらされた同盟国を防衛する価値を10段階で評価した場合、米オピニオンリーダーの間では次のような結果が出た。日本(8.86点)が最も高い。次にオーストラリア (8.71点) 、韓国 (8.60点) 、台湾 (7.93点) 、そして南シナ海における同盟国・パートナー国 (7.12点) が続いた。また、アジアと欧州のオピニオンリーダーたちの74%は、中国と関係を損なっても、米国とのパートナー協力関係を優先にしたいと答えた」

 

米国の有識者400人は、中国の軍事的脅威から同盟国を防衛する価値を10段階で示したところ、日本が(8.86点)で1位になった。後は、豪州・韓国・台湾の順位である。韓国は、米韓同盟がありながらガタガタしているのは、決して好結果を生まないということを示唆している。

 

(2)「米中間で軍事衝突に発展する可能性は「あり得るが、低い」と考える割合は、米オピニオンリーダー(83%)、欧州・アジアのオピニオンリーダー(74%)、米世論(60%)といずれも6割以上だった。また、国家安全保障の専門家のうち、79%が太平洋での中国との紛争では、今は米国が勝利すると考えているが、10年後の場合、勝利の確信は54%まで減っている」

 

米中の軍事紛争を予想するのが60%以上もあるのは要注意である。ただ、「79%が太平洋での中国との紛争では、今は米国が勝利すると考えているが、10年後の場合、勝利の確信は54%まで減る」のは、中国経済を過大評価している結果だ。そのようなことになる可能性は小さい。これが、私の一貫した見方だ。中国経済の構造的な弱点を知って欲しいと思う。きょう発行のメルマガ202号をぜひ一読していただきたい。

 

(3)「中国の人権問題については、米国、欧州、アジアのオピニオンリーダー、そして米世論ともに人権問題への促進を重視するとの意見が7割を占める。彼らは、香港、チベット、新疆ウイグル自治区に関する人権問題を優先的に取り組むべきだと考えており、具体策として、中国政府に対する非難声明と関与者への経済制裁の組み合わせが適切だとした」

 

中国の人権弾圧は、世界への挑戦である。放置してはならない問題だ。

 


(4)「経済政策では、オピニオンリーダーのわずか14%が、米国は中国が自由市場経済になることを奨励すべきだと信じている。また、米国のリーダーの71%は、中国共産党政権で米国の経済的利益は損なわれたとみている。CSISの報告執筆者は、10年前と比較して、考え方が著しく変化したとみている。「米国および米国のリーダーたちは、もはや中国が自由市場経済に変わることがゴールだとはみていない」とCSISのスコット・ケネディ中国経済主席は香港英字紙『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』に語っている」

 

自由世界の識者は、中国が市場経済へ戻ることはないと見ている。習近平という独裁者の出現が、中国社会の脆弱性を雄弁に物語っている。アジア型共産主義の最大欠陥であろう。

 

(5)「中国人民解放軍と深い繋がりのある通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)の第5世代移動通信システム(5G)の排除について、米国では71%、アジアと欧州のオピニオンリーダーの67%が支持を示した。さらに、半導体事業や部品の大手メーカーを持つ国の回答者である日本(85%)、台湾(82%)、韓国(76%)は、ファーウェイの5G市場への参入禁止に強く支持を示している」

 

日本・台湾・韓国の有識者が、ファーウェイ排除に8割前後が賛成している。ファーウェイの危険性を認識している結果だ。

 


(6)「欧州とアジアのリーダーは、中国経済とのデカップリングには消極的な数字を示しているが、米国が主導する5Gファーウェイ排除は支持する傾向にある。ファーウェイを禁止したいと考えるオピニオンリーダーのなかで、ハイテク企業を有する台湾(54%)と日本(44%)の回答者はより強硬な立場を示しており、中国のハイテク企業との取引禁止を支持している

 

中国経済とのデカップリングに賛成する国は、台湾と日本で40~50%台に達している。日本はTTP(環太平洋経済連携協定)への期待が強いから、中国とのデカップリングを切望する比率を高めているのであろう。TPPは本来、中国排除の目的で結成されている。中国デカップリングそのものだ。