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ドイツ外相が、世界秩序へ挑戦する中国に対して欧米は、正しい付き合い方をしなければならないと発言した。来年は、メルケル首相辞任が予定されているので、「ポスト・メルケル」を見すえて積極的外交政策を展開する前兆であろう。

 

ドイツ政府は92日、インド太平洋地域は「外交政策の優先事項」と位置づけ、地域との関係強化を正式に表明した。地政学的な権力構造の変化が、ドイツに直接影響を及ぼすことなどを理由にあげている。「ドイツ・ヨーロッパ・アジア:21世紀を共に形作る」と題された政策ガイドラインは9月2日に閣議決定された。ドイツが、「インド太平洋地域の国際秩序の形成に積極的に貢献する」ことを目的とするもの。

 

へイコ・マース外相が先の記者発表で、「インド太平洋地域がドイツの外交政策の優先事項である。インド太平洋という重要な地域との関係を強化し、多国間主義、気候変動の緩和、人権、ルールに基づく自由貿易、コネクティビティ、デジタル交易、特に安全保障政策の分野で協力を拡大する」としている。また外相は、インド太平洋は「国際秩序の形が決まる場所であり、強者の法に基づくのではなく、ルールと国際協力に基づくものだ」とした。

 

ドイツが、このようにインド太平洋問題に積極的に関わる姿勢を見せたことは、中国にとって不気味であろう。EUが、一丸となって中国へ対抗する姿勢をみせているからだ。次の記事は、NATO(北大西洋条約機構)は、自主的に防衛費を増やし中国へ対抗すべきと示唆している。これで、米国の負担を軽減させ、欧米が真のパートナーになるべきという。注目すべき内容である。

 

『大紀元』(10月28日付)は、「米欧関係の将来、中国との付き合い方にかかっているー独外相」と題する記事を掲載した。

 

ドイツのハイコ・マース外相は11月3日の米大統領選を控え、米大統領選でどちらの候補が勝っても、対中問題において、米EU間の大西洋横断パートナーシップは維持しなければならないと述べた。また、将来の米欧関係は、中国との正しい付き合い方にもかかっていると主張した。

 

(1)「マース氏は10月25日、独紙『ディ・ヴェルト日曜版』に寄稿した。同氏は中国問題について、米欧関係の将来は中国問題にどう対処するかにかかっており、米欧間の相違を解消して、力を合わせて対応すべきだとした。マース氏は、ドイツ政府が新大西洋アジェンダの新たな5つの提案を、米大統領選後にワシントンに提示すると述べた」

 

トランプ氏はこれまで、NATOは防衛費を対GDP比2%以上に引上げるように勧告してきたが、ドイツが積極的にこれに応じる姿勢のようだ。これまで米独関係は悪化していたが、「ポスト・メルケル」では米独が緊密化する場面ができるのだろうか。

 


(2)「マース氏は、「欧州主権」を訴え、欧州は独立性を維持する必要があると述べた。「必要に応じて独立して危機に対応する」ことを欧州は主眼とするべきだが、これは大西洋パートナーシップの後退を意味するものではないと強調した。安全保障上の利益を独自に守る努力をする欧州だけが、米国にとって魅力的なパートナーだとした。マース氏は、欧州各国は米国の国際問題への関与を減らすことに備えなければならず、米国のこの姿勢は大統領選の結果によって変わることはないとした」

 

NATOは、いつまでも米国の負担で存在するのは限界があるという認識である。米国に過重な負担を強いることなくNATOが、「必要に応じて独立して危機に対応する」心構えを主張している。これまでの米国による「おんぶにだっこ」を是正すべきという主張だ。それが、中国に対する正しい戦略をもたらすという意味でもあろう。

 

(3)「欧州は、欧州における共同防衛能力の構築に引き続き注力すべきだとした。今こそ大西洋横断パートナーシップ関係が再開される時だ。北京とモスクワ、テヘランと平壌は、私たちの対立を利用している」とマース氏は語った。さらに、米欧が中国に対処する積極的な方法として、人権や公正な貿易、強制的な技術移転や国有企業(補助金問題)への対応など、新しい基準を設定することを提案した

 

米欧が、中国に対して次のような基準を設けた提案をすべきとしている。

人権

公正な貿易

強制的な技術移転

国有企業への補助金問題

 

米欧は、これらの基準を設けて中国へ共同の要求を出すべきとしている。これまでは、米国が一国で中国と交渉してきたが、今後は米欧が一体になって対応すべきというのだ。中国にとっては、逃げ場がなくなる。