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韓国は、日本が新政権になったのを捉え、日韓「友好ムード」をかき立てている。国家情報院長や韓日議員連盟代表を訪日させるなど、あの手この手を使ってきた。東京五輪に全面協力を謳い文句にし、北朝鮮選手団を出場させる努力をする。その際、金正恩氏が訪日すれば、懸案の拉致問題解決への糸口が掴めるのでないか。こういう「バラ色」の話を持込んできたのだ。

 

韓国の真の狙いは、四面楚歌に陥っている韓国外交の立直しを、東京五輪で実現しようというものだ。遮断されている南北関係の復活。旧徴用工問題で対立する日本との関係改善。そのためには、徴用工問題を凍結する。だが、日本側は「徴用工問題について、韓国側で解決案を出すことが前提」と原則論に終始している。韓国は、日本に白旗を掲げた形である。日本は、「二度と騙されない」と警戒心を解かないのだ。一度目の騙しは、韓国による日韓慰安婦合意の一方的な破棄である。

 


『中央日報』(11月20日付)は、「安倍氏も離れトランプ氏も離れて」と題するコラムを掲載した。筆者は、同紙のユン・ソルヨン東京特派員である。

 

先週、朴智元(パク・ジウォン)国家情報院長のほか、金振杓(キム・ジンピョ)議員ら韓日議員連盟所属国会議員が日本を相次いで訪問した。朴院長は「両国首脳が、韓日関係を改善するべきだということで意見が接近している」として、(韓国における)年内の韓日中首脳会議開催に菅首相出席を促す信号を送った。

金振杓議員は「強制徴用問題はしばらく凍結しよう」という破格的な提案までした。日本被告企業の資産現金化が当面進行しないという一種の「モラトリアム宣言」だ。手を使うという話ではないが、被害者側でもこのような提案に反発しないでいる。東京に赴任した過去3年間、このように前向きなメッセージが一度に出てきたことがあったかしらと思うほど積極的なアプローチだ。



(1)「日本側の反応はすっきりしない。核心懸案である強制徴用被害者の賠償問題に対して、日本が受け入れられるほどの具体的な提案が出てこなかったという理由だ。菅義偉首相が朴院長、金議員一行と広く会ったことは「単に米国を意識したジェスチャー」という分析も出てきた。バイデン当選者側に「われわれもやるだけのことはやった」というところを見せるためのものにすぎないということだ」

 

日韓関係は、形の上では「友好国」である。その韓国から訪日して日本側の首脳陣と面会したいという申入れがあれば、これに応じるのが外交儀礼である。日本が、米国を意識して行っているジェススチャーではない。

 

韓国は、大きな誤解をしている。韓国が提案した東京五輪に協力することや、徴用工問題凍結は、徴用工問題の抜本的な解決になんら資するところがないのだ。いずれも、一時的な事柄である。韓国が昨年、東京五輪問題で何を言っていたか。「東京五輪ボイコット」を主張していたのだ。その韓国が掌返しで、協力するというのだ。日本が、素直に受け取れないのは致し方あるまい。

 


(2)「日本政府関係者は、韓日局長級会議の再開と相次ぐ韓国高官要人訪問に対して「強制徴用問題の解決とは関連性が1ミリもない」と言って最初から期待をバッサリ切り捨てた。「文在寅(ムン・ジェイン)-菅義偉(共同)宣言」の提案に対しては、「非現実的」「東京オリンピック(五輪)に協力するというのは北朝鮮関係に利用しようとする魂胆ではないか」という話まで出ている。メディアは、「日韓関係を健全に戻していくきっかけを韓国側がつくってほしい」という菅首相の発言にあるという点を強調した」

 

韓国は、これまでの反日で何を発言したか。すべて忘れている風を装っている。昨年7月からの政府煽動の「反日不買運動」は、度を超したものだった。それが今、韓国の外交的な利益を求めて「韓日友好」と叫んでも、日本は戸惑うばかりだ。

 

(3)「菅政権から韓日関係を見るには、「韓日慰安婦合意」に言及せざるをえない。2015年安倍政権に官房長官だった菅首相は合意締結過程を裏側で仔細に見守った。安倍首相を説得して成功させた慰安婦合意が紙切れになってしまった事件は、菅首相に「トラウマ」として残っている。韓日関係を改善するということは、このトラウマを正す過程だ。一気に解決されることも、不信をすっかり払拭することも期待できない。忍耐力を持って、そして誠意を持って接近しなければならないのはこのためだ」

 

文政権が、日韓慰安婦合意を一方的に破棄したことで、日本から見た韓国は「信頼度ゼロ」の国である。真面目に合意した事項が、政権交代で反古になる。まさに、革命政権と同じ非合法な手段を弄したのである。その文政権が、「韓日友好」と言ってきてもにわかに信じがたい話だ。日本が、警戒するのは当然である。