あじさいのたまご
   

中国は、GDP統計まで改竄する国だ。国内では、社債の格付けなどインチキそのものが横行している。トリプルA(AAA)という格付け最上級を得ていた国有石炭会社、永城煤電控股集団が11月11日、債務不履行に陥った。中国政府が、社債市場の抱える問題について調査を始めることになり、中国社債市場の構造的な歪みが表明化している。

 

『ロイター』(11月20日付)は、「永城煤電のデフォルト、中国債券市場の欠陥を浮き彫り」と題する記事を掲載した。

 

中国当局が国有石炭会社の永城煤電控股集団の債務不履行(デフォルト)について調査を始めたことで、中国の社債市場が抱える問題が明るみに出る形となった。

 

(1)「同済大学のWang Qian教授(金融)は、債券投資家の最近の「質への逃避」は債券市場のインフラの欠陥を浮き彫りにしたと指摘した。銀行が融資先の企業が発行する債券を引き受け、企業はその資金を借り入れの返済や借り換えに回すという銀行間市場の一般的なモデルに疑問が投げ掛けられたという。ある債券ファンドマネジャーは「一部の銀行は融資したくない企業の債券を引き受けている」と語った。Wang氏は、企業は借り入れの返済ではなく、事業活動のために債券を発行すべきと述べた」

 

出鱈目な社債がデフォルトに陥っているのは、中国政府に責任がある。企業の銀行借入れを抑制すべく、社債に切換えさせたという経緯がある。当欄では、借入金を社債に振り返るだけで無意味と指摘した。その脆弱性が、一気に表面化した感じである。

 


(2)「最上級の「トリプルA」格付け取得していた永城煤電の債券がデフォルトとなったことで、中国の格付けビジネスの評価が一段と低下するとの見方を示した。デフォルトした債券の9割以上は返済不能となった時点の格付けが「A」「ダブルA」「トリプルA」などとなっており、債券価格が押し上げられていたという。シティ・リサーチの中国担当チーフエコノミスト、Ligang Liu氏は格付け機関が発行体の信用力を正直に示さなければ、投資家を誤解させていることになると指摘した」

 

デフォルトした債券の9割以上が、「A」、「AA」、「AAA」の格付けを得ているという。高い格付けが、実態を表わしていなかったのだ。これは、中国格付け会社が、相手企業から賄賂を掴まされて甘い格付けをしたのであろう。もう一つ、暗黙裏に政府保証がついていたことだ。財務内容を精査せずに行った格付けである。

 


(3)「これが世界の投資家が中国のソブリン債に殺到する一方で、利回りの高い中国の社債を避けている理由の一つとなっている。ロベコ(香港)のシニア信用アナリストTiansi Wangは、中国本土の市場には投資しないと述べ、「市場でリスクのプライシングが正しく機能していない」ことを理由に挙げた」

 

中国の社債格付けは、インチキである。このことから、世界の投資家は国債を購入しても社債は避けている理由である。こういう社債格付けが出鱈目であるのは、過去からも指摘されてきた話だ。

 

『ロイター』(2016年6月28日付)は、「中国の社債、格付け巡る懸念で外国人投資家は慎重姿勢」と題する記事を掲載した。

 

中国は社債市場を外国人投資家に開放したが、国内の格付け機関が設定した格付けを巡る懸念から外国人投資家はまとまった資金の投入を手控えている。国内の格付け機関により中国企業の約80%は「AA」以上の格付けを付与されている。主な理由は、政府がこれまで滅多に企業に債務不履行(デフォルト)を認めなかったことにある。

 

(4)「外国の格付け機関が格付けを設定できる中国の債券は少数にとどまっている。しかし外国の機関が格付けを付与している企業を見ると、国内格付けとの差は際立っている。この点も、外国人投資家が中国の社債市場に慎重な姿勢を取る理由だ」

 

中国は昨年、米国の格付け企業の中国進出を認める方向になったが、具体的内容は曖昧にしている。中国国内で競争がないから、インチキ格付けが流行っているのだ。

 

(5)「マニュライフ・アセット・マネジメント(台湾)のファンドマネジャー、ペニー・チェン氏は、「われわれは中国国内の格付け機関による格付けは決して採用しない。国内格付け機関の格付けでは、優良企業と問題企業を区別できない」と述べた。香港のあるファンドマネジャーは、「中国の社債は大半が外国の格付け機関による格付けがないため、われわれは中国の社債には非常に慎重であり、必要に迫られていない限りは手を出さないようにしている」と打ち明けた。

 

ここに、中国格付けのインチキさが暴露されている。日本国内で、中国の社債を買うのはいかにリスクを伴うことか。留意すべきである。