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文大統領は残り少ない任期で、少しでも実績を上げなければならない切羽詰まった段階に追込まれている。日韓関係膠着状態を脱するのもその一つだ。来年7月開催の東京五輪は、文氏にとって千載一遇の機会である。東京五輪という平和の祭典に協力する名目で、北朝鮮へ共同チームの編成を呼びかける。日本政府が招待するだろう米国大統領訪日。あるいは、北朝鮮首脳部の訪日があれば、韓国には願ってもない外交展開のチャンスが訪れる。

 

こういう夢の外交舞台を整えるべく、韓国は駐日大使を更迭することになった。韓国大統領府は23日、新任駐日大使に姜昌一(カン・チャンイル)元民主党議員(現韓日議員連盟名誉会長)を内定したと、報道官が明らかにした。



『中央日報』(11月23日付)は、「駐日韓国大使に内定の姜昌一氏『私を大使として派遣するのは韓日関係改善しようとする韓国政府の強い意志』」と題する記事を掲載した。

 

駐日韓国大使に内定した姜昌一(カン・チャンイル)韓日議員連盟名誉会長が、自身が駐日大使に内定したのは韓国政府の韓日関係を改善するための意志の表れだと明らかにした。

(1)「姜名誉会長は駐日大使内定の事実が発表された23日、韓国紙ソウル経済との電話で「私を大使として派遣するのは韓国政府が韓日関係を改善しようとする強い意志ではないかと思う」とし、韓日関係に対し「両国政府に意志があるならば改善できる」と話した」

 

姜氏は、この5月の総選挙を機に議員を引退した。韓日議員連盟会長を経験しており、現在は名誉会長である。現役時代から、韓国与党のような「反日」一本槍でなく、日韓融合を求める柔軟な姿勢を見せてきた。下線のように、韓国側における日韓関係改善の先兵として活動する意気込みを見せている。

 


(2)「韓国大統領府の報道官はこの日午後に人事内容を発表しながら、「姜氏は東京大学で修士・博士学位を受け、学界で長く日本について研究した歴史学者。国会議員を4期務めたキャリアのある政治家で、議員活動期間に韓日議員連盟幹事長と会長を歴任した日本通」と評価した。その上で「対日専門性と経験、長期にわたって積み重ねてきた高官級ネットワークを基に冷え込んだ韓日関係のこじれを解きほぐし、未来志向的両国関係に進む契機を用意するものと期待する」と明らかにした」

 

姜氏は、東京大学で博士号を取得している。その意味で、単なる日本通の域を超えて、日本に多くの知人・友人がいるはずだ。そういうネットワークを生かして、乱れに乱れた日韓の糸をほぐして、中立的立場で「日韓復縁」実現の役柄を努めるであろう。

 

姜氏は昨年7月、日本が「半導体3素材」の輸出手続き規制強化を発動した際、韓国与党の会議で注目すべき発言をしている。韓国政府の旧徴用工問題について韓国政府を批判した。

 


「『われわれ大韓民国政府も原則と名分にこだわって時期を取り逃がしてしまった部分がある。これが昨年(2018年)12月から続いてきたことではないか。ここで政治的原則と名分を持って政治的問題を解いていかなければならなかったのに…。我々が被害者団体と対話をして意見を取りまとめる間に時期が過ぎてしまった』と話した」(『中央日報』2019年7月4日付)

この発言は、韓国政府が事態の収拾に乗出さなかったことを批判したものだ。当時の「共に民主党」李海チャン(イ・ヘチャン)代表は、姜氏が韓国政府の批判発言をすると、演説を止めるよう指で「X」サインを2回も送った様子が写真で報じられた。

しかし、姜議員は発言を続けた。「一つだけ、韓国外交部が発表した。『両企業』(韓国と日本の両国企業の自発的拠出金で財源を作って強制徴用被害者に慰謝料を支給する方案)の良い提案をした。日本が一言で拒絶したが、どうにかして多くの日本の人々に韓国政府、国会も韓日関係を解決しようと努力しているということを知らせてきた」と言って発言を終えた。

 

前記発言はその後、韓国国会の前議長・文氏の提案として、韓国政府も関わる形で、日韓の民間募金を原資にする「代位弁済」という形にまで昇華したが、文大統領の拒否で潰えてしまった。日本政府は、この案に暗黙裏に賛成の方向であった。

 

姜氏は、文大統領に批判的な目も向けて、次のように発言している。昨年11月、韓国がGSOMIA(日韓軍事情報包括保護協定)破棄を一時的に中断すると決めた後である。

 

「文大統領は原則を持って進めた。そうしながらも柔軟性を持って政策を決めたと見ればよい。文大統領は原則主義者だ。政治は原則だけではいけない。大統領は国益を考えなければいけないため、融通性も見せなければいけない

 

文大統領は、姜氏が自分に批判することを知った上での駐日大使の内定であろう。苦言も聞き入れる覚悟を決めた上での人事かも知れない。