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西村経済再生担当相は25日、有識者らによる新型コロナウイルス対策分科会後に記者会見し、強い危機感を発表した。分科会全体として強い危機感が共有されたとしたうえで、「この3週間が勝負だと。いまの感染拡大を抑えられるかどうか。その大事な、大事な3週間だということだ」と訴えたのだ。これまで日本政府は、日本的な防疫体制で新型コロナに立ち向かってきたが、コロナ第3波襲来で医療機関が収容能力を超える瀬戸際にあることを国民に訴えている。

 

にわかに危機感が強まっているが、11月23日までのデータによって、米国経済通信社『ブルンバーグ』が、COVIDレジリエンス(耐性:回復力)ランキングを行った。それによると、日本は世界2位という好成績を収めている。この実績に自信を持って、これからの3週間を乗り切ろう。必ず、乗り切れるはずだ。

 

『ブルンバーグ』(11月25日付)は、「コロナ時代、世界で最も安全・危険な国・地域-レジリエンスランキング」と題する記事を掲載した。

 

ランキングは、経済規模が2000億ドル(約20兆9100億円円)を超える53の国・地域を10の主要指標に基づいて点数化した。その基準は症例数の伸びや全体の致死率、検査能力、ワクチン供給契約の確保状況などだ。国内医療体制の能力、ロックダウン(都市封鎖)などコロナ関連の行動制限が経済にもたらす影響、市民の移動の自由も考慮した。こういう総合的な評価において、日本が高得点をマークしたのは、大いに自信を持つべきであろう。

 

1位 ニュージーランド 85.

2位 日本       85.

3位 台湾       82.

4位 韓国       82.

5位 フィンランド   82.

6位 ノルウェー    81.

7位 オーストラリア  81.

8位 中国       80.

9位 デンマーク    77.

10位ベトナム     74.

 

(1)「ランキング2位は日本だが、1位のニュージーランドと異なる道を歩んだ。日本にはロックダウンを強制する法的手段がないが、別の強みを素早く発揮した。過去に結核が流行した日本は保健所制度を維持しており、追跡調査が新型コロナでも迅速に採用された。高いレベルの社会的信頼やコンプライアンス(法令順守)を背景に国民は積極的にマスクを着用し、人混みを避けた」

 

日本人特有の「人に迷惑をかけるな」という自己規制が、他国のようなコロナ蔓延を防いでいるのかも知れない。だが、国内の移動が精神的に自由になると共に、日本列島全体が再び警戒信号を打ち出す雰囲気になってきた。この「信号弾」が、必ず、自主規制効果を上げるだろう。

 

(2)「米国や英国、インドなど世界で最も優れた民主主義国家の一部が後れを取った一方で、中国やベトナムなど全体主義的な国家が新型コロナウイルス抑え込みに成功したことは、民主的な社会がパンデミック(世界的大流行)への対応に適しているのかという疑問を投げ掛ける。しかし、ブルームバーグCOVID耐性ランキングはその疑問を否定する。トップ10のうち8つは民主的な国・地域だ。悪影響を最小限に抑えて新型コロナを封じ込めることに成功している政府は、市民に命令し服従させる力によってではなく、高い信頼と社会のコンプライアンスを引き出すことによってそれを可能にしているように見受けられる」

 

市民に命令を下す社会よりも、高い信頼関係に結びついた社会は、「他人に迷惑をかけない」という自己規律が生まれる。中国のような規制社会では、必ず抜け駆けが始まる。この差が、社会の発展において大きな違いを生むのであろう。

 


(3)「メルボルン大学で世界疾病負担(GBD)グループのディレクターを務める アラン・ロペス名誉教授によれば、社会的結束もこのパンデミックへの対応の成否を分ける要素だった。市民が当局とその指針を信頼している場合、ロックダウンは不要かもしれない。日本や北欧の社会を見ると、不平等がほとんどなく、非常に規律が行き届いていることが分かる」とロペス氏は述べた。「これが、国としてより結束した対応につながり、優れたコロナ対応ができた理由だ」と分析した」

 

このパラグラフで、日本は北欧並みの規律がよく行き届いている社会と評価されている。いささか「褒めすぎ」でないかと思うが、海外からそう見られているならば、これから3週間は期待に応えて頑張らなければならない。

 

 (4)「米国から効果的な対応が見られなかったことが、今回のパンデミックで最も驚くべき展開の1つだった。超大国の米国が感染者数と死者数で世界最多となり、危機への対応は最初から出遅れていた。医療機器および個人防護具(PPE)の不足、検査と追跡システムにおける協調の欠如、マスク着用の政治問題化など不備が目立った。トランプ米政権はむしろ、治療とワクチンを主に重視した。「ワープ・スピード作戦」と銘打った取り組みの下、ワクチンを開発する製薬会社などに約180億ドルを配分した。一方、国内の各州は危機対応のための資金を求めていた」

 

米国は、科学の国であるから治療とワクチンを重視した。ワクチンを開発する製薬会社などに、約180億ドルを配分するという偏りがあった。

 

(5)「この異例な対応が、ブルームバーグのランキングで米国の順位を上げた。感染者と死者数の多さから、この点がなければ米国の順位はさらに11段階下だっただろう。メッセンジャーRNA(mRNA)という技術に基づくワクチンは米国で来月にも緊急使用許可(EUA)を得られる可能性があり、このワクチンの際立った有効性が転換点となるかもしれない」

 

メッセンジャーRNA(mRNA)という遺伝子を注射し、これが体内で免疫力を作り出しコロナを封殺する、「人類初めて」の実績を上げた。体内が医薬品工場になるようなシステムである。多分、来年のノーベル賞候補に挙げられるほどの実績であろう。この手法が成功したので、ガンやリュウマチなどの免疫力低下によって引き起こされる疾病治療に道を開いたと専門家は見ている。これを支援したきっかけは、米国に生まれた30人のボランティアが、米国政府へ強く働きかけた成果である。米国ならではの「自由な社会」が、生み出した快挙である。