a0960_008564_m
   

中国の王毅外相は、26~27日にわたり韓国を訪問した。その前日は、日本訪問であった。その際、王氏は日韓でそれぞれ挨拶している。日本は、「一衣帯水」、韓国は、「守望相助」と言ったのだ。「一衣帯水」は、平和共存を強調して使った言葉。守望相助」は、隣村同士、外敵の侵入に対抗して共に守り互いに見張りをしながら助けるという意味だという。

 

韓国では、中国が日本よりも韓国に親近感を持っていると大喜びした日に、導入した中国製の監視カメラが、とんだ食わせ物であったことが発覚した。導入先の韓国軍の情報が、すべて中国へ転送されるマルウェアが仕組まれていた。何が、守望相助」か、と新たな怒りを買っている。

 

『朝鮮日報』(11月27日付)は、「韓国軍の監視カメラに遠隔アクセス可能 中国に映像流出しかねず」と題する記事を掲載した。

 

韓国軍の配備した監視カメラシステムが、中国に情報が流出し得るように設計されたものだったことが判明し、大きな波紋が広がっている。

 


(1)「韓国国防部(省に相当)は26日、「納入された監視カメラシステムからこのような事実が発見され、緊急措置を取っている」とし「監視装置はまだ稼働しておらず、実際に軍事機密が流出してはいない」とコメントした。だが韓国野党は「軍事安保支援司令部が実施した海岸警戒システムに対する調査の結果、随所でセキュリティー上の弱点が明らかになった」と批判した」

 

中国企業が納品した韓国軍の監視カメラなど警戒地域の監視装備から軍事機密流出の恐れがあるマルウェアが発見され、緊急措置を取っていることが分かった。マルウェアを分析した結果、保存ルートを任意に変更し、情報を別の装置に保存でき、遠隔アクセスが可能になるようインターネット網が開かれており、第3者がシステムに簡単に侵入することができた。このマルウェアと連結されたサーバーが中国・北京にあることが確認された。これは、『東亜日報』の報道である。

 

韓国によって、ここまで突き止められると、中国はグーの音も出まい。ファーウェイの「5G」にマルウェアが仕組まれていることは、すでに既知のことになったが、監視カメラにもこのマルウェアが仕組まれていたとは恐怖である。米陸軍でも中国製監視カメラを導入して、同じマルウェアを発見している。韓国軍が、こういう情報に疎かったとは驚きである。



(2)「安保支援司令部が警戒システムの脆弱点を点検した結果によると、中国製の核心パーツを使った215台の監視カメラ全てが中国の悪性コード流布サイトに接続するよう設定されていた。このサイトを通して悪性コードが流入したら韓国軍の映像情報が中国など外部に筒抜けになりかねない、ということを意味する。また、韓国軍の監視カメラシステムに遠隔アクセスできるようになっていた。非認可ユーザーが監視システムに侵入できる、ということだ」

 

この監視装備の設置は完了したが、実際の運用はまだ始まっていない。現在、運用中の監視装備をすべて緊急調査しなければならないと、韓国軍は大騒ぎだ。

 

(3)「映像情報の保存先もUSBメモリーなど他の装置に変えることができた。誰が、何の目的でこれを設置したのかは確認されなかった。高麗大学情報大学院の鍾仁(イム・ジョンイン)教授は「個別の監視カメラを管理するシステムが悪性コードに感染したら、韓国軍の監視システム全体がコントロール、操作、歪曲(わいきょく)されかねない」と語った。

 

韓国の中国への警戒心の甘さを示している。米国では、昨年はじめにファーウェイ「5G」のマルウェアに気づき中国製監視カメラ全体への警戒が広がった。中国製車両にも秘かに監視カメラが据え付けられていれば、米国要人の列車移動を察知して、テロ事件すら引き起されるという警戒にまで発展した。これが、正常な警戒心である。