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中国では、「11月11日」(W11」)を独身の日と称して、インターネット通販が大きな評判を呼んでいる。その裏で、顧客からのキャンセルが自由であることが思わざる負担を招いている。出品業者にとっては、キャンセルに伴う返金業務負担がかかるのだ。売上高の大きさだけを話題にされるが、キャンセルによる返金業務で業者は泣かされている。

 

『レコードチャイナ』(11月30日付)は、「中国最大級の小売キャンペーン「W11」、その裏で注文キャンセルの嵐?」と題する記事を掲載した。

 

今年も大きく盛り上がった中国EC(インターネット通販)最大級のキャンペーン「W11」。毎年11月11日アリババ系列の淘宝網(Taobao)や天猫(Tmall)、そのライバルの京東(JD.com)や拼多多(Pinduoduo)など、EC全体が激安キャンペーンを展開する超巨大商戦。2020年も昨年を上回るオーダー金額となったW11でしたが、実はその陰ではメーカーにとっては容易ならざる事件が起こっていました。

 


(1)「天猫(Tmall)が公式微博(ウェイボー)アカウントで公表した 今年のW11における最終オーダー金額は4982億元(約7.9兆円。京東(JDcom)も公式ウェイボーで、オーダー金額が2715億元(約4.3兆円)記録したことを発表しています。W11に関しては、日本でも大きく報道され、例年の巨大な売上額がさらに増えたと思われています。それは間違いないのですが、実はその陰で商品を販売するメーカーにとっては別の喜べない事態が発生しています)

 

今年のW11の販売額は、「天猫」が約7.9兆円、「京東」は約4.3兆円と発表されている。だが、キャンセル金額を差し引いていないので、純売上がいくらであったかは不明である。

 

(2)「それは、「キャンセル」「返金」対応です。その対応に追われている様子が、中国メディア『中国商報』(11月16日付)で「W11セール商品発送前に返金、このような割引悪用をどう思いますか」として報じられています。中国の小売業界、特にECでは「7日間の無条件返品」が消費者の権利として認められています。そのため、消費者が手に取って中身を確認しても満足いかない場合、購入を後悔した場合は返品が可能。しかし、今年起こっているのは、メーカーが商品を発送してからの「返品・返金」ではなく、W11が過ぎた瞬間に起こる、まさに発送準備をしているさなかでの「キャンセル・返金」だったと記事は伝えているのです」

 

インターネット通販では、「7日間の無条件返品」が認められている。W11では、消費者がこの特典を生かして、意図的に11月11日の翌日、「返品・返金」を申入れてくると言うのだ。出品業者にとっては、「いざ、発送」という段階でキャンセルが発生するもの。「意図的」という理由は、あとのパラグラフで説明したい。

 


(3)「理由はいくつか考えられますが、記事ではセールを盛り上げる数々の割引システムだと指摘しています。詳しく説明すると、W11シーズンにはプラットフォーム側が「〇〇元購入ごとに〇元値引き」というサービスを多く展開します。その種類は極めて豊富で、かつ複数サービスの同時利用が可能。さらには「紅包」と呼ばれるラッキークーポンも併用されるため、その計算は非常に難解になっています。しかも、その複雑さは年々レベルアップしており、2019年にはその計算方法を勉強する「天猫大学」なるものが開設されたこともあるほど」

 

消費者が、セールスの割引システムを悪用する目的で、ポイントだけ稼ぎそれを達成した後、「返品・返金」ラッシュを生んでいる。

 

(4)「記事によると、一部の消費者は割引の条件を満たすまで様々な商品を買い、決済額を確定させてから、11日を過ぎた時点で不要なものだけキャンセルする、という割引システムを悪用した買い物を行っていたとのこと。このキャンセル対応の多発によってメーカーは面倒な返金の手間を強いられ、配送作業も止める必要が生じ、それに大わらわということなのです。莫大な売上額ばかりが注目されますが、こうした返金額を差し引いてW11の純売上はどのくらいだったのか、というのはまさにブラックボックス。複雑化するキャンペーンが今回の大混乱にも関わらず、今後も続くのかもまた、闇の中です」

 

個々の商品にポイントをつけて、総額にさらなるポイントを加えるから、こういう「まやかし売上」を発生させるのだろう。総額ポイントを中止することが、混乱を防ぐ方法だ。「アマゾン方式」に戻せば問題は解決される。