a0960_008564_m
   

文政権は、尹錫悦(ユン・ソクヨル)検察総長解任に向けて強硬策を取ることが分かった。4日に懲戒委員会を開催する方針を明らかにしたからだ。一方、検察は月城原発のデータ改ざんを伴う違法な操業停止が、国家へ大きな経済的損失を伴うので、あくまでも解明する方針を貫いている。政権は、この事件が公になると致命傷になるので阻止する構えである。政権を巡る一大スキャンダルに発展しそうである。

 

ユン検察総長は1日、職務に復帰した後、翌2日に月城原子力発電所1号機の経済性評価ねつ造疑惑を捜査している大田地検に対し、産業通商資源部の関係者3人の逮捕状請求を承認した。これに反発する与党は、懲戒委員会で解任できなければ、国会で弾劾すると息巻いている。

 


『ハンギョレ新聞』(12月3日付)は、「韓国大統領府、検察総長の懲戒委員会を強行 総長、原発捜査の拘束令状請求を承認」と題する記事を掲載した。

 

(1)「文在寅(ムン・ジェイン)大統領は2日、空席になっている法務部次官に、判事出身のイ・ヨング弁護士を内定した。空席を埋める通常の人事ではなく、ユン・ソクヨル検察総長に対する懲戒手続きの進行に重点が置かれたワンポイント人事だ。前任者のコ・ヨンギ次官はユン総長に対する懲戒に反対し、1日に辞任した」

 

文大統領は、空席になった法務次官をすぐに指名し、ユン検察総長の解任を進めるべく懲戒委員会を開かせる準備を進めている。この時点で、文氏の責任は明白になった。

 

(2)「これに対抗し、ユン総長は、職務復帰のわずか2日目のこの日の午後、大田(テジョン)地検が捜査中の「月城(ウォルソン)原発1号機経済性操作」疑惑事件の被疑者である産業通商資源部の公務員らの事前拘束令状請求を承認した。復帰したとたんに与党側にとって敏感な捜査を指揮したことで、ユン総長と与党側の対立はさらに激しくなるものとみられる」

 

ユン総長は、政権の思惑と離れて国民的課題の月城原発1号機の経済データねつ造事件の解明に取り組む。月城原発1号機の経済性評価ねつ造疑惑を捜査している大田地検は同日、産業通商資源部の局長、課長、書記官ら3人について、公用電子記録等損傷、監査院法違反などの疑いで逮捕状を請求したことを明らかにした。

 


法曹界からは「原発の資料を大量に削除した問題の公務員が逮捕されれば、白雲揆(ペク・ウンギュ)元産業通商資源部長官をはじめ、青瓦台など上部に捜査が及ぶことになる」との分析が聞かれるという。『朝鮮日報』(12月3日付)が報じた。大統領府では尻に火がついてきた形だけに、是が非でもユン総長を解任して月城原発捜査を中止させたいのだろう。

 

(3)「懲戒委員会を開いても、イ次期次官は懲戒委員長を引き受けないとみられる。懲戒委員の一人として表決にだけ参加させ、会議進行など結論を導き出す過程には介入することができないようにするということだ。大統領府高官は、「次官が委員長を引き受ければ、『判事出身のチュ・ミエ法務部長官の側近が懲戒を主導する』という非難に巻き込まれかねない。懲戒委員長に別の人を選任するようにという指示事項が法務部からすでに下されている」だと伝えた」

 

懲戒委員会で、次期法務部次官は懲戒委員長を引き受けないという。政権側は、こういう形式論で、懲戒委員会→解任という手続きの正統性を維持できると考えている。だが、先に下された行政裁判所の判断は、任期2年で再任のない検察総長について、検察の独立性を守る意味からも解任について否定的見解を述べている。この判断について、政権側は全く注意を払っていないのだ。仮に、解任してもその後の提訴で、政権側の敗北が予想される。無駄なことに力を浪費していると言うほかない。

 


(4)「大統領府のこのような立場は、懲戒委員会の結論がどのように出ても、その余波が文大統領に及ぶ状況は避けるという意図だと解釈される。ユン総長の懲戒に否定的な世論が優勢な状況で、解任などの重い懲戒が下された場合、場合によっては、政治的・道徳的な非難がチュ・ミエ長官を越え文大統領に及ぶことがありうるからだ。懲戒請求が否決される場合も同じだ。責任論が広がり、レームダック(任期末期の権力喪失)が加速化される状況を防ごうとするならば、政治的責任はあくまで懲戒を主導したチュ長官が負わなければならない」

 

文大統領は卑怯である。懲戒委員会の結論がどう出ようと、責任はチュ法務部長官が引き受けるべきとしている。こうなると、大統領は何のために存在するのかという根源的な問題に突き当たる。文大統領には無関係という立場を取っているからだ。

 

(5)「これは、“チュ・ミエ長官とユン・ソクヨル総長の対立”の局面で大統領府と文大統領が徹底的に沈黙を守ってきたことと同じ脈絡だ。大統領の沈黙は、「懲戒には一切介入しなかったので、結論がどう出ても私の責任ではない」という政治的不在証明の観点で計算された行動だったといえる」

 

下線部は、驚くべき文氏の「保身の術」である。これまで沈黙を保ってきた理由が、自分に責任はないという言い逃れの根拠にしようとしてきたのだ。絶句するほかない。これが、韓国の大統領なのだ。