文政権の持つ潜在的危険性を露呈

素人集団「86世代」が権力中枢

北朝鮮の「チュチェ思想」に固執

韓国「ドン・キホーテ」の結末?

権力は絶対に腐敗するという教訓

 

現在の韓国社会は、コロナ第3波に襲われながらワクチン手当が完全に出遅れ、無力感に襲われている。文在寅(ムン・ジェイン)政権が「K防疫モデル」を喧伝していたので、国民は素直にそれを信じていたのだ。現実はそれと裏腹で、「K防疫モデル」の破綻を示している。感染者数が、増加の一途である。病室・治療スタッフの不足にも悩まされている。

 

文政権の支持率は現在、40%台を割ったままだ。35%を割れば、文政権も歴代政権と同じレームダックが不可避となろう。その瀬戸際に追込まれている。

 

韓国の世論調査では、ワクチン接種に積極的という比率が80%台と極めて高い。日米の60%台をはるかに上回っているのだ。それだけに国民は、英米のワクチン接種のニュースをどんな気持ちで聞いているか。十分に焦燥感が想像できる。こうした不満と不安が、ワクチンを巡る「怪情報」を生んでいる。

 

今回のコロナ大拡散が、来年4月の補欠選挙を狙った陰謀という説だ。わざわざコロナを広めるためにだれが何をし、政府が補欠選挙に合わせて治療剤を出すだろうという、陰謀説が話題をさらっているという。与党が、4月の総選挙で系列政党を含め180議席と6割を占める大勝を勝ち取ったのも、K防疫成功という政府の自画自賛が効いた結果である。これからの連想が、種々の噂を生んでいるのであろう。政府が、再び補欠選挙に勝つために「奥の手」を出すのでないか、というのだ。

 

文政権の持つ潜在的危険性を露呈

文政権支持率を引下げている要因は、K防疫モデルの失敗のほかにもう一つある。ユン検察総長追放劇が、行政裁判所による「停職2ヶ月」停止の決定で白紙となったことである。文大統領裁決による「停職2ヶ月」が覆されたのだ。今年1月から始まったユン検察総長追放劇は、チュ法務部長官が政権にまつわる犯罪捜査を妨害する目的であった。「検察改革」なる機構改革は、政権の犯罪捜査を妨害する意図であったことを明白にさせた。

 

文政権によるユン検察総長追放劇は、裁判所の決定で不発に終わったが、文政権の持つファシズムという民主主義弾圧の危険性を露呈するものだった。文政権は、進歩派を名乗っている。進歩派と言えば、欧米の常識ではリベラル(自由主義)として理解されている。韓国の進歩派は、驚くことに党利党略目的からリベラルを圧殺する危険性を示した。

 

これは、北朝鮮へのビラ散布禁止法の成立でより明確にされた。国連や米国からは、北朝鮮の人権弾圧に手を貸す法律として、厳しい批判を浴びている。米国では、来年1月早々に超党派による議会の公聴会が開催される。韓国の同盟国である米国が、こと人権問題になると、容赦なく追及する姿勢を見せているのだ。文政権が、北朝鮮へ宥和姿勢を取り続けていること。中国への「二股外交」で、米韓同盟にひび割れをもたらすなどの危惧も重なって、文政権は米中選択を迫られる局面を迎えようとしている。

 


韓国メディアによれば、韓国は金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権当時、人権先進国という自負心を抱くことができたという。当時、国際行事に参加すれば、多くの外国人が韓国政府の人権政策と市民社会の高い人権意識を評価した。これは、民主的な方法で軍事政権を倒したという実績があったからだ。今の韓国の人権政策は、国連と国際社会の憂慮と批判の対象になっている。文政権が、前記の金大中政権や盧武鉉政権とは変質している結果だ。同じ進歩派の看板を掲げているが、完全に「羊頭狗肉」と化している。

 

素人集団「86世代」が権力中枢

韓国で現在、50代の「86世代」(1960年代生まれで80年代に大学生活を送った人たち)で学生運動に携わった面々が、韓国大統領府や政府で主要ポストを占めている。市民団体の最大組織である「参与連帯」出身者が60人を超えるという。文政権の権力機関を掌握しているのはソウル大出身者ではなく、これら参与連帯出身者だと言われているのだ。

 

派手な学生運動をやって火焔瓶を投げた武闘派には、ソウル大学という未来の出世を約束されている学生は加わらなかった。他大学出身者が武闘派のトップを占めたのだ。日本でも全共闘リーダーは、東大学生でなく他大学学生であった。韓国の「非ソウル大出身」の人たちはソウル大学を憎み、文政権になって「ソウル大学廃校論」を唱えるほどだった。こういう権力機関と無縁の層が現在、政権を握っているのである。その政策的混乱ぶりは、推して知るべしであろう。(つづく)