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中国の北京や上海で突然の停電が起こっている。中国の停電は、昨年12月からの現象だ。当時は、揚子江の南側の地域で起こっていた。それが現在は、北京にまで広がっている。

 

中国政府が、豪州に難癖をつけて石炭輸入をストップした結果、火力発電所が稼働できないことが停電の理由である。中国の傲慢外交が、ブーメランを浴びた形である。こういう笑うに笑えない事情で、市民がその余波を浴びている。

 

『大紀元』(1月9日づけ)は、「極寒の中国、北京・上海などで再び突然の停電」と題する記事を掲載した。

 

強い寒気に見舞われている中国で、各地は今シーズンの最低気温を記録した。1月6日から7日まで、北京市、上海市、陝西省、山東省などの住民はSNS上で、突然の停電で暖房器具が使えない状況を相次いで訴えた。昨年12月下旬、北京市と上海市のほかに、浙江省、湖南省、江西省、広東省などでも、停電が起きた。

 

(1)「中国中央気象台の発表によると、北京市で6日、最低気温マイナス17度を観測した。今世紀の最低気温を更新した。7日の気温はさらに下がり、マイナス19.6度に達した。厳しい寒さの中、北京市の海淀区、朝陽区、平谷区などでこの2日間に停電が複数回発生した。このため断水や暖房供給の中断があった」

 

日本でも厳しい寒さである。韓国ソウルでは、雪で覆われた道でスキーを持ち出す者まで表われたと報じている。日韓では、幸い停電も起こらないが、電力会社は発電のやりくりで大変のようだ。

 

中国の停電騒ぎは、昨年12月から起こっている。火力発電所の石炭不足が原因である。中国は、豪州とインドネシアから発電用石炭を輸入しているが、豪州へは外交トラブルで一方的に経済制裁を加え、皮肉にも中国へ災いが降りかかっている。中国政府の傲慢が、停電をもたらしたのだ。

 

(2)「北京市の住民は7日、SNS上で「最も恐ろしいことが起きた!気温がマイナス20度を下回った夜に停電、断水、暖房供給の中断に遭った」と嘆いた。一部の北京市民は、2021年に入ってまだ1週間も経っていないのに停電が3回起きたと話した。上海市のネットユーザーは7日夜、続いて同市でも停電が起きたと投稿した。普陀区の住民は「(気温が)氷点下7度なのに、停電」と書き込んだ。住民らは、停電は数十年来、初めてのことだとした。中国メディアによれば、北京市と上海市の電力負荷量は、6日と7日でそれぞれ史上最高となった」

 

氷点下20度とか、同7度と聞くと北海道並みの寒さであろう。そこで、電気が使えないとなればパニックとなる。共産主義国家の中国では、苦情を言えばすぐに警察から睨まれ、後々に何が起こるか分からない。監獄生活であろう。

 


(3)「一方、山東師範大学の学生や河南省の住民らもネット上で、同地域で停電が発生したと訴えた。陝西省靖辺県の電力供給会社は8日に通知を発表し、管内の電力負荷量が急増したために故障が生じ、一部の地区は停電になったと説明した。同省延安市と四川省徳陽市も同日、停電計画の通知を出した」

 

河南省や陝西省でも停電が起こっている。四川省でも停電計画の通知が出ているという。すべて、発電用の石炭不足が原因である。

 

中国の複数のメディアによると、昨年12月中旬に長江よりも南側の浙江省、湖南省、江西省の複数の都市ではここ数年みられなかった大規模な電力不足が発生した。「世界最大の雑貨卸売市場」といわれる浙江省義烏市のある地域では、電力供給が制限された影響で、夕方になると街路灯や商店の看板などの灯りが消えた。義烏のある企業の関係者は、中国紙『紅星新聞』の取材に、「電力供給の制限により、工場は1日稼働してから3日休業している」状況であった。以上は、『朝鮮日報』(2020年12月12月19日付)が報じた。

 

2019年の1年間に中国は2億6500万トンの石炭を輸入したが、うちインドネシア産が53%、オーストラリア産が28%を占めていた。香港紙『明報』は、「中国は昨年からオーストラリア産石炭の輸入を減らし、最近は完全に輸入を中断したため、中国国内で発電用石炭の需給に問題が生じた」と分析している。

 

豪州炭は、中国輸入石炭の28%も占めている。この分が、大幅カットかゼロになっていれば、停電は当然のこと。中国はメンツ上、豪州炭の輸入再開ともいかず、やせ我慢しているのだろう。現在の豪州は真夏である。中国の停電騒ぎをどんな思いで聞いているのか。