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韓国大法院(最高裁)が14日、朴槿恵(パク・クネ)前大統領の再上告審で、懲役20年と罰金180億ウォン(約17億円)を言い渡した原審を確定した。これを受け、朴氏をめぐり4年近く続いた法廷闘争が終わる。朴氏はセヌリ党公認介入容疑で確定した懲役2年を加えた22年の刑期後、2039年に出所となる。現在、68歳の朴氏が刑期満了の時は90歳である。

朴氏は、一連の裁判が終了したので文大統領による赦免問題が現実化する気配である。与党の李代表がすでに、朴前大統領と李明博(イ・ミョンバク)元大統領の赦免について、文大統領に建議したいと発言した経緯もあり、赦免の動きが具体化しそうである。進歩派には根強い反対論もある。ただ、今年4月のソウル市と釜山市の市長選や、来年の大統領選を考えると、元大統領赦免によって「国民統合」を訴え、選挙戦を有利にしたいという思惑も絡んでいる。

 


『中央日報』(1月14日付)は、「『国政壟断』朴槿恵前大統領に懲役20年・罰金180億ウォン確定」と題する記事を掲載した。

 

韓国大法院が14日、前大統領の朴槿恵被告の再上告審で、懲役20年と罰金180億ウォン(約17億円)を言い渡した原審を確定した。朴被告は、セヌリ党公認介入容疑で確定した懲役2年を加えた22年の刑期後、2039年に出所することになる。

 

(1)「法廷闘争が終わったことで、朴被告に対する赦免の議論が始まるという見方も出ている。特別赦免は「刑を宣告された人」という要件を定めているが、朴前大統領はこれで法的に赦免が可能な身分となった」

 

朴氏は、最終的に裁判が終わったので、赦免条件を満たす。すでに、李元大統領も裁判が終わり刑務所に収容されている状態だ。こうして、2人の元大統領の赦免が具体的日程に上ることになった。

 

『中央日報』(1月14日付)は、「全斗煥元大統領も2年で赦免…韓国野党、朴前大統領と李元大統領の赦免要求」と題する記事を掲載した。

 

野党「国民の力」は14日、朴槿恵前大統領に対する大法院(最高裁)の確定判決に対し、「裁判所の判決を尊重し国民とともに重く受け止める」と明らかにした。「国民の力」のユン・ヒソク報道官は口頭論評を通じ、「不幸な歴史が繰り返されないようにするのはいまや私たちみんなの課題になった。『国民の力』は最大野党として民主主義と法秩序を正しく立て直し国民統合に向けた努力を止めないだろう」としてこのように話した。

 

(2)「この日、最大野党「国民の力」の内外では国民統合を掲げて赦免を要求する声も出てきた。朴前大統領は刑が最終確定し特別赦免の要件が備わった。劉承ミン(ユ・スンミン)元議員はフェイスブックに「大統領は赦免を決断せよ。もう国民統合と未来に向かって進まなければならない時だ」と書いた。続けて最近与党「共に民主党」の李洛淵(イ・ナギョン)代表が切り出した赦免論が党内の反発を受けた状況に言及し、「与党と支持者の狭量に大統領は振り回されないことを願う」と書いた」

 

最大野党「国民の力」は、元与党である。朴氏の弾劾を巡る国会議決では、元与党は、親朴派と反朴派と対立し、反朴派が弾劾に賛成して朴氏は失脚した。朴氏が、反対派を冷淡に扱わなかったならば、弾劾は成立しなかったとも指摘されている。すべては、後の祭りになった。「反朴派」は、現在の文政権の行状を見るにつけ、辛い立場に置かれている。

 

(3)「(反朴派の)劉氏は、『赦免するかは国民目線で決める』(13日、崔宰誠政務首席秘書官)という青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)の立場に対しても、「国民目線という口実を探さず選挙に利用する考えもするな」と繰り返し赦免を要求した。朴槿恵政権と対立した彼は弾劾訴追案に賛成票を投じ、朴前大統領支持者らから強い反発を買ってきた」

 

(反朴派の)劉氏は、赦免要求の声を上げている。罪滅ぼしの気持ちであろうか。

 

(4)「同党のキム・ギヒョン議員も、「2人の元大統領に対する無条件の赦免が国の品格を守るために必要だ」とフェイスブックに書き込んだ。キム議員は軍事反乱や贈収賄などにより逮捕され2年余り収監された後に釈放された全斗煥(チョン・ドゥファン)、盧泰愚(ノ・テウ)元大統領の事例と比較し、「李明博(イ・ミョンバク)元大統領は今年80歳、朴前大統領は69歳だ。収監施設では新型コロナ感染者があふれている状況」と懸念する」

 

前と元の2人の大統領が、獄窓に繋がれていると言えば国家の体面に関わる話だ。元国家元首であった立場を考えれば、赦免が穏当な措置であろう。李元大統領ついては無理矢理、立件したとされている。文大統領の執念による投獄である。当の文大統領は、すでに高捜処法によって裁判へ掛けられない準備をしている。自分は逃げ切れると思っているのだろうが、そんなに上手くいくだろうか。