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文大統領は14日午前、離任する富田浩司・駐韓日本大使と会談。その席で「日韓関係の早期復元化」発言をした。この発言には、「主語」が抜けている。韓国が、早期復元化に向けて努力するのか。あるいは、日本に対して要求したのか、が不明である。韓国メディアは、従来と姿勢が異なり、何らかの進展を期待しているが、「空期待」に終わる公算が強い。

 

文氏が、この時点でこのような発言をするのは、目前に迫った米国のバイデン政権発足を前にした「アリバイ」づくりに利用している面が強い。

 

米ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)で、「インド・太平洋調整官」にカート・キャンベル元国務省東アジア次官補が指名された。中国とアジアに関する政策を総括指揮するいわゆる「アジアのツァーリ」になるという見方がされている。キャンベル氏は、基本的に日本を米国のアジア外交における礎石と見なしている人物と韓国は警戒している。

 

キャンベル氏は、中国のパワーを現実として認めつつも、米国に対する挑戦を抑制すべきという考え方である。キャンベル氏が、韓国について「役割の拡大が必要」という認識を持っているという。韓国に対しては、「米国の同盟国として確実な立場を定めよ」という要求に等しい。

 


以上は、『朝鮮日報』(1月15日付社説「『韓米日協力』バイデン外交の前に立つ韓国の『親中・親北・反日』外交」)で強調しているもの。要は、米バイデン政権が、韓国に対して相当な「日韓協力」圧力を掛けてくると見ている。それゆえ、日韓復元ポーズをとらざるを得なくなっているに違いない。

 

『朝鮮日報』(1月15日付)は、「文大統領、離任する日本大使に『未来志向型関係、早期に復元すべき』」と題する記事を掲載した。

 

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が14日、「韓日両国は建設的かつ未来志向的な関係を早期に復元していく必要がある」と語った。文大統領は、日本軍慰安婦被害者に対する慰謝料の支払いを命じた先週の判決の後、韓日関係が悪化の一途をたどっている中で「問題が生じても、両国関係全体が足を引っ張られてはならない」とも語った。対日外交の基調の転換を予告したという分析も出ている。

 

(1)「文大統領は14日午前、離任する富田浩司・駐韓日本大使と青瓦台(韓国大統領府)で会談した。続いて、新たに日本へ赴く姜昌一(カン・チャンイル)駐日韓国大使に信任状を授与した。文大統領は、2019年12月に就任しておよそ1年2カ月間在職していた富田大使が、韓日関係の懸案解決のため努力した点を評価した。その上で「韓日は最も近い隣人にして、共に進むべき最も重要なパートナー」だとし、「両国間のコミュニケーションと対話、交流協力は必ず発展させ続けていかなければならない」と語った。そうして「韓日関係の早期復元」発言を行った。離任する主要国の大使と大統領が会談した例はこれまでもあるが、韓国政界からは、この日の会談は慣例的な慰労という次元を超えたもの、という評価が出ている」

 

下線部分では、確かに「必ず発展させ続けていかなければならない」と強調している。ここには、主語がないのだ。日本に対して注文しているのか。あるいは、韓国の決意を語ったのか。富田氏は、次期米国大使である。米国向けに語ったと見るべきだろう。富田氏の口から米国政府へ伝わるように「計算」しているのだ。

 

(2)「文大統領は、姜大使に信任状を授与する席でも「問題は問題として解決策を探し、未来志向型の発展関係のための努力は別途継続すべき」とし、韓日関係正常化のための努力を頼んだ。外交関係者の間からは、「慰安婦判決のときも特にコメントを出さなかった青瓦台の対日基調がはっきりと変わった」という声が上がった」

 

下線部分も根拠不明である。何を以て、韓国の対日基調が変ったのか不明である。文氏の言動が、あたかも旧朝鮮李朝の「王様」の言動のように扱われている感じだ。

 

(3)「文大統領は昨年末から、韓日関係を復元したいというメッセージを絶えず発信している。東京オリンピックを南北関係復元の動力にしたいという意思と、韓米日協調を重視する米国のジョー・バイデン次期政権に対する意識が複合的に作用したものとみられる。しかし、中南米・アフリカ歴訪中の茂木敏允外相は14日の記者会見で「韓国の裁判所の判決についての問題を各国との会談でも提起した」とし「国際法に基づく対応が重要だという認識を共有した」と語った。韓日両国は、早ければ今週中にも外交当局間の局長級協議をオンラインで実施する案を調整中だ」

 

中南米・アフリカを歴訪した茂木敏允外相は、各国で旧慰安婦判決の不当性を話して来たと言う。ということは、韓国政府が判決後に何らのアクションも起こしていない証拠だ。「空気が変った」という類いの話で外交関係を語れないのだ。