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韓国は文政権登場以来、内政面の行き詰まりが明らかになっている。獄窓に繋がれている朴・前大統領は、韓国の将来に深い憂慮を抱いているという。弁護士接見の際、自分の感じている危機感を吐露したものだ。保守派の立場からみれば、進歩派(民族主義集団)の文政権が朝鮮半島のことしか考えず、世界の動向を無視していることが気になるのだろう。

 

これは、朴・前大統領一人が抱く危機感ではない、文政権支持メディアですら、若い女性が韓国の未来に絶望し「非婚化」こそ、自らの生きる道と思い定め始めていると、警戒感を強めているのだ。それを示唆するデータが出て来た。政権交代待望論である。

 

世論調査会社の韓国ギャラップが1月15日に発表した調査結果によると、来年の次期大統領選挙で「現政権を維持するために与党候補が当選したほうが良い」との回答が39%だったのに対し、「現政権を交代させるために野党候補が当選したほうが良い」との回答は47%だった。来年の大統領選挙では、野党政権に代るべしという意見が47%を占めたのである。

 


『朝鮮日報』(1月16日付け)は、「自国では帝王、海外では仲間外れ」と題するコラムを掲載した。筆者は、同紙の朴正薫(パク・チョンフン)論説室長である。

 

文在寅政権による4年間の政権運営は「内強外弱」という言葉で要約できるだろう。国の内側では帝王のように君臨するが、外の世界では「いじめられっ子」のように一人でうろついている。

 

(1)「労働者が死亡すると、事実上の過失がない場合でも経営者を1年以上の懲役に処することを定めた「重大災害企業処罰法」はその典型だ。この法律を強行した政界関係者が説明できない事実がある。それは世界のどこの国にもこのような法律はないということだ。唯一英国に同じような規程があるそうだが、その英国も法人にのみ罰金を科すだけだ。具体的な過失の有無とは関係なく、経営者個人に対し、それも懲役刑の最低ラインまで決めて処罰する国などどこにもない。産業史に残る世界最初の立法の事例が誕生したのだ」

 

「重大災害企業処罰法」という、世にもまれな法律ができた。労働者が災害で死亡した場合、経営者に責任がなくても1年以上の懲役に処すというもの。労働者保護という狙いだが、中世の暗黒時代を想起させるような法律である。現政権は、時代を逆さまにした立法を臆面もなく連発する。これでは、企業は萎縮してビジネスを止めた方が無難な道となろう。

 

(2)「他国はなぜこの「重大災害法」を制定しないのだろうか。厳しい処罰だけでは労働災害を事前に防げないことを知っているからだ。韓国はすでに労働災害に伴う処罰が十分に厳しい国だ。安全、保健、環境に関する規制を守らず、それによる事故を理由に事業主を処罰する法律は63、罰則の規定は2555に達する。いくら厳しく罰し、強い規制をかけても、現場の意識が変わらなければ意味がない。経営者を刑務所送りにして解決するのであれば、同じような法律は世界の標準になっていたはずだ」

 

文政権の発想では、企業は放っておくと悪いことをするという前提である。企業性悪説である。これが、企業の自律的発展を阻止する要因である。

 

(3)「文在寅政権の政権運営は、世界と別の「われわれ式」が特徴だ。「所得主導成長」は文在寅政権が初めて実行する世界を見回しても前例のない実験だ。もしこれが成功すれば、経済学の教科書を新たに書き換えねばならない。「馬車が馬を引っ張る」と言われる奇跡を実現する結果となるからだ。ただひたすら規制ばかりの不動産政策は、それ自体が世界的に話題となるに十分だ。供給もない状態で不動産価格を押さえ込もうとする政府はこの世の中に存在しないからだ。何でも金で解決する税金万能主義、官主導の「大きな政府」、民間ではなく公共に重点を置く雇用対策など、全てがグローバルなトレンドに逆行するものだ」

 

このパラグラフでは、文政権の経済失政が韓国経済を袋小路に追込んでいる実態をついている。これが失業者を増やし、若者から住む家を奪っている理由である。経済活動に疎い元学生運動家上がりで、「にわか政治家集団」の文政権には手に余る課題なのだ。

 


(4)「どこの国の政府も、自国の企業が競争に勝ち抜けるよう支援する政策を進める。しかし文在寅政権は正反対だ。激しい生存競争に立ち向かう企業に対して政府は後ろからタックルを仕掛けている。文在寅政権は「企業規制三法」として他国には存在しないか、あるいはあまりにも過激な経営権への攻撃手段を導入した。週52時間労働は世界で最も硬直した非弾力的構造として設計された。政府が先頭に立って企業を海外資本の攻撃にさらし、夕方には研究所の明かりを消させた。最初からグローバル競争で落ちこぼれさせるつもりだったかのようだ」

 

文政権は、反日になると目の色を変えて騒ぎ立てる。日本の半導体主要3素材に関する輸出手続き規制強化では、「克日」と称し研究開発費を大盤振る舞いしている。これは例外であり、他はことごとく「企業規制」に走っている。これが、どれだけ韓国企業の体質劣化をもたらしているか、理解できないのだ。

 

(5)「ただ内政に限って言えば、文在寅政権は卓越した手腕を発揮した。政敵を排除し、権力機関を私物化し、大企業の制御権を握り選挙で連戦連勝した。このように国内では非常に勢いのある政権だが、国外では無能の極致を示している。この政府による一連の外交惨事はすでに知られた通りだ。韓米同盟に亀裂を入れ、友好国との関係は破綻した。対北ビラ禁止法が米国議会の聴聞会で取り上げられ、北朝鮮の人権問題では世界で恥をかいている。米国務長官が日本まで来たのに韓国をスルーする事態も起こった」

 

文政権は一口に言って、「内弁慶」政権である。国内では、身内だけを登用し、敵と見た検察トップを力尽くでも引きずり下ろそうとする。海外では、外交がことごとく失敗している。米国とは隙間風、日本とは「どん底」である。ただ、北朝鮮に対しては「隷属姿勢」を強めて傅(かしず)いている。文政権が、最低最悪であることは間違いないであろう。