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日韓の歴史問題が、韓国政権を苦しめている。国内政治事情で「積弊一掃」を掲げ、保守派=親日排撃がブーメランになって今、文在寅氏を一撃する事態となっている。予想外のことが起っているのだ。

 

18日の年頭記者会見で、文大統領は「日韓慰安婦合意は、政府間の協定である」と、その存在を認めた。文政権は発足当初、「協定は条約とどう違うのか」という形式論を議論し、日本に与える韓国の信頼失墜について一顧だにしなかった。それが今、「日韓慰安婦合意は、政府間協定」と言わざるを得ない立場に追込まれた。文氏の完敗である。

 

韓国は、日韓の歴史問題を自ら掘り起こして、その穴に飛びこんで苦悶し、日本に助けを求めている構図である。だが、これまでに繰返されて日韓の歴史問題の経緯を考えると今、下火になってもいつ再び持ち出されるか分からない「相手」であることを忘れてはならない。朝鮮民族のDNAがそうさせている以上、彼らが自ら結論を出すまでほっておくべきだろう。韓国社会は、日本への「劣等感と優越感」が混在している。韓国が、この感情を自ら浄化できるまで、日韓は距離を置くべきであろう。韓国による自然な結論が出るまで、日本は待つべきだ。

 

『中央日報』(1月18日付)は、「韓日指導者、『度量の大きな取引』を試みてほしい」と題するコラムを掲載した。筆者は、朴チョル熙(パク・チョルヒ)/ソウル大国際大学院教授兼国際学研究所長である。

 

(1)「今月8日の慰安婦賠償判決で韓日葛藤が最高潮に達している。慰安婦賠償判決は日本政府を相手取った判決という点で、日本企業を対象にした2018年の大法院(最高裁)徴用賠償判決と質的に異なる。日本政府に対する法的賠償責任を問うている。2015年外交当局間の慰安婦合意を事実上形骸化させた状態で、司法府が出て賠償を要求することにより、実質的に慰安婦合意を原点に戻したも同然だ。外交は交渉と妥協の余地があるが、司法判決は選択の余地も裁量の余白もなく、韓日関係への波紋は大きくならざるをえない」

 

日本の立場は、2015年の日韓慰安婦合意で慰安婦問題は解決済みである。

 

(2)「慰安婦被害者が要求した「公式謝罪」と「法的責任」のうち後者を確定したという点で、国内的には象徴的な判決であることは間違いない。だが、国際的に通用するかは不確定的だ。第一に、慰安婦問題は国際人権の絶対原則に関連するため、主権免除の原則は適用されないという立場は国際法的論争と検証の対象になる可能性がある。日本政府は主権免除の対象という主張を曲げないでいる」

 

日韓慰安婦合意において、日本は謝罪も責任も果たしている。現に、「最終的にして非可逆的」という文言も入っているのだ。韓国は、契約概念が乏しいので、平気で「協定破り」して、さらに「値をつり上げる」悪徳商法そのものの振舞をしている。

 


(3)「第二に、判決を実効的に執行することができるかどうかは疑問だ。日本政府の国内資産を差し押さえようとする場合、国際公法と主権免除の原則が再び問題になる公算が大きい。日本政府の資産に手をつけることになれば、相互主義により韓国側も損害を甘受しなければならず、外交関係の根幹を揺さぶる結果をもたらす可能性もある」

 

解決済みという立場の日本からすれば、韓国が違法行為を働けば、相互主義で韓国も被害を受けて当然である。

 

(4)「第三に、日本は2015年慰安婦合意によって、日本政府の予算を投じた「和解癒やし財団」を通じて慰安婦被害者に補償した先例がある。47人中35人が支援金を受け取った。現政権は被害者中心主義から外れると言って財団を解散した。韓国が慰安婦合意を形骸化した状態で日本政府に司法的賠償の義務を課したことで、外交的な波紋が大きく広がるよりほかない

 

このパラグラフが、最も重要である。韓国が、慰安婦合意を形骸化しながら、日本政府に司法的賠償の義務を課すことは「二重取り」である。韓国は、世界の笑いものになる。

 


(5)「第四に、ドイツ・イタリア間の強制労働をめぐる国際司法裁判所(ICJ)判決が示唆するように、韓国裁判所の司法判断が強大国中心の国際法体系で認められるかどうか未知数だ」

 

ドイツ・イタリア間の強制労働問題では、イタリアがドイツに賠償金を科したが、ICJではこの判決が違法となり、ドイツの「主権免除論」が認められた。

 

(6)「韓日関係が根本的に損なわれないようにするためにはどうするべきか。第一に、賠償判決の確定時期を遅らせる方法がある。最終確定判決の時期を調節しながら、上級裁判所で別の判決が出てくる可能性に対して余地を残しておく方法だ。このためには日本政府が控訴しなければならない」

 

日本政府は、裁判自体を認めぬ立場だから控訴はない。

 

(7)「第二に、韓日は韓日基本条約第3条により、国際紛争の解決手続きに入ることもできる。判決を執行できる適切な手段がない状況では、紛争を現実に受け入れて、調整および仲裁手続きに委託することも葛藤調節の方法だ」

ICJに訴える必要もない。日本は、解決済みの立場だからだ。

 

(8)「第三に、日本政府が拠出した資金だが、「和解癒やし財団」の清算過程で残った56億ウォン(5億2700万円)を賠償元金として活用する方法も不可能ではない。ただし、韓日外交交渉を再び開くという負担を背負わなければならない」

 

この問題で、日韓会談を開く必要はない。残金をいかに使うかは韓国の裁量である。

 

(9)「第四に、日本政府が心からの謝罪を行い、慰安婦被害者が訴訟を取り下げる方法もある。互いに譲歩する気持ちがあってこそ可能だ」

 

解決済みの問題で、新たな謝罪の必要はない。国家として、謝罪する法的な根拠がないのだ。

 

(10)「第五に、韓日間の「度量の大きな取引」を試みることだ。慰安婦・徴用問題はもちろん、経済的報復措置、北朝鮮問題などすべての事案をテーブルの上にのせて政治的合意を行い、同時行動の原則の下でこれを実践することによって関係正常化を図ることだ。両国指導者の政治的決断があってこそ可能だ。だが、どれ一つとして簡単なものはない」

過去の日韓交渉では、必ず「大乗的見地」という殺し文句で日本が妥協して、結論を曖昧にしてきた。それが、現在の問題を生んでいるのだ。日本は一切、妥協しない。法律に則って行動することである。それが、結果として日韓関係を安定させるはずだ。