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25~26日は、国会が開かれている。問題の焦点は、コロナ感染である。野党は、ここを先途と厳しく菅政権を攻め立てている。国民の生命がかかっている問題であるから当然としても、小柄な菅首相は身体を丸め、痛めた喉から振り絞るように答弁している。難局で、政権を担うことの難しさを示しているようだ。

 

読者から、日本のコロナ問題を辛口でとり上げて欲しいという要望が届いた。むろん、批判してくれというご希望と察した。だが現状は、すでに第三波感染のピークを過ぎて、急速に「鎮火」に向かっている。まず、その実態をデータから見ていきたい。

 

コロナ感染の実態を見るには、「実効再生産数」と抑えることが重要である。1人の感染者が、何人の感染者を増やしているかを見るものだ。「1以上」であれば、感染が拡大中である。「1以下」であれば、感染が縮小過程にあることを示している。

 


1月25日現在の「実効再生産数」は、全国で0.89と縮小過程に入っている。東京都は、0.85で全国平均を下回っている。緊急宣言を実行している成果と言える。

 

以下では、東京都のデータからさらに、詳細を取り上げたい。

 

1月10日の「実効再生産数」は、1.67とピークをつけたが、1月16日に1を割って0.92と改善した。この間6日にして都民の危機感が急速な改善効果を上げたと見られる。TVでは、繁華街に繰り出す人の数が、さほど減少していないと報じていた。「実効再生産数」の顕著な改善は、都民の常識の高さを示したと言える。

 

昨年の「実効再生産数」のピークと1を割った時点をトレースしたい。

1期

3月29日 3.62(ピーク)

4月20日 0.96

 

2期

5月30日 1.80(ピーク)

8月10日 0.99(6月13日に0.95に低下した後にぶり返す)

 

3期

11月13日 1.4(ピーク)

11月30日 0.96

 

4期

1月 10日 1.67(ピーク)

1月 16日 0.92

 


次に、各期の日数を挙げる。

1期 21日間

2期 41日間

3期 17日間

4期  6日間

以上の各期を比較すれば、現在が最も「実効再生産数」の1を割る期間の短いことを示している。4期で、繁華街に繰り出す人数の減らないことが懸念されるものの、かなり注意をして外出している実態が分かる。

 

菅政権は、国内の評判を落としている。ただ、パンデミックという中で、世界各国と比較した日本の防疫体制は、どのような評価を受けているか紹介したい。それによると、日本は世界8位である。

 

米国経済通信社『ブルームバーグ』(1月25日付)は、「コロナ時代に最も安全な国ランキング」と題する記事を掲載した。

 

ブルームバーグCOVID耐性ランキングは経済規模が2000億ドル(約2兆075億円)を超える53の国・地域を、感染者の増加ペースや全体の致死率、検査能力、医療体制の能力、ロックダウン(都市封鎖)のようなコロナ関連の行動制限が経済にもたらす影響、移動の自由など10の主要指標に基づいてランク付けした。今回は、昨年12月のデータに基づく。

 


番付トップのニュージーランドや上位のオーストラリア、台湾などではワクチン接種がまだ始まっていないが、順位にさほどの変化はない。市中感染の低さや現在の温暖な気候に助けられ、優位性を維持している。日本は順位を1つ落として8位だった。

 

1位 ニュージーランド

2位 シンガポール

3位 オーストラリア

4位 台湾

5位 中国

6位 ノルウェー

7位 フィンランド

8位 日本

9位 香港

10位 アラブ首長国連邦

 

昨年11月のランキング発表以降、トップ10の大半は民主的な国・地域だ。悪影響を最小限に抑えてコロナを封じ込めることに成功している政府は、市民に命令し服従させる力によってではなく、高い信頼と社会のコンプライアンスを引き出すことによってそれを可能にしているように見受けられる

 

メルボルン大学で世界疾病負担(GBD)グループのディレクターを務めるアラン・ロペス名誉教授によれば、社会的結束もこのパンデミックへの対応の成否を分ける要素だった。「日本や北欧の社会を見ると、不平等が非常に小さく、規律が行き届いていることが分かる」とロペス氏は述べた。「これが、国としてより結束した対応につながる」と分析した

 

以上は、ブルームバーグの記事である。ここから引き出される結論は、下線部のように日本が北欧並みに規律の行き届いている社会と高く評価されていることだ。東京都は、1月10日の「実効再生産数」が1.67(ピーク)をつけた後、1月16日に0.92と短期間に成果をあげ、25日に0.85と低下し続けている。この調子で行けば、自虐に陥ることはなさそうである。

 

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