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中国はASEAN(東南アジア諸国連合)へ積極的なワクチン外交を展開している。感染者が多いミャンマー(約13万人)とフィリピン(約49万人)に、中国国営製薬会社シノファームのワクチンをそれぞれ30万回分と50万回分、無償で支援している。その一方では、「中国領海」における外国船舶に対して武器使用を認める「海警法」を成立させ、フィリピン大統領府から強い抗議を受けている。ワクチン外交が台無しである。

 

『大紀元』(1月27日付)は、「フィリピン大統領府、中国の海警法が『国際法違反』と批判」と題する記事を掲載した。

 

中国政府はこのほど、中国海警局に「中国領海」における外国船舶に対して武器使用を認める「海警法」を成立させた。フィリピン大統領府は、武力行使は国際法の下で禁止されているとし、いかなる国も南シナ海の状況を悪化させないよう警告した。

 

(1)「中国の国会にあたる全国人民代表大会の常務委員会で22日、中国が管轄する海域に違法に入った外国の船舶が停船命令や立ち入り検査に従わない場合、海警局に武器の使用を認める「海警法」が成立した。フィリピンのハリー・ロケ大統領報道官は25日、大統領官邸で記者会見し、一般的な国際法の下では「武力の行使は通常、禁止されている」と指摘した」

 

北京当局が管理しているスカボロー礁周辺海域、クアテロン礁、ファイアリー・クロス礁、ガベン礁、ヒューズ礁、ジョンソン南礁、ミスチーフ礁、スビ礁など南沙諸島の島礁はいずれも、フィリピンが主張するEEZの範囲に含まれている。それだけに、フィリピンは「海警法」の悪影響を受ける立場だ。

 

(2)「また、「南シナ海問題に関わる国々が、同海域の状況を悪化させる動きをしないことを望んでいる」と警告した。ロケ氏はさらに、同国のロドリゴ・ドゥテルテ大統領は、「南シナ海での行動規範ができるだけ早く策定されることを望んでいる」と述べ、「南シナ海のすべての主権国がこの行動規範を遵守するよう」呼びかけた。中国と東南アジア(ASEAN)各国は、南シナ海での紛争を回避するため「行動規範」の策定交渉を進めている」

 

中国は、南シナ海の9割が中国領海であると主張している。国際司法機関から、この主張は違法として却下されたが、中国は腕力で占領し続けている。さらに武装した警備船が出現するとなれば、周辺国にとって甚大な影響が出てくる。

 

(3)「フィリピンのキコ・パンギリナン上院議員はこのほど、中国共産党の「海警法」は同国の経済水域を侵害する外国法であると強調したうえで、インドネシアやベトナムも中国共産党の威嚇に怯んでいない、と述べた。南シナ海は年間5兆ドル相当の海運貿易の輸送路となっているほか、石油や天然ガス資源も豊富だ。中国は南シナ海のほぼ全域にわたって主権を主張している。フィリピンも自国200カイリの排他的経済水域(EEZ)の範囲で、南シナ海の部分的な主権を主張している」

 

南シナ海では、フィリピンのほかにインドネシアやベトナムも中国の被害を受けている。フィリピンのドゥテルテ大統領は昨年9月、南シナ海での中国との紛争は平和的に解決されるべきであり、国際法の順守が必要と述べた。それだけに、今回の海警法は平和的解決に逆行するものである。中国は、こうやって周辺国から信頼を失ってゆくのだろう。

 


(4)「日本の茂木外務大臣は先日、中国で成立した「海警法」に対して懸念を表明し、注視していくとともに、バイデン新政権との連携強化を検討すると述べた。また日本の外務省高官も、「南シナ海の現状は今、旧オバマ政権よりも深刻であることを米国に理解してもらうためにコミュニケーションを取る」と述べた」

 

南シナ海問題が、ここまで悪化したのはオババ政権時に、中国へ厳しい警告を出さず見過ごしたことが大きな理由だ。バイデン政権は、その後始末をしなければならない立場でもある。