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韓国国内で、文大統領が微妙に低姿勢へ変わってきたと指摘されている。これまでの、弁護士特有の攻撃的な口調が減り、国民への謝罪も増えるなど、変化しているという。国内問題での争い事を少なくし、その余力でライフワークの南北問題へ取り組む計画であろうと見られている。

 

その南北問題に確たる手がかりがあるわけでない。7月の東京五輪で日本・米国・韓国・北朝鮮4ヶ国首脳会談を開催したいという「夢」に賭けている。だが、余りにも壮大すぎる夢である。日本という最大の「変数」がどう出てくるか。それには、韓国が旧徴用工賠償問題の解決策を見せねばならないのである。韓国は、来年の大統領選挙を控えて、日本に譲歩する案を立てられる見通しはない。この一つだけをとって見ても、「夢」の実現は難しいのだ。昨年1年間、なにもしなかった「無策」が惜しかったことが分かるはずである。

 


『中央日報』(1月31日付)は、「本当にレームダック防止用か、『決定できない大統領』文在寅の変身」と題する記事を掲載した。

 

執権5年目を迎えた文在寅(ムン・ジェイン)政権の基調に小さな変化が感じられる。これまでは改革などの政策目標を掲げて「突進」を叫ぶ姿が多かった。だが最近になり対立の管理と収拾に傍点をつける文大統領の歩みが目につく。さらに弁護士出身者特有の攻撃的口調までソフトに変わったという評価もある。

(1)「秋美愛(チュ・ミエ)氏と尹錫悦(ユン・ソクヨル)氏の対立が代表的だ。文大統領は4回も公開的に謝罪した。発言水準も「大統領として非常に申し訳ない気持ち」「国民に非常に恐れ入る」「人事権者として謝罪申し上げる」と高くなっていった。18日の新年会見では特に「尹錫悦検事総長は一言で文在寅政権の検事総長」「政治をするつもりで総長の役割をしているとは思わない」とした。その後与党陣営の「尹錫悦叩き」が静まり、逆説的に「潜在的野党圏候補として」尹検事総長の大統領選支持率が下落した」

 

去年は、ユン検察総長を解任する問題ですべての時間を空費した。結果は、政権側の大敗北に終わった。コロナ・ワクチンの購入も忘れて、この問題に没頭していたのだ。このツケが今、大きく文大統領にのしかかっている。日韓問題を解決しなければ、外交問題は一歩も進まないことが、しだいに明らかになってきたのである。

 


(2)「不動産政策も同じだ。文大統領は「不動産供給に向けた特段の対策を用意する」とし、規制一辺倒だった過去の政策方向を変えることを示唆した。新年早々から政界を揺るがした元大統領赦免論も文大統領が静めた。反対が圧倒的な国民世論を意識したものだが、いずれにせよ「時期尚早論」で議論を終息させた」

不動産高騰を抑えるべく20回以上も政策を発動した。すべて売買規制に重点を置き、逆に価格を煽る結果になった。ようやく、供給増が解決策と分かるという、信じがたいドタバタを演じてきた。


(3)「野党から「決断できず決定を先送りする大統領」という批判を受けた過去の姿とは違いがある。文大統領はなぜこのように変わったのだろうか。政界では「文大統領が決心した脱政治基調の影響」という分析がまず出ている。青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)関係者は、「不必要な対立のため政策的成果に全力を傾けられない状況に対する様々な省察があったのは事実で、青瓦台で文大統領がこうした悩みを最もたくさんした」と話した。政治的対立構造のため政策成果を出すことができない構造を改善しようという意志が込められているという説明だ」

 

文大統領の任期が1年余に迫って来た現在、過去に実績が一つもないことに気付いたのであろう。国内対立に明け暮れているよりも、対立を減らして外交面で実績を上げることに方向転換したに違いない。

 

(4)「外交界では、「任期中に韓半島問題解決と関連した成果を出すための事前作業」との見方もある。米国のバイデン政権発足により韓半島(朝鮮半島)と北東アジアの外交環境は大きく変わった。文大統領と与党陣営が「南北・米朝関係改善の決定的機会」と考えている7月末の東京五輪を控えているタイミングでもある」

 

これまで、保守派一掃という狙いで反日を煽ってきた。それが皮肉にも、日本との関係を改善しなければ、南北対話再開にこぎつけられないという局面に向かっている。気付くのが余りにも遅かったのだ。

 

(5)「米朝関係進展と南北関係改善などにオールインしなければならない文大統領としては、国内的対立によるエネルギー消耗を減らす必要があり、こうした考えが最近の歩みに反映されていると分析される。文大統領が、最近韓日関係改善に積極的な姿勢を見せていることを同様の脈絡で解釈する見方もある。国民大学のイ・ウォンドク教授は「韓日関係改善はバイデン政権が韓日両国に強く要求している事案。残り任期中に韓半島問題を除いたすべての対立要因を排除し、ひたすら南北問題で具体的成果を出すという強い意志が(最近の変化した態度に)込められているようだ」と評価した」

 

文氏が、反日から「親日」を演出しても誰も信ずる者はいないであろう。北朝鮮の金正恩氏の東京五輪出席には、事前準備として米朝交渉が始まらなければならない。現状では、その気配すらない。その前に、米国は中国を巡る同盟国会議を開かなければならないのだ。こうした米国の外交日程から見ても、7月の東京五輪で米朝首脳会談が開催できるとは思えないのだ。文大統領は、取らぬ狸の皮算用に酔っている。

 

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