a0960_004876_m
   


昨年8月、チェコは「一つの中国」を無視して台湾へ大型使節団を送った。台湾への人権支援という名目である。これに怒った中国の王毅外相は、ヤクザ口調で「この代償は必ず払わせる」と恫喝して逆に、独仏外相からたしなめられるというドタバタを演じた。

 

中国の代償要求で、チェコから購入予定のピアノを取り消したが、今度はチェコが大きな代償を中国に払わせる結果となった。「小国」チェコを侮辱した「大国」中国が、とんだしっぺ返しを食った形だ。中国の影響力が低下している何よりの証拠と言える。

 

『大紀元』(1月31日付)は、「チェコ、原発建設計画で中国企業の入札を認めず」と題する記事を掲載した。

 

チェコ政府と政党はこのほど、チェコ国営電力(CEZ)が進めているドコバニ原子力発電所の拡大計画について、国家安全保障上の懸念があるとして、中国企業の入札を認めない方針で合意した。

 


(1)「ロイター通信によると、ドコバニ原子力発電所で出力が最大120万キロワットの加圧水型原子炉(PWR)のユニットを新たに増設する計画に関して、チェコ政府と野党の党首らは27日、国家安保上の懸念から、中国企業を入札から除外することで意見を一致させた。駐チェコ中国大使館は28日の声明で「抗議する」とし、チェコ政府に「市場経済および公平な競争原則を順守するように」と意見表明した」

 

中国は、これまでもチェコへ政治的圧力を加えてきた。元国会議長が、台湾訪問計画を立てたところ、「一つの中国」を理由にして猛烈な反対を行い、これを潰した経緯がある。チェコは、ソ連支配下にあっただけに「共産党嫌い」が徹底している。それだけに、中国の圧力には本能的な忌避気分が働いている。

 

中国は、チェコの台湾訪問への報復として高級ピアノ11台の購入契約を破棄した。このピアノは、チェコの富豪が肩代わり購入したので実損はゼロ。中国が、報復すると啖呵を切ってもこの程度の話であったのだ。このピアノ11台に比べれば、原発への入札禁止は大きな「逆報復」になる。中国が、大国ぶっていることへの痛烈な仕返しと言えよう。

 


(2)「同国親中派のミロシュ・ゼマン大統領の主導で、中国エネルギー大手、中国華信能源(CEFC)は過去数年、チェコの通信業や銀行業などに進出した。ロイター通信によると、CEFCの簡明会長が2018年、中国当局に経済犯罪の容疑で拘束されて以降、同社のチェコで進められていた多くの投資計画がストップした」

 

チェコのゼマン大統領は、親中国である。この大統領の縁で、中国の通信業や銀行がチェコへ進出したが今や、この縁も薄くなっている。この裏には、中国がチェコでスパイ活動をしてきたことが公になり影響しているのであろう。

 

チェコメディアは昨年7月、同国にある中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)子会社の社員が定期的に顧客の個人情報を収集し、駐チェコ中国大使館に提供していると報道した。米政府は今まで、ファーウェイは中国の情報機関で、中国当局のために諜報活動を行っていると警告してきた矢先に、公になったものだ。以下の記事は、『大紀元』(2020年7月25日付)から引用した。

 


チェコ放送『ラジオジャーナル』(2020年7月22日付)によると、チェコのファーウェイ子会社の社員は、政府関係者やビジネスマンを含む取引関係にある顧客の個人情報を密かに収集しているという。情報はファーウェイ本部の内部システムに転送された後、駐チェコ中国大使館に提供されている。

 

ファーウェイは、事実関係を否定した。しかし、同子会社で数年勤務した元幹部らは、チェコ放送『ラジオジャーナル』に対して証言を行った。一人の幹部は、「商業情報のほか、個人顧客の趣味、財務状況などプライバシーに関する情報もターゲットとなっている」と話した。こうして、ファーウェイがスパイ活動を行っていたことを否定できない結果となった。今回の原発入札禁止は、安全保障上からも当然の結果と言えよう。

 

次の記事もご参考に。
チェコ、「激励」プラハ市長がカナダに声援、中国の恫喝に屈するな、信頼できる「パートナーでない」
 2020-11-01
中国、「冷笑される」チェコ代表団の訪台に報復、ピアノ2500万円購入契約破棄に「度量狭い」

2020-09-16