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かつての大英帝国が、EU(欧州連合)を離れてアジアへ接近している。21世紀の世界経済発展の舞台は、アジアであるという読みにもとづく。英国は2月1日、TPP11(環太平洋経済パートナーシップ協定)へ正式に参加を申入れた。全加盟国11ヶ国の承認を得て、年内に正式加盟の見通しだ。英国の加盟が正式決定すれば、TPP11の世界に占めるGDP規模は、現在の13%から16%になる。

 

日本は、英国加盟に当って一切、条件緩和しないことを原則としている。少しでも条件緩和をすれば、中国が同様の要求をしかねないからだ。TPPは、もともと中国を排除することを目的で結成された。それだけに、中国排除の「原点」を貫く必要がある。この原点維持が、米国を早期にTPPへ復帰させられる条件と見ているからだ。

 

英国のTPP11加盟は、日米主軸で推進する「インド太平洋戦略」の参加国(クワッド=日米豪印)に加わる可能性を高めている。英海軍の最新空母「クイーン・エリザベス」号はアジアへ派遣される。母港は、日本になる見込みだ。米英の空母が期せずして、日本を母港にアジアの安全保障に寄与するという、従来にない共同防衛体制が整う。

 


『朝鮮日報』(2月1日付)は、「米、クアッドに韓国ではなく英国を参加させる意向」と題する記事を掲載した。

 

米ホワイトハウスのサリバン国家安保補佐官が日本、オーストラリア、インドなど4カ国が参加する多者安保協議体「クアッド」について「インド・太平洋政策の土台になるだろう」として「もっと発展させたい」との考えを示した。このような中でクアッドへの参加に消極的な韓国の代わりに昨年、欧州連合(EU)と決別した英国がこれに参加する可能性が浮上している。クアッドが「クインテット(5人組)」に拡大改編した場合、自由・民主陣営における韓国の立場が一層弱まるとの見方も出ている。

 

(1)「サリバン補佐官は1月29日(現地時間)に米国平和研究所主催で開催された遠隔会議に出席した際、クアッドについて「インド・太平洋地域において実質的な米国の政策を構築していく根本的な基盤だと考えている」と述べた。この会議でオブライエン元安保補佐官は「(中国に対抗して)同盟国と協力できるのはうれしいことだが、とりわけクアッドがそうだ」「おそらくわれわれがNATO(北大西洋条約機構)以降に構築した最も重要な関係になるだろう」と期待を示した。この発言を受けてサリバン補佐官は「私は本当にこのフォーマットとメカニズムを継承し、発展させたいと考えている」と歩調を合わせた」

 

米国は、インド太平洋戦略を「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」に拡大発展させる方針を立てている。軍事同盟を成立させるのだ。旧ソ連が、欧州で戦争を仕掛けられなかったのは、NATO存在の結果である。アジアでも、中国の侵略を防ぐには「アジア版NATO」が不可欠、と米国は判断している。

 

(2)「2019年に結成されたクアッドは、米国によるインド・太平洋戦略と中国けん制の最も中心に位置している。単なる外交政策のための会談という次元を超え、昨年12月には合同軍事演習まで実施し、その結束力を誇示した。米国は韓国に対しても名指しで参加を求めるなど圧力を加えてきた。韓国政府は、康京和(カン・ギョンファ)外交部(省に相当)長官が「特定の国(中国)の利益を排除するのは良いアイデアではない」として参加の決定を保留してきた。「トランプの政策否定」に力を入れるバイデン政権だが、クアッドだけは継承・拡大・発展を宣言しただけに、韓国に対する圧力も今後さらに強まると予想されている」

 

英国が、クアッドに参加する意味は極めて大きい。NATOとクワッドを繋ぐ橋渡し役になるからだ。NATOの主要国は、米国のほかに英独仏である。このうち、英国がクワッドに加われば、独仏もすでにアジアへ自国海軍を派遣する意向を表明しているので、クワッドに加わる可能性がぐっと高まるだろう。こうなれば、NATOと「アジア版NATO」は連携可能になる。中国は、袋のネズミになるのだ。

 


(3)「
英国が、クアッドに参加する可能性は昨年以降ずっと話題に上っていた。昨年、EUから離脱した英国は新たな活路を見いだすため「アジアへの回帰」を政策として推進している。米国や日本との海上合同軍事演習を通じて、持続的にインド・太平洋地域への関心を示し、先月には日本との合同軍事訓練に最新鋭空母「クイーン・エリザベス」を参加させる可能性があるとも報じられた。毎日新聞は、英国のクアッド参加の背景について、「米ホワイトハウスのキャンベル・インド太平洋調整官の構想に基づくもの」と分析している。キャンベル調整官は、これまでメディアへの寄稿などを通じ、クアッド参加国を新たに加えるいわゆる「クアッド・プラス政策」を強調してきた」

 

英国海軍は、かつて世界の7つの海にユニオンジャックの国旗をはためかせた歴史がある。その英国が、クワッドに参加すれば強力な布陣が形成される。中国海軍も怖じけずくであろう。昔の世界三大海軍(米英日)が、アジアで布陣を引くことは戦争防止上、大きな力を発揮するであろう。

 

(4)「英国は昨年5月、対中協力に向けたいわゆる「民主主義10カ国(D10)構想」を呼び掛けるなど、共通の価値観に基づく連帯に積極的な関心を示してきた。そのため韓国の外交関係者の間からは、「韓国が除外された状態でのクアッド拡大・改編」に対する懸念の声も出ている。ある外交筋は、「民主主義と反中国を基盤とした再編に韓国だけが疎外される形が演出されるかもしれない」とした上で、「クアッドへの参加を決めるか、あるいは参加しないのであれば米中双方が納得できる原則でも立てて説得すべきだ」と訴えた」

 

韓国は、クアッドから除外されるのでないかと懸念を持ち始めている。これまでの「反日・親中」路線では、自由主義陣営から脱落するからだ。日本の世界に占める位置を正しく評価すれば、もはや歴史問題で日本へ喧嘩を売ることの虚しさを知るであろう。