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文政権のトレードマークは、南北交流である。北朝鮮が、核開発を強行してもそれを咎めることもなく、相変わらず「人道支援」を一枚看板にした南北交流である。米国バイデン政権登場で、またアドバルーンを上げている。

 

この南北交流案は、米国バイデン政権の対北朝鮮政策の一環として検討されるべき事案である。それを怠って、南北交流を言い募ることは極めて危険である。北朝鮮の思う壺に嵌まることになろう。先に行われた日米韓三ヶ国による北朝鮮問題討議では、三ヶ国は一致した行動を取ることで合意した。それは、北朝鮮経済制裁続行による核放棄の実現である。

 

韓国の識者は、次のように指摘している。

「韓国政府が、韓米同盟よりも南北関係の改善を優先する焦りを見せる場合が危険である。韓国政府が、南北首脳会談および米朝首脳会談に対する執着、北朝鮮の立場を代弁する制裁緩和要求、または南北協力事業の独自展開の誘惑に駆られれば、バイデン政権はブレーキをかける可能性が高い」(『中央日報』1月27日付コラム「韓国、バイデン氏の民主主義同盟から抜ければ失敗招く」朴チョル熙=パク・チョルヒ ソウル大教授)

 

文政権は、こういう客観的な見方に立つべきだろう。そうでなければ、バイデン政権の外交戦略から完全にはみ出てしまうに違いない。

 

『中央日報』(2月21日付)は、「韓国統一部長官、『北朝鮮の鉄道制裁解除を、コロナ終息したら金剛山観光から』」と題する記事を掲載した。

 

統一部の李仁栄(イ・インヨン)長官が北朝鮮に対する国連の公共インフラ分野の制裁を解除すべきで、南北の鉄道・道路協力などをその例として挙げた。また、新型コロナウイルス状況が緩和されれば金剛山(クムガンサン)個別訪問から再開できればとの考えを明らかにした。

(1)「李長官は、この日午前に米ハワイ大学韓国学研究所の主催で開かれたウェブセミナーに参加し、「人道主義問題は北朝鮮の政権や核開発過程とは徹底的に異なるもの。人道主義問題は対北朝鮮制裁の対象から躊躇なく除外されなければならない」と明らかにした。その上で「米国の民主党政権も人道主義問題に対しては(政治・軍事的状況と別個で扱われるべきということに)異論の余地がないだろう。制裁問題をもう少し柔軟にアプローチすることを検討できることを望む」と付け加えた」

 

国連による制裁は、厳密に守らなければならない。北朝鮮は、経済制裁下でも核開発を続けている現状からすれば、北朝鮮国民が「気の毒」という同情論の前に、核開発中止を強く迫ることの方がはるかに現実的対応である。文政権は、その点が曖昧であり北朝鮮の代弁人と見られている理由だ。

 


(2)「李長官は、南北の鉄道・道路協力を例に挙げ、「保健医療協力と民生協力がある程度活性化すれば、いまは国連が制裁を適用している非商業用公共インフラ領域程度は制裁を解除することに国際社会が共感を形成したら良いだろう」とした。また、金剛山観光問題についても、「団体観光ではなく個別訪問形態ならば人道主義に合致したり、制裁対象とは次元が異なる問題だろう。新型コロナウイルス状況が緩和されれば金剛山に対する個別訪問から再開できることを希望する」と付け加えた」

 

文政権は、北朝鮮に非核化の実現を迫るよりも、同情論で抜け穴を用意するという「利敵行為」を推奨している。金剛山観光問題も経済的な利益は北朝鮮に還元される。団体旅行も個人力の集まりである。そういう詭弁が通るはずがない。

 


(3)「李長官は北朝鮮との音楽・映画・放送などの「文化交流」について、「積極的に賛成する」としながら、「文化と放送が共有される過程で国際社会が北朝鮮政権を崩壊させる意図がないことを長い間認識させるならば北側も変化があるだろう」と主張した。その上で対北朝鮮政策を策定している米バイデン政権に対しては「トランプ政権とどのように変るのか注目している」としながらも、「(政策策定に)とても長い時間がかかり、その間に北側で他の反発の変数が起きないことを期待する」と話した」

 

現在の北朝鮮は、韓流ドラマを持込めば死刑、見ただけで15年の懲役刑と言われている。ここまで国民を縛り上げている北朝鮮が、「文化交流」を認めるわけがない。韓国統一部は、夢のようなことばかり唱えている。現実を直視して、米国バイデン政権の北朝鮮政策に協力して、北の早期核放棄実現の手段を模索すべきなのだ。

 

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2021-02-21

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