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中国は焦りに焦っている。昨年6月30日、香港への「国家安全法導入」で、西側諸国との関係を悪化させた。さらに、この2月1日からは海警法を施行した。海警法とは、中国が主張する海域で「違法」に活動する外国船に武器の使用を認めるとした法律である。東シナ海や南シナ海などの係争地域における武器使用の正当化を図るもの。武力行使は、国際法の下で禁止されている行為である。中国は、この国際法に逆らってまで横暴な振舞を行うと宣言したのだ。

 

中国は、どうにも手をつけられない「夜盗国家」に成り下がったと言うほかない。違法手段によって国土を拡張する「帝国主義」手法に堕したわけで、中国国内の抱える矛楯が如何に大きくなっているかを如実に物語っている。中国ITの先端企業ファーウェイは、米国の禁輸措置を受けて高級半導体が輸入禁止となった。この結果、ファーウェイは高級スマホの生産に大きな支障を生じ、養豚事業に進出して食いつなぐという異常事態を迎えている。

 


中国が目指してきた高度産業計画の「中国製造2025」は、ファーウェイの養豚事業が象徴するように破綻したと見られる。あっけない結果だ。こういう事態を迎えて、中国は「破れかぶれ」に突入し、海警法によって最後の領土確保に出てきたと見られる。

 

『ロイター』(2月20日付)は、「米『中国海警法に懸念』近隣国との海洋権益争いエスカレートも」と題する記事を掲載した。

 

米国務省は2月19日、中国で施行された海警局に外国船舶への武器使用を認める海警法に懸念を表明した。

 


(1)「国務省のプライス報道官は定例記者会見で、同法の文言が東・南シナ海で「近隣国を脅かす目的」や「違法な海洋権益を主張するために使用される」ことを米政権は懸念していると述べた。さらに、米国は「南シナ海の大半の地域を巡る中国の海洋権益に関する主張は完全に違法」とするポンペオ前国務長官の発言を再確認するとし、日本やフィリピンとの同盟国としてのコミットメントを堅持すると強調した」

 

米国バイデン政権は、民主主義を防衛すると宣言している。中国が違法な海警法に基づき軍事行動を行えば、米国が見過ごさないという姿勢を強調した。米国務省は、ポンペオ前国務長官が、中国の南シナ海領有は不法であり一切、認めないと宣言している。これは、米国が軍事行動を起こす予告でもあり、中国があえてこれに対抗する姿勢を見せたのであろう。

 

中国の南シナ海領有の主張が違法であるとして、常設仲裁裁判所(1899年設立 オランダ・ハーグに本部)へ上訴したのはフィリピンである。これで勝訴(2016年)したわけだが、中国は判決を「紙切れ」と豪語し無視し居座っている。

 

『大紀元』(1月27付)は、「比大統領府『中国の海警法が、国際法違反』と批判」と題する記事を掲載した。

 

中国政府はこのほど、中国海警局に「中国領海」における外国船舶に対して武器使用を認める「海警法」を成立させた。フィリピン大統領府は、武力行使は国際法の下で禁止されているとし、いかなる国も南シナ海の状況を悪化させないよう警告した。

 

(2)「フィリピンのハリー・ロケ大統領報道官は1月25日、大統領官邸で記者会見し、一般的な国際法の下では「武力の行使は通常、禁止されている」と指摘した。フィリピンのキコ・パンギリナン上院議員はこのほど、中国共産党の「海警法」は同国の経済水域を侵害する外国法であると強調したうえで、インドネシアやベトナムも中国共産党の威嚇に怯んでいない、と述べた」

 

フィリピンは、海警法に強い衝撃を受けている。中国が、常設仲裁裁判所判決無視に続く横暴行為を宣言しただけに、米国の軍事擁護を期待している。

 


フィリピン大学の海事・海洋法研究所の所長を務めるフィリピン大学ディリマン校法学部のジェイ・バトンバカル准教授によると、通常、沿岸警備隊は特定状況下において武力行使を含む法執行権限を有しているが、中国海警局は他国領域への侵入を繰り返しているため、この新法は問題であるとしている。

 

前記のバトンバカル准教授は1月28日、ベトナムの新聞『VNエクスプレス・インターナショナル』紙に対して、「中国海警局による武力行使は単なる法執行措置ではなく、中国という国家による実際の武力行使である。中国が自国領土と主張する他国領域でこれを行えば、それは侵略行為または国際連合憲章に反する武力行為と見なすことができる。これはもうほとんど戦争である」と語った。以上は、『大紀元』(2月11日付)が伝えた。

 

中国が、海警法による実力行使に出れば、「戦争行為」と見なされる危険な手法を取ってまで「一か八か」の博打に打って出てきたと言える。この瀬戸際政策で、相手国を怯ませる戦術だが、相手国が「応戦」すれば戦争になる。その場合、中国は即刻、米国から経済制裁を受けるだろう。中国はそれに耐えうる体力があるか。ファーウェイですら、あっけない落城である。中国は、自己過信に陥っていると大変な事態へ突入するはずである。習近平氏は、伸(の)るか反(そ)るかという政治生命を賭けた戦いとなろう。

 

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