テイカカズラ
   

韓国社会の本質を掴むには、現在が絶好の機会である。あらゆることで、序列を気にする社会である。韓国のワクチン接種は、26日から始まる。世界で102番目と低開発国並みと嘆いているのだ。このように遅れた責任が、文政権にあるという結論である。

 

もう一つのワクチン接種を巡る話題は、第1号接種者は文大統領であるべきという社説まで登場していることである。日本では、医療従事者優先で誰が第1号接種者になったかも分からないほど。ここでも、ワクチン接種の順番が話題になる社会である。日本と大いに異なり、目を丸くする社会現象である。

 

『朝鮮日報』(2月25日付)は、」世界で102番目にワクチン接種、韓国はこんな国だったのか」と題する記事を掲載した。

 

韓国初の新型コロナワクチンが24日に出荷された。最初の接種は26日に行われる予定だ。ところが、英オックスフォード大学の国際統計情報サイト「アワー・ワールド・イン・データ」によると、韓国は全世界で102番目以降に新型コロナワクチンを接種する国になるという。22日の時点で既に101カ国においてワクチン接種が開始しされているためだ。

 

(1)「まだ接種が始まっていない国にはタイ、ベトナム、ラオス、フィリピンなどの東南アジア諸国、カザフスタン、ウズベキスタン、アフガニスタン、ウクライナ、ベネズエラ、モンゴル、北朝鮮、そしてアフリカの国々がある。経済協力開発機構(OECD)加盟37カ国の中で、韓国を除いて未接種の国はない。韓国はなぜ、アフリカや東南アジア諸国と同じ水準でワクチン接種をしなければならなくなったのだろうか」

 

韓国は、GDPで世界10~12位にあるという自負がある。その韓国が、ワクチン接種序列で世界102番目では、「理屈に合わない」という怒りが底流にある。これほどまでに「序列」が重視される社会だ。この延長に「学歴社会」がある。受験=成績の序列に繋がる。

 

(2)「ワクチンの早期確保に成功したイスラエルは、全人口の51.5%が1回目の接種を終え、33%は2回目の接種も終えている状況だ。ワクチンこそが新型コロナ問題を終わらせる根本的な解決策であり、日常生活回復へ近道だということが、接種国では繰り返し確認されている。韓国人はなぜこのようにワクチン確保が遅れたのかという理由も明確には知らずにいる。現政権は「K防疫」の宣伝にばかり熱を上げ、「今、ワクチンは十分な速さで導入されている」として、他国に比べてもワクチン接種時期はそれほど遅れていないと言い張っているからだ」

 

文政権は、「自慢と言い訳」を得意とする。自慢は、序列の高いことを意味する。言い訳は、結果の低いことを取り繕うことである。ともかく、韓国政界のやり取りは、「自慢と言い訳」を巡る攻防戦だ。

 

(3)「ワクチン確保は複数の部処(省庁)との関連がある上、リスクを抱え込まなければならない問題なので、大統領の関心と決断が何よりも重要だ。ほかの国々はすべて、こうした関心と決断を経てワクチンを確保した。ところが、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は韓国が102番目のワクチン接種国になるようにしておきながらも謝罪していない。それどころか接種遅延の懸念などに対しても、「事実ではない」という言葉ばかり繰り返している。世界で102番目が接種遅延でないというなら、接種遅延というのはいったいどういうケースのことを言うつもりなのだろうか」

 

「自慢と言い訳」を得意とする社会では、最終的に「謝罪」でしか収拾されない。文政権は、滅多に謝罪をしない政権である。あくまでも取り繕って責任回避することに汲汲としているのだ。これが、騒ぎをさらに大きくしている。

 


『中央日報』(2月24日付)は、「ワクチン第1号接種、指導層の率先垂範を期待する」と題する社説を掲載した。

 

韓国初のワクチン接種が26日に近づいたが、ワクチンの安全性と有効性に対する不安・不信が収まっておらず対策が必要だ。特に、韓国で一番初めて接種するアストラゼネカ(AZ)のワクチンの有効性をめぐる論議のためなのか、ある世論調査で回答者の52.8%が接種延期、または拒否の意向を明らかにした。

(4)「政府がまもなくワクチン第1号接種者を公開する予定だが、誰にするのかをめぐって依然として騒ぎとなっている。結論から言えば、ワクチンに不信がある中で国民の信頼を高めるためには指導層の中で誰か率先するのが一つの方法だ。政界では文在寅(ムン・ジェイン)大統領が最初に接種すべきだという声が提起された。もちろん、個人の選択であるだけに強要する問題ではないが、文大統領としては優れたリーダーシップと政務的感覚を表わす良い機会だ。医者出身である国民の党の安哲秀(アン・チョルス)代表は先に打つ意向をすでに明らかにした状態だ」

誰が、第1号接種者になるか。これは、コロナワクチンへの潜在的不安が引き起している問題である。韓国は、原子力発電所にかかわる妄想的被害で大騒ぎする社会である。最近の「トリチウム」騒動がその典型であった。トリチウムは、自然界に存在し人間の食物に多数含まれ、食物として摂取後に体外へ排出され無害なのだ。

 

こういう科学知識がなく、与党のトップや政権支持メディアの『ハンギョレ新聞』まで騒ぐ記事を書いたほど。非科学的気風の強い土壌だけに、ワクチンも風評に左右されているのだ。これを収めるには、文大統領が第1号接種者になるべしという話だ。文氏は、沈黙したままである。文氏も風評に惑わされているのだろう。

 

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