a0960_006624_m
   


過去の日本は、韓国が歴史問題を持ち出せば、経済問題で譲歩するパターンが多かった。これに味をしめて、際限なく歴史問題を持ち出してきたが、それも限界にぶつかっている。日韓関係悪化には、こういう背景がある。

 

韓国は、もともと契約概念のない社会である。国家間で結ばれた、条約や協定を守るという認識に欠けるのだ。その意味では、前近代的な「殻」を身につけたままと言うべきであろう。この韓国が、日本へ解決済みの歴史問題を蒸し返している。さすがの米国も呆れており、日韓の間に立って仲裁しようという動きもない。当り前である。これに困り果てているのが韓国である。

 


『レコードチャイナ』(2月24日付)は、「対日関係改善に乗り出した文在寅大統領だが、もう『手遅れ』かもしれない―中国メディア」と題する記事を掲載した。

 

『東方網』(2月23日付)は、冷え込んでいる日韓関係について、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の在任中に好転させることは難しいとする評論記事を掲載した。以下はその概要。

 

(1)「日韓両国の関係は複雑に錯綜しており、歴史的な問題とともに、現実的な問題も存在する。特に、歴史が残した問題による対立の溝を埋めることは難しい。両国は1965年に財産請求権関連問題の解決と経済協力に関する協定を結び、これが戦後の日韓関係の共通認識となっており、日本側は歴史問題を解決済みとする立場を取っているが、韓国国内ではこの協定に対する国民の同意が著しく不足している」

 

外交関係で、歴史問題を持ちだしたら険悪になるのが普通である。それゆえ、出来るだけ過去に触れず、未来志向で交流する。これが、外交の定石とされている。文政権は、これと逆の方向を選んだのである。日韓関係が、悪化して当然なのだ。日本が禁じ手の「政経不分離」で対抗したのは、堪忍袋の緒が切れた証拠である。歴史問題には、経済問題で対抗するという、「最後通告」をしたのである。

 


(2)「文大統領は就任以降、外交開拓を執政における重点中の重点に据え、外交の開拓による韓国経済の急速な発展、技術革新を期してきた。それ故に「南向き政策」「北向き政策」を相次いで打ち出し、協力拡大、市場拡張を進めてきたのだ。文大統領による積極的な外交や経済協力への取り組みは多くの成果を生んだ。しかし、実質的、戦略的なブレイクスルーという点では、期待通りにはならなかった」

 

文氏は、南北交流を第一番に取り挙げてきた。北朝鮮の金正恩氏と首脳会談を重ねたが、結果的に約束したことは一つも実行できずにいる。それどころか、米朝ベトナム会談では北側へ間違った情報を提供し、米朝決裂をもたらす大失敗をした。これ以降、南北関係も悪化したままである。

 

(3)「特に日本との関係は、就任以降改善しないどころか後退してしまった。両国の政治、外交上の関係は急速に悪化し、それが経済、貿易などの協力関係、サプライチェーンの寸断まで引き起こした。日韓関係の悪化により経済的に大きな損失が発生したことで、国内世論の不満も高まってしまった。さらには、日米韓の安全保障協力体制にまで影響を及ぼすことになり、日本、米国双方に不満を抱かせる結果になったのだ」

 

文氏は、反日運動を国内保守派退治に利用する「悪手」を使った。保守派は、親日派という前提であり、韓国国内を二分する騒ぎを起こした。これによる国内分裂は深刻である。大統領として果たすべき「国内統合」を放棄し、分裂させた罪は重い。

 


(4)「韓国は、経済、貿易、科学技術の分野において著しく日本に依存している。繊維製品の対日輸入依存度は99.6%、化学工業や関連工業製品の対日依存度は98.4%、自動車、飛行機、船舶などの部品における対日依存度は97.7%という状況だ。また、韓国の支柱産業である半導体などのハイテク製品に欠かせない新しい材料も、日本からの直接的な制約を受けている」

 

ここに上げられているデータは、出所の明示もなく信憑性に欠ける。ただ、日本から中間財を輸入して加工し輸出するパターンが定着している。このため、対日貿易収支は万年赤字である。これこそ、韓国産業構造の脆弱性を如実に示している。韓国経済は、日本の技術と資本で発展したことを、このパラグラフが指摘している。

 


(5)「こういった状況であるが故に、文大統領は近ごろ進んで日韓関係を改善せざるを得なくなっているが、おそらく「時すでに遅し」である。文大統領の任期が残り少なくなる中、日本側が態度を軟化させることはあり得ないし、文大統領の任期中に日韓関係が改善されることにもはや期待をしていないだろう」

 

文大統領は、弁護士出身である。国際法には不案内と見えて、韓国司法による徴用工や慰安婦の判決が、いずれも国際法に違反していることに気付かなかった。こういう致命的な失敗により、日韓関係をどん底に突き落とす結果になった。優秀なブレーンがいなかったのだろう。今さら悔いてもどうにもならない。日本から見れば、「反日大統領」という烙印が押されたままである。

 

次の記事もご参考に。

2021-02-15

メルマガ232号 不可能な「日韓和解」 恥の文化がない韓国と日本は「水と油」

2021-02-25

メルマガ235号 バイデンから引導渡された韓国、日米へ協力せず同盟国の「外様」へ格下げ