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韓国与党議員は、軍隊の演習まで北朝鮮へご機嫌伺いする属国的な行動を取っている。38度線の向こうには、北朝鮮軍が虎視眈々と韓国を狙っているのだ。この敵に対して、いかに防御するかという趣旨の米韓軍合同演習について、韓国与党議員35名が連名で「延期要請」を大統領に提出したという。

 

与党議員は、国家の安全保障にどのように考えているのか。北朝鮮は、韓国を攻撃する核やミサイルなどを日夜開発している。その相手に対して行う米韓軍合同演習を中止せよと要請するのは、常識を外れているとしか言いようがない。

 


『朝鮮日報』(2月27日付)は、「敵が嫌がるから軍の訓練をやめようという国、韓国のほかにあるか」と題する社説を掲載した。

 

韓国の与党系国会議員35人が、「北朝鮮が反発するから」という理由で、来月に予定されている韓米合同演習を延期せよと要求した。これらの議員は「金正恩(キム・ジョンウン)委員長まで自ら乗り出して強力に反発している」として、「韓半島の対話の局面作りとコロナ防疫のため、韓米合同演習の延期を求める」と主張した。この世の中に、敵が嫌がるから軍事演習をやめようという国は韓国のほかにはないだろう。

 

(1)「金正恩は先月の労働党大会で、36回も核に言及した。韓国を攻撃する戦術核や原子力潜水艦、極超音速兵器の開発も公言した。軍事パレードでは、韓国を狙った新兵器を続々と披露した。そんな金正恩が要求しているという理由で、韓米合同演習を延期しようというのだ。北朝鮮の労働党が言っていることを、韓国の与党議員らが堂々と声明まで出して主張している」

 

北の金正恩氏は、国内経済の疲弊を隠すべく韓国を攻撃する兵器開発を喧伝している。北朝鮮が、韓国を威圧する姿勢を強めているのに対して、韓国は卑屈になって揉み手をしているのだ。何とも不思議な構図で。

 


(2)「韓米合同演習は、北朝鮮を攻撃するためのものではない。北朝鮮の脅威を防御するためのものだ。国家代表サッカーチームでも練習しなかったら町のサッカーチームと化してしまうように、軍隊もそうだ。ところが3大韓米合同演習は、2018年のトランプ・金正恩「シンガポール・ショー」以降、全て中断された。連隊級以下の小規模な訓練も、実弾を一度も使わないコンピューターゲームとして行われた。北朝鮮の顔色をうかがって演習の名前も付けられずにいる。海外で開かれる多国籍対潜水艦演習にも参加しなかった。その間に、北朝鮮の核と軍事力は休むことなく増強された」

 

韓国は、北朝鮮の言動に恐れおののいている。「主人」は北朝鮮であり、韓国は「下僕」の地位にある。韓国が、ここまで卑屈になっているのは、文政権の思想的母国が北朝鮮であるからだ。北の「チュチェ思想」に被れており、南北統一が朝鮮民族最高の幸せという感覚に囚われているのである。韓国の自由と民主主義は、二の次になっている。

 

(3)「文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、韓米合同演習中断問題を北朝鮮と協議できると言った。金正恩が「合同演習を中止しろ」と言ったことに対する回答だった。敵の脅威に対する防御訓練を、敵と協議したいというのだ。初歩的な警戒任務一つも遂行できない韓国軍は、北朝鮮が新型ミサイルを撃つと「脅威ではない」と言ったり、韓米合同演習を延期しても対応態勢に問題はないと言ったりしている」

 

韓国へ恐怖を与えている北朝鮮に対して、その防御のための米韓合同演習を実施してよいかを問い合わせる。漫画のような話である。

 


(4)「訓練しない軍隊は、軍隊ではない。訓練なき同盟は抜け殻だ。米国防総省は「韓半島以上に演習が重要な場所はない」と言った。韓国政府・与党は、こうした声に耳を塞ぎ、今や「金正恩が怒るから訓練をやめよう」という声明まで出している。金正恩を怒らせる根本的な問題は韓米合同演習ではなく、韓国の存在自体と韓国の繁栄だ。金正恩がやれと言ったら何でもやるこの政権が何をしでかすか分からないという恐怖を抱く」

 

韓国進歩派は、完全に腑抜けになっている。北朝鮮と交流したいというただ、それだけの理由で、国家の基本である安全保障を忘れている。韓国は、国家の体裁をなさなくなっている。こういう国家は崩れるのが早いであろう。朝鮮李朝の末期を想起させるのだ。

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