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北朝鮮の貧困は、核開発で資金を使い果たしている結果だ。国連から制裁を受けている核開発を中止せず、蟻地獄に陥っている北朝鮮へ人道的理由で支援すべきなのか。韓国政府は目下、支援すべしと大騒ぎである。

 

『東亜日報』(2月27日付)は、「『北朝鮮住民の暮らしが困難になったなら見直す時』 統一部長官が制裁緩和を訴え」と題する記事を掲載した。

 

李仁栄(イ・インヨン)統一部長官が、北朝鮮住民が直面した人道主義的危機を考慮し、対北朝鮮制裁を見直す必要があると明らかにした。北朝鮮が新たな戦略兵器を誇示し、核保有国の地位を公式化する状況で、李氏は連日、制裁緩和の必要性を強調している。




(1)「李氏は26日に公開された英紙『フィナンシャル・タイムズ』とのインタビューで、「制裁の目的ではなかったが、結果的に(北朝鮮)住民の暮らしが困難になったなら、これをどのように改善していくのか」とし、「しっかり評価し考えなければならない時になった」と強調した。北朝鮮が、核放棄の意思を明らかにしていないが、制裁の効果と限界について見直しが必要だという主張だ。最近、李氏は連日、制裁緩和と3月に予定された韓米合同軍事演習の縮小を主張している」

 

北朝鮮自身が、経済的な苦境に陥っていると発言した訳でない。韓国統一部が、「以心伝心」で北朝鮮支援を主張しているのだ。北朝鮮国民には何の罪もないし、気の毒に思う心は変わらない。韓国の「仏心」が、北朝鮮の核開発を間接的に推し進めることになるのも事実だ。ここは、心を鬼にしても北朝鮮が核開発を継続していれば、国が消えるという危機感を持たせねばダメであろう。

 


(2)「これに対して米国務省は、「北朝鮮の挑発と武力使用を阻止し、北朝鮮が最も危険な兵器プログラムを手に入れないよう制限することが米国の重大な関心事」と反論した。しかし李氏は、インタビューで、「国際社会の共感が形成されるなら、非商業用の公共インフラのような分野で、もう少し制裁の柔軟性が拡大されることが望ましい」と再度強調した。李氏はまた、制裁の長期化、新型コロナウイルス、台風被害、水害など北朝鮮が直面した三重苦に触れ、「経済的な困難が続き、北朝鮮住民を中心に、人道主義的な危機、その可能性が増加していることは否定できない」と指摘した」

 

韓国統一部は、「北朝鮮の経済的な困難が続き、住民を中心に人道主義的な危機、その可能性が増加していることは否定できない」と強調する。その責任は、金正恩氏にあるわけで、韓国に何らの責任もあるわけでない。北朝鮮が核放棄を決めれば、人道問題は解決する。北朝鮮が困窮に陥れば陥るほど、核放棄への道が近くなる。こういう、一面も忘れてはならない。韓国の安っぽい同情論が、北朝鮮を増長させるのだ。

 


(3)「また、新型コロナウイルスのワクチンと関連して、「自国民優先でワクチン接種するほかないが、一定の余力が確保されたら、北朝鮮をはじめワクチンの足らない国に協力する人道主義的なアプローチを怠ってはならない」と強調した」

韓国は、ワクチン接種が終わったならば、余ったワクチンを北朝鮮へ協力するとまで言っている。南北対話を断っている北朝鮮へそのようなサービスをする必要はない。こういうお節介な手出しが、北朝鮮を最終的に甘えさせるのだ。北朝鮮は、国民を飢えさせても核開発を進めて「金体制」を守ろうとしている邪悪な政権である。そういう政権へ、同情心を見せる必要があるだろうか。米国は、こういう韓国を批判しているのだ。

 

『中央日報』(2月11日付)は、「北朝鮮の挑発より同盟の非協力が問題「バイデン政権」、韓国に向けた発言か」と題する記事を掲載した。

 

米国のバイデン政権は北朝鮮の核問題に関連し、北朝鮮の挑発よりも韓国など同盟国と緊密な協力が行われない可能性を憂慮すると9日(現地時間)、明らかにした。北朝鮮の核問題を解決し、米国の国民と同盟の安全を守る新しい対北朝鮮接近法を樹立する過程で、同盟国が米国と同じ考えをするかが重要だと強調しながらだ。



(4)「米国務省のプライス報道官はこの日の定例記者会見で、「北朝鮮への関与が遅れれば、北朝鮮が核実験やミサイル発射など米国の関心を引くための行動をする可能性があるということをバイデン政権は心配しているのか」という質問に対し、「私は我々がパートナーの韓国・日本と緊密に協力しないという展望がさらに心配だと考える」と答えた。バイデン政権は北朝鮮接近法関連の質問が出るたびに「過去の政権の北朝鮮政策全般を検討した後に決める」という立場を繰り返してきたが、この日のプライス報道官の発言は米国や韓国など同盟国間の北朝鮮政策の立場調整を強調した」

 

バイデン政権は、北朝鮮がミサイルや核の実験で脅迫するとしても、同盟国の協調を重視していることを明らかにしている。それは、米国とその同盟国が北朝鮮の瀬戸際政策に動揺せず、あくまでも北に核を放棄させる政策を追及する姿勢を打ち出す可能性を滲ませている。こうなると、北朝鮮の脅迫は通用しないことになる。北朝鮮が音無しの構えであることもこれを示唆しているように見える。韓国は、チョロチョロ騒がず、どっしりと腰を据えて事態に備えることが重要だ。

 

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